無料でオープンソースのWindows用スクリーンリーダー NVDA に日本語関連機能を強化した 日本語版 2011.1.1j2 を公開しました。
追記 (2011-07-16) 32ビット環境での不具合(チケット25700)に対応するために 2011.1.1j3 を公開しました。
通常のインストールパッケージと、インストールが不要なポータブルパッケージがあります。
スクリーンリーダーはコンピュータの画面上に表示される情報を、音声や点字に変換して出力することのできるソフトウェアです。
2011.1.1j2 は NVDA 日本語化プロジェクトがリリースする最新の安定版です。主な改良点は以下のとおりです。
- ユーザーガイド日本語版を改定し、英語版の内容と一致するように配慮しました。
- 特に64ビット環境における文字入力およびIME処理の安定性を改善しました。
日本語IMEへの対応、日本語音声エンジンの改良、日本語点字ディスプレイへの対応については、今後も改良を続け、随時公開します。
また、近日中に本家 NVDA プロジェクトがリリースする予定の 2011.2 の日本語版の開発にも取り組んでいます。
NVDA本家の動向はミツエーリンクスさんのTwitterアカウント@mlca11yでどうぞ。
NVDA日本語版 nvdajp に関する sourceforge.jp の活動はTwitterアカウント@nvdajpでもお知らせしています。
またソースコードは launchpad.net でバージョン管理されて公開されています。私が作成している非公式のnvdajp関連情報もご参照ください。
NVDA日本語版は 2011.1.1j の段階で x86 環境への対応を充実させました。
一方で、先日、家電量販店で伺ったところ、売られているパソコンはすべて Windows 7 x64 とのことでした。
このような現状を考慮して、今後は x64 環境での開発と検証に注力します。
IMEの読み上げにはプロセス間通信が必要であり、x86とx64のプロセスをまたぐ処理は複雑になります。
NVDA日本語版は、NVDA本家版にこのような処理を組み込んでいます。
日本語版の動作が、できるだけ安定するように、今後も改良を重ねていく予定です。
動作確認や不具合報告など、多くの方のご協力をお願いする次第です。
なお日本語点字ディスプレイ対応 については 2011.2j を目標に改良作業を進めております。