3月30日にNVDA翻訳チームのメンバーの一人からNVDA Projectメンバーに “support NVDA or you will lose it.” (NVDAを支援してください、さもなくば失われます)という投稿がありました。
翻訳チームのメンバーに翻訳と公開を呼びかけていますが、いまのところ NVDA プロジェクトや NV Access からの公式な声明ではありません。
西本は現時点では個人の立場で、日本のNVDAユーザーへの情報提供のために翻訳を試みたので、公開させていただきます。募金はあくまでもご自身のご判断で行なってください。
nvdajp プロジェクト(NVDA 日本語版)としての本件への対応は検討中です。
なお、オーストラリアを拠点とする非営利組織 NV Access への募金については、2011年1月の呼びかけ NVDA needs you でもご紹介しました。
日本からもクレジットカードによる募金が可能です。一度きりの募金だけでなく、毎月決まった金額を募金するような手続きが可能です。下記の手紙ではこのことが取り上げられています。
PayPal のシステムが使われていますが、PayPal にユーザー登録をしなくても送金できます。
まほろばさんが記事をお書きになったので、ご参照ください。
本件についての私個人の意見は、別エントリーで書きたいと思います。
NVDAユーザーの皆様へ
長文で申し訳ありませんが、最後までお付き合いください。
皆様への感謝の気持ちをお伝えするとともに、 NVDA の開発を続けていくために大事な決断を皆様にお願いする時が来ました。
景気低迷の影響で、NV Access が受け取った助成金が期待した額に比べて少なかったのです。
NVDA がすべての人にアクセシビリティ機能を提供する有用で価値あるツールであり、視覚障害者を支援している機関、例えば RNIB (英国) 、AFB/NFB (米国) あるいは皆様の国におけるこうした機関に、NVDA の開発の支援や資金援助を要求していくことは、私たちの責務です。
(訳注:日本では日本ライトハウスがAFB、日本盲人会連合がNFBにあたると言われています)
こうした組織には政治的な課題があり、迅速な行動は期待できません。
しかし、私達NVDAユーザーが、この現実を真摯に受け止めるならば、NVDA の開発をストップさせないために行動を起こすことができます。
つまり、公的機関や企業の助成金を待つことなく、何かができるということです。
NVDA には多くの特長、利点、独自の機能などがあり、NVDA のユーザーは増え続けています。
しかし、残念ながら、個人からの寄付は、ユーザー数の増加に見合うほどには伸びておらず、また継続的ではありません。
私達が明確に言えることは、金額の多少に関わらず、継続的な寄付を得ることができれば、Jamie と Michael (NVDA の中心的な開発者二人)はフルタイムでNVDAの開発に従事できる、ということです。
私達が忘れてはならないことは、彼ら二人が、私達と同じ視覚障害者でありながら、類まれな能力を持ち、私たちに恩恵を与えていることです。
私たちが防がなくてはならないのは、彼ら二人を、自分たちが愛しており信念を持って取り組んでいる「NVDAの改良」という仕事と、彼ら自身の家族と子供たちの生活を支えていくことの、どちらか片方を選ばなくてはならない、という状況に追い込むことです。
現在の助成金では彼ら二人の生活を2012年9月までしか支えることができません。もし寄付が増えなければ、彼らは他の仕事を探すことになるかも知れません。
たとえ彼らのうちの一人がNVDAプロジェクトを去ったとしても、この仕事は非常に厳しいものになり、開発は停滞します。
そうなると、私達に直接的な影響が及びます。つまり、バグ修正や機能要望などのチケット対応に、より多くの時間がかかり、ユーザーの不満や苦悩が増大します。幸い私たちは過去数年間このような経験をせず、定期的にリリースされ、新しいバージョンが常に旧バージョンよりも改良された状態を享受してきました。
私たちはこの状況を理解しなくてはなりません。すなわち、一人ひとりが、自分の置かれた状況に応じて、寄付をしなくてはならないのです。
毎月5ドル、10ドルといった少額でも、このプロジェクトを終わらせないために役立ちます。
私たちはすでに定期的な寄付をしておられる方に感謝します。
想像してみてください。
私たちは1杯のコーヒーに5ドルを払ったり、外食に10ドルや20ドルを払ったりしています。
NVDA はこの程度の支出に値するものではないでしょうか?
多くの人がチャリティイベントに参加しています。
例えば、マラソンに参加したり、タンデムライド(自転車の二人乗り)を楽しんだり、地域の行事でケーキを焼いて売ったりして、ガン研究の支援など、チャリティに値する活動のためにお金を集めているのではないでしょうか?
それらと同じくチャリティの対象である NV Access も、私たちは支援できるはずです。
どうかNVDAを支援するチャンスを逃さないでください。
もし定期的な寄付を十分に集められなかったら、数カ月後に、NVDAの開発が滞り、ユーザーの要求に応えられなくなってしまい、私たちは高価なスクリーンリーダーを購入する必要に迫られます。
私たちは「オープンソース」を、ボランティアの貢献者の皆さんを、強く信じて、この手紙を書いています。
Jamie と Michael が彼らの手でこのような募金の呼びかけを継続的に行うことは困難だと思います。
しかし、私達ユーザーは、彼らが「取り返しのつかない状態」になる前に、行動しなくてはなりません。