音声CAPTCHAに関するASJ発表

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日本音響学会の発表

西本 卓也, 松村 瞳, 渡辺 隆行: “音声CAPTCHAにおける了解度と心的負荷の検討,” 日本音響学会 2010年春季研究発表会 講演論文集, 3-4-3, pp.1487-1490, Tokyo, Mar 2010.
予稿PDF

が終了しました。聞いてくださった方々にお礼を申し上げます。

質問された内容:
(1)CAPTCHA課題の桁数が多いことの負荷が問題になるのではないか?
回答:同意。今回は3桁から5桁で実験している。長すぎるとスクリーンリーダの利用者には記憶負荷が無視できないはず。音声CAPTCHAの課題を聞きながら、いったん点字ディスプレイメモで書き取って、それからキーボードに打ち込む、という話も聞いたことがある。
(2)NASA-TLXの値が60くらいというのは「やめたくなるくらい負荷が大きい」ことを意味するのではないか?
回答:今回の集計(削除法の実験)では被験者ごとに平均50になるように正規化した値を示している。NASA-TLXのWWLは負荷の絶対的な大きさとして意味を持つ、という立場もあるが、西本は被験者ごとにレンジが異なる可能性の高い値である、という立場である。

セッション終了後に声をかけてくださった方からのコメント:
(3)数字の読み上げ課題で本当に音韻修復が起きているのか?連続聴が起きるのはわかるが、もっと長い意味的まとまりを持つフレーズでないと「了解度が上がるほどの音韻修復」は起きないのではないか?
回答:音韻修復が了解度に影響を与えているかどうかはちゃんと実験してみたい。予備的な検討においては「単に周期的にミュートしただけの課題は音声に聞こえない、まったく聞き取れない」といった意見が多かった。
(4)音韻修復を起こすための周期雑音にホワイトノイズを使うのは聞き手の不快感を高めるはず。ピンクノイズを使うべきではないか?
回答:ノイズの変更は検討すべき課題。これまでは「ノイズの音圧が大きい方が音韻修復が起きやすい」などの知見を踏まえてきたが、多くの被験者から不快感の指摘を受けている。

昨年10月のSP/WIT研究会での発表から若干被験者数が増えています。松村さん(東京女子大)の卒業研究で行われた最終的な実験データです。
私は分散分析などの考察を一部追加してお話ししました。