技術書典6で売り子を手伝いました

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東京で開催された「技術書典6」に参加してきました。

ただの来場者として雰囲気を知ってお目当てのサークルを見に行こうと思っていたのですが、当日の朝になって、「広島電子工作娯楽部」のブースを手伝って欲しいという話が来て、サークル通行証で設営から入場することになりました。
おかげで、単に来場者として会場にいるよりも、ずっと落ち着いてイベントを楽しむことができました。

基板を作ってみよう

「広島電子工作娯楽部」では「基板を作ってみよう」という新刊を著者が売っているそばで、荷物を見張ったり在庫と売上金を数えたりしていました。

私も基板は作ってみたかったので「やらないといつまでたってもできないです」「たとえ失敗しても『失敗という名の成功』が得られます」「基板が作れると表面実装が怖くなくなります。部品の選択肢が増えると世界が変わります」などなど、著者のセールストークに私も心の中で頷きながら座っていました。

約140部が終了1時間前くらいには完売。来場者1万人という規模もすごかったですが、売り手の熱意と、本の内容のクオリティに支えられた成果だったと思います。

技術書典に広島から参加したサークルとしては初めての実績だったのではないでしょうか。

アクセシビリティ

前回の技術書典5では「こんのいぬ」さんが「これからはじめるWebアクセシビリティ」を販売しておられて、私は後日それを知って電子版を購入しています。

アクセシビリティについての(それを読めないかも知れない人がいる前提の)紙の本を売るって、誰にどう伝わるんだろう、と懐疑的に思ったこともありました。

ですが、未知の世界との出会いを求めている、楽しんでいる、ということが分かってきました。

だったら関わる意義はあるのかな、と思い始めたのですが、今回、私自身のサークル申し込みは落選してしまいました。

お目当てのひとつは、スクリーンリーダー NVDA の同人誌でした。

無事に「ほしがたタイムカプセル」さんのブースで NVDA と DAISY の本を入手できました。

写真: ほしがたタイムカプセルさんのブース

タイトルの「NVDAではじめるヘッドレス・デスクトップ」というのはすごいインパクトですね。

購入した本を帰りの新幹線の中で読みましたが、書き手にいまはまだ視力があること、いずれ視力を失われる見込みであること、そしてご自分がソフトウェア技術者であること、さらにご自分がスクリーンリーダーのユーザーになろうとしておられること、などなど、さまざまな立場の視点が絶妙にミックスされていて、またアニメの知識からスクリーンリーダーの機能をユニークに比喩されているなど、とても興味深く読むことができました。

ブースではヘッドフォンとゲームパッドで Windows を使ってみよう、という体験の環境を用意しておられました。こういう新しい切り口で、1万人の人に NVDA を紹介してくださってありがとうございました。

買った本と全体的な振り返り

買った本の写真です。全部で1万円くらいでしょうか。。

技術書典6で買った本

さきほど書いた「Webアクセシビリティ」の本や、同じく前回の参加者さんが出された「ネコを支える技術」 など、あとで知って電子書籍で購入させていただいた本はあるのですが、あらためて、同人イベントに実際に足を運んで(主に)紙の本を買う、という経験を考え直す機会になりました。

NVDA (と技術書典の公式ガイドブック)以外の本は、買おうと思っていたわけではなく、たまたま目に入って、ちょっと読んでみようか、と気軽に購入したものばかりです。

「テーマが新しくなくても、視点が新しければ、ユニークなコンテンツは作れる」ということがわかります。

キーワードが分からなくて探せないもの、いつか情報収集しようと思いながら実行に移せてなかったもの、逆にキーワードから得られる情報が多すぎて何を読んでいいか分からないもの、古い情報が役立たなくなってしまうもの、などなど、イベントの場でこうして紙の本を見つけることには、まだまだいろんな意味があるようです。

そういえば私はふだんから「考え事をするために本屋に行って、背表紙を眺めながらあれこれ思いを巡らせて、本当に欲しい本はあとでネットで買う」みたいなこともよくやっています。

私は自分の仕事場のペーパーレスを目指していることもあり、紙の本をたくさん持ちたいわけでもないのですが、同人誌については「まあいいか」と感じています。
電子版で買い直せたら買い直すかも知れませんね。。

400以上の書き手が発信するコンテンツを1万人の参加者に6時間で伝える、と考えると、ポスターセッションよりももっと効率的なわけで、不思議でもあり、すごいなあと思った一日でした。

来場者も年齢・性別を問わず、いろんな人がいらっしゃいました。

ふつうの入場者としての参加だったら相当並んで会場に入ることになっていたと思うと、

「東京のすごいところは、とにかく人が多いこと」

「東京のつらいところは、とにかく人が多いこと」

ですね。。

PCNひろしま 第14回終了

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2017年に こどもプログラミング教室(PCNひろしま)参加について という記事を書いたのですが、その後について報告します。

2017年12月に私が「シュアルタ」として fabbit 広島駅前を利用しはじめたときにお願いをして、PCNひろしまの会場として使わせていただけることになりました。

2018年1月の第3回以来、だいたい月末の日曜日の午前に、fabbit 広島駅前で「PCN ひろしま」を開催させていただいています。

最新の予定は connpass グループでご確認ください。「グループのメンバー」になるとメールで開催予定を受信できます。

2019年3月24日、昨日は「第14回」の開催日でした。

PCN ひろしまの対象は「小・中学生の親子ペア」です。

はじめての方は「入門者枠」でお申込みいただくと、機材をお貸しします。
(いままでいただいた参加費などで、IchigoJam 5セット、キーボードとモニタ 各3セットを揃えました)

IchigoJam を購入されてご自宅で遊んだり勉強したりを始められたお子さんは「経験者枠」でお申込みいただいています。

第14回は経験者枠のお子さんが2人でした。おふたりとも、最近は毎回のように来てくださっています。

今回の運営メンバーは私を含めて2人で、それぞれお子さんと「遊びたいゲーム」「作りたいプログラム」などを話し合いながらサポートしました。

入門者枠の題材で使う「かわくだりゲーム」に「スクロール方向を逆にする」「スコア表示をつける」など、私がちょっとした改造をして、遊び比べてもらったりしました。

改造かわくだりで遊んでいる様子

最後に、これは教材ではなくて私の私物なのですが、IchigoJam で動くように改造した「カムロボ」のキャタピラが片方動かなくなってしまい、分解して修理をしようと頑張ってみました。

カムロボ分解中

カムロボのギアボックス

お子さんたちも興味ぶかく見守ってくれたのですが、工具が足りなかったので、修理は次の機会までお預けになりました。

連れてきてくださった大人の方には、3月3日に福岡で開催された「こどもプロコン(プログラミングコンテスト)」の表彰式を見に行ったお話をしました。

広島県のお子さんたちもコンテストに応募をするように後押しをしていきたいと思っています。

CSUN国際会議2019に参加中

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ひさしぶりに CSUN Assistive Technology Conference に来ています。

Twitter @24motz で聞いたことをメモしながら会場を回っています。

twilog でまとめています。

どのくらいひさしぶりかというと、2002年が前回の参加だったようです。17年ぶりですね。。当時はロスアンジェルス空港のすぐそばのホテル、その後会場がサンディエゴになり、今年からアナハイム。
ディズニーランドのすぐ近くにいて、ホテルの中をずっとうろうろしています。

今回の大きな目的は NVDA の開発をしている NV Access の人たちにひさしぶりに会って話をすることでした。

昨日、目的は果たすことができました。

NV Access のセッションの様子

あらためて NVDA 日本語版の状況を報告。

今年これから進められる Python 3 移行における日本語の文字コードの問題、 Windows 10 の新しい日本語入力メソッドへの対応の問題、など、日本の NVDA ユーザーにとっての不安材料を伝えました。

話し合った結果、これらの問題を確実に解決しながら前に進んでいけそうだという確信を持ちました。

詳しいことは、いずれお伝えしていきたいと思っています。

株式会社シュアルタとしては NVDA の法人向けサポート事業を準備中です。

数々のセッションや企業などの展示から、今後に向けたヒントや刺激をいろいろもらっています。

たくさんの盲導犬が会場中を所狭しと働いているのも、17年前と変わらない、ほほえましい光景です。

2019年

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あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

写真: 白い犬のアンナと白いイノシシの置物

株式会社シュアルタは2019年2月に設立1周年を迎えます。

まだまだはじめてのことばかりで落ち着きませんが、飛躍できる会社を目指して頑張ります。

kikurako は1月30日から2月11日まで宮島で展示会を開催します。

こちらもよろしくお願いします。

アンナの日記

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「そんな広島」Advent Calendar 2018 の 23日目の記事だワン。

写真: 白い犬、アンナ。首にピンクのリボン

シーリハムテリアのアンナ(メス、5さい)だワン。

5年前に、生後2か月で広島に来たワン。

パパとママは今年、会社を作ったワン。

アンナも会社のメンバーになったワン。

肩書は「くんくん隊長」。

お給料なのかな、前よりもらえるオヤツが増えたワン。

会社の名前、シュアルタ の「ア」はアンナの名前、「ル」と「タ」はママとパパの名前の頭文字だワン。
「シュ」の由来は秘密だから言っちゃダメ、だって。。

会社のメンバーになったらすぐ、大きなお仕事。
出張で初めての東京。大きなペットイベントを視察。
キラキラ着飾ったワンちゃんがいっぱい来てたワン。

秋には広島の「ペット博」にも行ったワンよ。

今年はお医者さんのお世話になることも多かったワン。
美味しいお肉をもらったら骨がお口に引っかかって取れなくなったり、おなかを壊したり。。

そういえばパパも今年、よく病院に行ったワン。
夜中にアンナに手を出そうとしたパパに、ついカッとなってかみついたことも。
パパは指の血が止まらなくて病院に急行。
アンナもびっくりしたワンよ。。

いつもお散歩をしていた河川敷や川沿いの道が、7月の大雨で壊滅。

ショックだったワン。

最近になってやっと前のようにお散歩できるようになってきたワン。

シュアルタは、災害のときに行方不明者の捜索に活躍してくださる
NPO法人「日本レスキュー協会」の法人会員になったワン。
レスキュー犬は、すごい訓練を受けた優秀なワンちゃんたちなんだって。。

ママは愛玩動物飼養管理士(2級)を取得したよ。おめでとうワン。

パパは動物学や応用行動学の専門書をいっぱい読んだんだって。
アンナのこと理解できたワンか?

「イグ・ノーベルの世界展」で「バウリンガル」の実物も見たんだって。
パパもアンナの言葉わかるようになったワンか?

アンナは会社のお仕事もしなくちゃ、なので、パソコンも勉強して、こうしてパパのブログも代筆するんだワン。

でも、文章を書くのは疲れるワン。ツイッターも始めたけど、インスタのほうが楽だワン。

もうすぐ「ワンコ年」も終わるけど、来年もアンナとパパとママをよろしくワン。

NVDA 2018.4jp と FocusHighlight の現状

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無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の 日本における開発コミュニティである NVDA 日本語チームは、 2018年12月17日に NVDA 2018.4jp をリリースしました。

インストーラーのダウンロードはこちらからどうぞ:

https://i.nvda.jp/

GitHub リリースも利用できます:

https://github.com/nvdajp/nvdajp/releases/tag/release-2018.4jp

Windows 10, 8.1, 8, 7(SP1) の32ビット版および 64ビット版に対応しています。
Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。
NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。

NVDA は多くのアプリに対応し、 インストール不要で利用できるポータブル版、アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。

NVDA 日本語チームがリリースする NVDA 日本語版は、オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA 本家版に日本語の音声エンジンと点訳エンジンを追加するなど、日本語 Windows 環境のための改良を行っています。

NVDA 2018.4 のハイライト

・Mozilla Firefox の最近のバージョンにおける性能の改善
・音声エンジンに依存せず絵文字を読み上げる機能
・Outlook の返信済みや転送済みなどの報告
・Microsoft Word でカーソル位置からページの端までの距離を報告する機能

設定ダイアログの主な変更点

「音声」カテゴリ
「記号と絵文字の説明にUnicodeコンソーシアムのデータを使用」
が追加されました。

「オブジェクト表示」カテゴリ
「バルーン情報の報告」が「通知の報告」に変更されました。

NVDA 日本語チームによる 2018.4jp の主な変更点

・Excel でテーブルの行列の見出しが点字ディスプレイに表示されない不具合の修正
・単独で使われるアットマークの点字表記を「56-246」に変更
・「ヘルプを独自のウィンドウで開く」の既定値をチェックなしに変更

詳細

下記を参照してください。

NVDA 2018.4 最新情報
https://www.nvda.jp/nvda2018.4jp/ja/changes.html

日本語版 2018.4jp の更新内容
https://github.com/nvdajp/nvdajp/milestone/16?closed=1

Focus Highlight の現状

NVDA 2018.4 で行われた変更の影響で、Focus Highlight アドオンで Firefox や Chrome を使う場合に、ブラウズモードでフォーカスの位置しか表示されません。

以前は見出しジャンプで移動した見出し要素を緑の点線で確認できたりしていました。

調査したら、ナビゲーターオブジェクトが取得できないのではなく、ナビゲーターオブジェクトが移動したというイベントが取れなくなったため、画面表示が更新されないようです。

(ためしに、ハイライト位置を更新するキーコマンドを作って実行すると、うまく表示できている)

回避方法をいったん見つけたものの、 NVDA の再起動や終了が不安定になってしまったため、リリースに至っていません。

本来 NVDA に備わっていてほしい API が足りないことを、アドオン側で無理やり補ってきたのですが、いまや本家がAPIを整備してハイライト機能を実装しようとしているので、そちらに協力するほうがよさそうです。

そろそろ私のアドオンは潮時なのかも知れません。

追記(2018年12月19日)

FocusHighlight 5.5 をリリースしました。

コミュニティ add-on サイトなどの更新は依頼中です。

この機会に Windows Vista + IE9 や Windows XP + IE8 と一年前に対応を終了した NVDA 日本語版と、新しい Focus Highlight が、いちおうエラーを出さずに動くことなど確認しました。

Web 開発者さんが泣きながら古いバージョンの OS や NVDA やブラウザで動作確認をさせられていると思うと、頑張らずにはいられませんでした。。

NVDAのこれから

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このエントリーは Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2018 の12日目の記事になります。

NVDA日本語チーム の西本です。ふだんは広島県広島市にいます。オープンソースのスクリーンリーダー NVDA の日本語対応に関わりながら、NVDA 日本語版のリリースを続けています。ウェブアクセシビリティ基盤委員会 WAIC WG2 にも参加しています。

今年は自分の会社 シュアルタ を設立しました。
NVDA に関するコンサルティングや受託開発を、株式会社シュアルタでお受けするのでよろしくお願いします。

後述するように NVDA と Windows アクセシビリティを取り巻く環境は2019年にも大きく変化します。
視覚障害者の雇用などで NVDA を活用したい企業や団体などの法人に向けて、コンサルティング契約により NVDA の技術サポートを提供します。
現在は申込受付の準備中です。
詳細は info@shuaruta.com にお問い合わせください。

Windows と Edge のこれから

Webアクセシビリティ Advent Calendar 2018 の4日目として NVDAのブラウズモード という記事を書いて、「Microsoft が Chromium 技術で作ったデスクトップアプリ」の紹介をしたら、直後に Microsoft Edge が Chromium に移行するという発表がありました。
momdoさんの日本語訳

そこまで Chromium 大好きになってたのか。。

Windows 10 がリリースされた直後に NVDA は Microsoft Edge をちゃんとサポートできていない、という宣言をしたのが懐かしいですね。
最大の理由は Internet Explorer 11 がサポートしてきたアクセシビリティAPIを Edge が廃止して UI Automation という技術に移行してしまったから、なのですが、その後、長い間をかけて Microsoft と NV Access は Edge が NVDA でちゃんと動き、性能的にも問題がないようになった、というのが2017年の終わりごろでした。

Chromium になった Edge は、もはや Chrome や VS Code や Skype のようにきちんと NVDA で操作できるようになるのだろうな、と思ったら、今度は Microsoft が Chromium の UI Automation 移行を進める、という話になっています。ということは Edge と Chrome にちゃんと対応できたばかりの NVDA は、また新たな作業が必要になるかも。。

Windows スクリーンリーダーのワクワク・ドキドキ・ハラハラの日々はなかなか終わりそうにありません。

NVDAのこれから

Python 2 のサポートが2019年末に終了する、ということがわかっていたにも関わらず NVDA はいまだに Python 2.7 に依存しています。

あれやこれやのアップデートに対応する作業に NVDA が追われることがなければ、もっと前向きな作業ができたのではないか、と言われそうですが、私は「もともとスクリーンリーダーというのはそういう運命のもの」だと思っています。

つまり OS やアプリやコンテンツが「理想的に作られていない」ことで起きる不具合を「取り繕う」のが、スクリーンリーダーの(本質とまでは言わないけれど)「重要な価値」になってしまっています。

なので「スクリーンリーダーの未来は?」と聞かれると、「スクリーンリーダーがなくなる」は言い過ぎとしても「スクリーンリーダーが単純になるのが理想の未来」と私は答えます。

話を戻すと、NVDA は来年 2019.1 から 2019.4 までの4回のリリースを行うあいだに、互換性を切り捨てて大きく変わり、Python 3.7 あるいは Python 3.8 を積んでパワーアップした NVDA に生まれ変わります。

ですが、そのパワーアップは、ユーザーには「何の得にもならない」と思われる可能性が高いです。

Windows XP のサポートが終わったときにも、Firefox で WebVisum が動かなくなったときにも、ガラケーで Web サイトが閲覧できなくなったときにも、むかしの Visual Basic で書かれたアプリが動かなくなったときにも、同じような話がありました。

今度は NVDA にその試練が降りかかる番ですね。。
たぶん NVDA 2018.4 やその日本語版を、アップグレードしないで何年か使い続けたい、という要望が出るだろうなあと覚悟をしています。
まあ、そういう使い方をする PC を割り切って温存するのは「アリ」かも知れません。。

ユーザーが直接得をしない「新しい技術への移行」は、そうは言っても、標準化、ソフトウェア開発、セキュリティ、オープンソース、など多くの企業やコミュニティの活動が関わって作られた「大きな流れ」であり、逆らうことは「孤立」を意味します。

そして「孤立」は「コンピューターとインターネットを学びたい、楽しみたい、活用したい」というスクリーンリーダー利用者には「残念な」選択だと思います。

実はまだ NVDA コミュニティは NVDA を Python 3 に移行させるための技術的課題を完全にはクリアできていません。

私の手元で動いている Python 3.7.1 版 NVDA は、今日やっとフォーカスハイライトが動いたところですが、まだ重要な機能がボロボロと欠けている状態です。

大丈夫なのか、ほんとにやれるのかよ、と心配しています。

来年は NVDA 日本語版よりも、まず本家 NVDA コミュニティのチャレンジを支えたい、と思っています。

NVDA 日本語アルファ版の新しい仕様

ここからはメーリングリストに投稿した内容です。

現在 NVDA 2018.4 のリリース候補版が出ていて、NVDA 日本語ベータ版 nvda_2018.4jp-beta-181210j はその変更が反映された、事実上の日本語リリース候補版になっています。
来週中に 2018.4jp の正式版もリリースできると思います。

本家は NVDA 2019.1 に向けた作業を進めており、日本語アルファ版では 2019.1 に向けた変更をテストしています。

最新の日本語アルファ版で、NVDA のアドオンについて大きな変更があるので、お知らせしておきます。

以下の説明を読んで、不都合と思う場合は、前もってリリース版やベータ版に移行することをお勧めします。

2019.1 以降の NVDA は、原則として、アドオン開発者によって互換性が確認されたアドオンだけをインストールできます。

アドオン開発者は、互換性を確認していることを知らせるために、アドオンを作り直して公開する必要があります。
先日リリースした focusHighlight 5.4 ではこの問題を修正しています。

NVDA 2019.1 系の日本語アルファ版をインストールするときに、従来のアドオンがインストールされていると、
「アドオンの互換性について了解しました」
というボタンが表示される場合があります。

ですが、そのボタンを押してインストールを実行するだけだと、互換性のないアドオンはすべて無効化されてしまいます。

インストールを実行する前に「アドオンの互換性の確認」というボタンからダイアログを開き、それぞれのアドオンについて「有効にする」のチェックボックスをチェックすれば、従来のアドオンを使い続けることができます。

この作業は、すべてのアドオンについて必要です。
(NVDA をインストールし直すたびに必要かどうかは再調査中です)

アドオンをたくさんインストールしている場合や、頻繁に NVDA 日本語アルファ版を更新している人には、かなり面倒ではないかと思います。

場合によってはベータ版や安定版に切り替えたほうがよい、というのはそういう理由です。

この数日、本家では、この仕組みのリリースで大きな混乱がありましたが、メーリングリストなどの議論を読んでいるかぎりでは、アドオンの互換性チェックを見直すつもりはなさそうです。

NVDA が依存している Python を2019年末までに 2 から 3 に切り替えて、そのほかの NVDA の内部の改良を進めるために、アドオン開発者に対応をしてもらう必要があり、その準備としてこの機能が必要だと考えられているためです。

NVDA 日本語版についても、こういう仕組みになったことを早く知っていただこうと考えています。

インストール時のアドオンの操作についてのメッセージは、日本語アルファ版では日本語に翻訳しました。
通常よりも早いタイミングで翻訳作業をしたので、不完全な部分があるかも知れません。

従来動いていたアドオンが「手動で有効化」すれば動くかどうかは、アドオンごとに状況が異なりますが、2019.1 で動いているとしても、アドオンそのものが更新されなければ、2019.4 や 2020.1 で動かない可能性が高いです。

新しい日本語アルファ版を試してもらい、どのアドオンで不都合なことが起きるかを調べながら、NVDA 日本語チームの取り組むべきことを検討したいと思います。

アドオン開発者のための補足

アドオン開発者のための公式の説明は developerGuide に書かれています。

https://github.com/nvaccess/nvda/blob/master/developerGuide.t2t

具体的には manifest ファイルに

minimumNVDAVersion = 2017.4
lastTestedNVDAVersion = 2018.3

のように記載します。
前者を「最小要件の NVDA バージョン」
後者を「動作確認済みの NVDA バージョン」
と日本語では表記しています。

未来のバージョン番号を 2019.2 のように書いてもエラーにはなりません。
(が、最新のアルファ版のバージョンにしておくべきという本家のMLでの議論あり)

2019.1 と書くと本家版 2019.1 とも互換性があり、NVDA 日本語版 2019.1jp とも互換性がある、と解釈される見込みです。
(日本語版でしか動かない、みたいなチェックは想定していません)

本家のコミュニティで公開されているアドオンのテンプレート
https://github.com/nvdaaddons/AddonTemplate
こちらには
updateChannel
という項目もありますが、これは本家の addonUpdater で使われる項目で、不要な場合は None にしておきます。

focusHighlight の buildVars.py も紹介しておきます。

https://github.com/nvdajp/focusHighlight/blob/master/buildVars.py

NVDAとアドオン開発者のための補足の補足

ユーザーには何の役にも立たないように見えるであろう「NVDA の Python 3 移行」ですが、NVDA の現在と未来の開発者が幸せになれる、というメリットが、めぐりめぐって NVDA のユーザーを幸せにする、という展望があります。

例えば、いままで NVDA が日本語環境でうまく動いていない不具合の多くは「Windows で日本語の文字コードが使われている場合だけで起きる問題」の見落としでした。

Python 3 への移行で、そのような不具合が起こりにくくなる、と私は期待しています。

おまけ:今年出演したポッドキャスト(再掲)

サイトワールド2018特集 第6回 NVDA日本語チーム(日本視覚障害者ICTネットワーク JBICT ポッドキャスト)

AccSell ポッドキャスト第140回: 「こういうもの俺自分で作らなくて良い時代になったんだ」

わしポ 9: Kinsai PyCon mini Hiroshima (nishimotz)

NVDAのブラウズモード

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このエントリーは Webアクセシビリティ Advent Calendar 2018 の4日目の記事になります。

NVDA日本語チーム の西本です。ふだんは広島県広島市にいます。オープンソースのスクリーンリーダー NVDA の日本語対応に関わりながら、NVDA 日本語版のリリースを続けています。ウェブアクセシビリティ基盤委員会 WAIC WG2 にも参加しています。

今年は自分の会社 シュアルタ を設立しました。以前から NVDA に関わる研究や調査・開発にフリーランスの立場で関わっていましたが、今後は NVDA に関するコンサルティングや受託開発を、株式会社シュアルタでお受けするのでよろしくお願いします。

NVDAのブラウズモード

ブラウズモードさえなければ NVDA の操作は基本的に Windows の操作です。Windows やWebブラウザに備わっている機能の不足を補っているのがNVDAの「ブラウズモード」です。

一方でブラウズモードが理解できないと「Windows がおかしくなった」ようにさえ思えます。

NVDA のブラウズモードについては、講習会用の教材として(図がなくて申し訳ないですが)「NVDA日本語版ガイドブック」を公開しています。

ブラウズモードの理解に「フォーカスハイライト」アドオンが役立つという話は2016年の記事に書きました。

今年「アクセシビリティの祭典」にあわせて作った「NVDAチートシート」も「ブラウズモードの仕様をいかに可視化するか」が大きな目的でした。

NVDAチートシートの一部

11月にサイトワールド2018で開催した「NVDA体験会」でも、ブラウズモードの説明のセッションを担当しました。そのときに、他のスタッフから「最近の Skype は NVDA のブラウズモードで操作すると便利だ」と教えてもらいました。

ご存知のとおり、最近はデスクトップアプリを Web 技術(いわゆる Electron )で開発することが増えています。

NVDA では「ブラウズモードは Web コンテンツだけではなく PDF や HTML メールや電子書籍なども対象にしていて、それらをできるだけ一貫性のある方法で操作できる」ことを目指しています。

ここでは「Webアクセシビリティ」とはちょっと離れてしまいますが、ブラウズモードで覗いてみるとちょっと興味深いアプリを2つ紹介します。

Visual Studio Code 1.29.1

最初は Visual Studio Code です。

Visual Studio Code

Electron が使われていること、オープンソースで開発されていること、などが知られています。また、アクセシビリティに配慮されており、NVDA に対応しています。スクリーンリーダーで使いこなすのはなかなか大変と思いますが、まあ私も使いこなせてるとは言えませんね。。

VS Code には「スクリーンリーダー互換モード」のようなスイッチがあります。これが有効になっていないと、テキストエディタの行単位の読み上げがあまりちゃんと動きません。モードが自動切り替えに設定されている場合は、NVDAが動いているかどうかを判断して、モードを切り替えますか?みたいに聞いてきたりします。

スクリーンリーダー互換モードをずっと有効にしていると、行の折り返し表示が期待通りに機能しません。どうやら、論理行と物理行を一致させることを前提にスクリーンリーダー対応を実現しているようです。

さて、その設定ですが、Settings の画面の中にコンボボックスがあります。

フォーカスハイライトが赤くなるのは、ブラウズモードだからですね。。

Visual Studio Code の「アクセシビリティ サポート」設定

ブラウズモードなら「要素リスト」が使えるはずなので NVDA+F7 を押してみます。フォームフィールドの表示に切り替えると、

Editor Accessibility Support コンボボックス・折りたたみ on

のように、この設定項目が現れます。

Visual Studio Code の設定画面で NVDA の「要素リスト」ダイアログから「フォームフィールド」を表示

この要素リストで「ランドマーク」に切り替えると、「コンテンツ情報」「ナビゲーション」「メイン」のランドマークがあり、メインの中にさらに「Settings フォーム」という項目も見つかります。ランドマークの「フォーム」は解説に書いてあるけど、あまり見たことなかったです。。

Visual Studio Code の設定画面で NVDA の「要素リスト」ダイアログから「ランドマーク」を表示

VS Code はフォルダーを開くとその中のファイルを複数開いて切り替えながら編集ができます。そのファイルを探したり切り替えたりする画面要素はテキストを編集する部分の左側にあり、「エクスプローラー」という名前になっていて、ツリービューのような表示になっています。その状態で「要素リスト」を開くと、下記のような画面になります。

種別「見出し」では「開いているエディタ」「フォルダ名(その内容を表示できる)」「アウトライン(プログラミング言語のクラスやメソッドや変数の定義などをツリー表示できる)」の項目が見つかります。ということは、見出しジャンプできたり、要素リストから移動できるわけですね。。

Visual Studio Code のファイルエクスプローラーで NVDA の「要素リスト」ダイアログから「見出し」を表示

Skype 8.34.0.78

Skype for Windows も最近のバージョンは Electron で作られています

たしかに NVDA+スペース でブラウズモードとフォーカスモードに切り替わるし、テキスト入力のところに移動すると「ガシャ」と音がして、自動的にフォーカスモードに切り替わったりします。

Skypeチャット画面 全体がフォーカスハイライトの赤い枠で囲まれている

要素リストで「見出し」を確認すると、チャット画面の日付が見出しになっていました。この例では「2017年5月7日」と「今日」という2つの見出しがあります。

要素リスト「見出し」

ブラウズモードで H と Shift+H を押すと、日付の区切り線のようなところにジャンプできます。

以下は「2017年5月7日」に移動したところ。

Skypeチャット画面 日付2017年5月7日のところがフォーカスハイライトの赤い枠で囲まれている

以下は「今日」に移動したところ。

Skypeチャット画面 今日のところがフォーカスハイライトの赤い枠で囲まれている

Web コンテンツであれば「見出し」にはレベルがあって、レベル2の見出しには数字 2 を押すとジャンプできるのですが、この Skype チャットの日付は「レベル1から6」のどれにも当てはまらない「レベルなしの見出し」でした。いずれ詳しく調べてみたいと思います。興味深いですね。。

ブラウズモードで E を押すと「エディットフィールドにジャンプ」ができるので、この Skype のチャット画面では、チャット入力コントロール(ここに入力と書かれている場所)にジャンプできます。

Skypeチャット画面 ここに入力という箇所がフォーカスハイライトの赤い枠で囲まれている

文字を実際に入力するためにはフォーカスモードに戻す必要があります。

Skypeチャット画面 ここに入力という箇所がフォーカスハイライトの青い点線の枠で囲まれている

上下の矢印キーでエディットに移動するとフォーカスモードに自動的に切り替わるのですが、1文字ナビゲーションの E で移動すると、ブラウズモードのままになりますね。。

以上、ブラウズモードで Web コンテンツっぽい操作ができるアプリの実例を紹介しました。

仕事では iOS で WebView を使うアプリの開発もするのですが「Web 技術をアクセシブルに使う」と VoiceOver でだいたいちゃんと使えます。

見えないところも、きれいに正しく作れたらいいですよね。。

アプリやコンテンツのアクセシビリティ検証に NVDA を使ってくださる皆様、イベントのサポートや寄付などのご支援をしてくださる皆様、ありがとうございます。これからも NVDA 日本語チームをよろしくお願いします。

おまけ:今年出演したポッドキャスト

サイトワールド2018特集 第6回 NVDA日本語チーム(日本視覚障害者ICTネットワーク JBICT ポッドキャスト)

AccSell ポッドキャスト第140回: 「こういうもの俺自分で作らなくて良い時代になったんだ」

わしポ 9: Kinsai PyCon mini Hiroshima (nishimotz)

PyCon mini Hiroshima 2018 終了

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PyCon mini Hiroshima 2018 が無事に終了しました。
有料イベントになったにも関わらず、60人以上の人にご参加いただくことができました。

私は実行委員長として、また企業・団体パトロンの株式会社シュアルタとして、そして「舞え!ひろしま Kaggler」講演者として、あわただしい一日でした。

まだまだ記録とか精算とか報告作成とかやっている途中です。

Togetter まとめ

いつものように最後にスタッフみんなでご挨拶した写真。

まだ広島で Python 流行ってないの?と言わせてるみたいなスローガンでしたが、今回は「広島で流行らせよう!」というテーマをすこしずつ実践できていけそうな、そんな一日でした。

今後ともよろしくお願いします。

PyCon mini Hiroshima 2018 参加者・発表者募集中 #pyconhiro

PyCon mini Hiroshima 2018 2018年10月6日 土曜 すごい Python 広島で流行らせよう
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2018年10月6日(土曜)に PyCon mini Hiroshima 2018 を開催します。

概要

PyCon mini Hiroshima 2018
すごいPython 広島で流行らせよう!
2018年10月6日(土曜)

基調講演
Pythonで遊ぼうコンピュータ将棋
芝 世弐(岡山県立大学情報工学部)
Pythonの10年と今、これから
佐藤治夫(株式会社ビープラウド)

会場
広島大学東千田未来創生センター
広島県広島市中区東千田町1-1-89

参加費
学生:無料
一般:1000円
事前の申し込みをお願いします)

講演者募集

Python に関するご講演を募集しております。

講演申込 Google フォーム をご利用ください。

またはメールでのお申し込みに関する説明を参照してください。

申込締切は8月29日(水曜)です。

西日本豪雨の影響

以下、現時点での個人的な見通しです。

  • 当日の会場への新幹線(JR広島駅)や広島空港からの交通アクセス:問題なし
  • 広島市中心部から西側(宮島など)の観光スポット:問題ありませんが、JR在来線の運行区間に変更があり、運行本数も少なめです。時間に余裕をもって行動するとよいと思います。
  • 広島市中心部から東側(呉、東広島、尾道など)へのアクセス:JR在来線が被災し、10月の時点ではまだ全線復旧できていない見込みです。バスや車での移動は運休、不通区間、渋滞に注意が必要です。
  • 西条酒まつり:開催されます。ですが JR 在来線で広島市内から移動できない可能性があります。酒蔵ツアーについては8月中旬にご案内する予定です。
  • 追記(8月16日)PyCon mini Hiroshima 2018 Sake-Matsuri Tour 募集中です!当日はJR在来線で広島市内から移動できる見込みです。

雑感

私自身は、豪雨から3週間以上が過ぎた現在も、自宅地域が避難勧告の対象になっています。川沿いの道路がいたるところで陥没して、愛犬と散歩をする道がごくわずかになってしまいました。それでも、この地域にも多くのボランティアが来てくださって、砂ぼこりを巻き上げていた道路が少しずつきれいになり、通勤などでの不便は残っているものの、日常を取り戻しつつあります。

こんな状況でしたが、7月22日に「PCNひろしま」のプログラミング教室を予定通りに開催して、改めて、自分の置かれた状況に配慮しながら、やってきたことをやり続けることの意味もあるような気がしました。

PyCon mini Hiroshima でも、広島で今年起きたことを踏まえた取り組みを、なにか扱えるのでは、と思っています。先週の水曜日に開催した「すごい広島 with Python」でも、位置情報を扱うライブラリやオープンデータなどの情報交換をしたところです。

「すごい広島 with Python」は1年以上毎月開催して、ここで Python を勉強しはじめた人が、東京で開催される PyCon JP のプロポーザルを出す(通ったかどうかはいずれ。。)という段階までたどり着きました。参加者としても今年も何人かが広島から PyCon JP に参加することになりそうです。

Python を広島で使い始めている人に、ちゃんと広島にコミュニティがあって、全国的なコミュニティとつながっている、ということを知っていただくために、もうしばらくこのイベントを続けたい、という気持ちで準備を進めています。

現在受付中の講演募集ですが、30分、15分に加えて、持ち時間5分のライトニングトーク(LT)も選択可能にしています。 Python に関するいろいろなアイディアやノウハウをお持ちの方は、お気軽にお申込みください。

よろしくお願いします。

追記

講演申込締切を8月29日(水曜)に変更しました。(8月15日)