2014年9月6日にNVDAワールド 2014 東京を開催しました。
ご協力、ご支援いただいた、日本盲人会連合をはじめとする数々の企業、団体様、スタッフの皆様に感謝しております。
ご来場者、インターネット配信の視聴者・聴取者の皆様にも、お礼を申し上げます。
開催記録のページは随時更新します。
さきほど、私の資料のテキスト版と、中根さんのご講演のスライドを追加しました。
今回、中根雅文さんから、海外の事情、Webアクセシビリティ技術の視点、JAWSとNVDAの具体的な比較など、踏み込んだ情報をご提供いただけたことに感謝しております。
それと同時に、NVDA 日本語チームが持つべき視点がまだまだ狭いということも痛感しました。
ソフトウェア開発者向けの情報発信は、別の機会で行っていく予定です。
まずは9月20日のオープンソースカンファレンス2014 Hiroshima にて
アクセシビリティ検証ツールとしてのNVDA
というセミナーを行います。
広島にお越しいただくか、個人事業主としての私にご相談いただければ幸いです。
このイベントが、日本での NVDA のさらなる普及のきっかけとなり、NVDA 日本語チームのメンバーの広がりにつながれば幸いです。
参加方法はメーリングリストの説明をお読みください。
なお、私と新城さんがNVDAのデモで使った高品質の音声合成エンジンは、近日発売予定として、開発を進めております。
NVDA のインストール版でもポータブル版でも利用できます。
多くのかたに期待していただいているようで、ありがたく思います。
今年、私がお伝えしたかったことは、すでに8月11日に「NVDA日本語チーム」のメーリングリストでお伝えしていました。
以下、その内容を引用します:
(ここから)
9月6日のNVDAワールドでは、私の最初のセッションは去年と同じ仮タイトルで告知されていますが、私がいちばんお伝えしたいのは
「NVDAの開発と普及促進にかかわりたい人」
のための、具体的で適切な方法です。
というのは、本家版で実装されていて日本語版に欠けていた機能や仕様が、やっと 2014.3jp で完成する見通しになり、今後は「日本語チームの独自作業を本家版に統合してもらう」ことが、重要な活動になっていくと思われるからです。
言い換えると、これからは Python や C++ 言語のプログラマーではなく、英語でリクエストやバグレポートが書けるテスターの役割が重要になる、ということです。
これ以上、日本語版に独自の機能やオプションを作ることは、慎重になるべきだと思っています。
「日本語版と本家版の統合」という次の活動にとって、「負債」を増やすことになるからです。
そろそろまた NVDA の本家では中国語や韓国語のコミュニティがそれぞれのニーズで仕様変更や機能拡張を求める声を強めており、世界の NVDA コミュニティのなかで日本語ユーザーの存在をアピールしていかないと、「日本語でだけうまく動かない新機能」がまた増えていく懸念もあります。
私は 2014.3jp の開発が完了したら、その後は、フォーカスハイライトなどのアドオンの開発と、本家の開発者たちに日本語ユーザーのニーズを英語で伝えること、
そして日本で NVDA に対応した Web 開発やアプリケーション開発をしたい企業や技術者のサポートに力を入れたいと思っています。
個人的には、NVDA 以外のソフトウェア、Windows 以外の環境でのアクセシビリティを促進していくために、点訳エンジン liblouis や音声エンジン eSpeak など「NVDAを構成する部品」を日本語対応してもらうための活動にも、やっと取り組めると思っています。
余談ですが最近 NV Access は独自の音声エンジンの開発に取り掛かっています。
日本語テスト版は、本家版の新機能やバグをチェックしていただく目的で、今後もときどき皆様にご提供しようと考えていますが、本家にバグレポートを出すためには本家版でのチェックも望まれるので、本家のスナップショットをもっと皆様に試していただけるような支援もしたいと思っています。
(ここまで)