HTC EVO WiMAX と Evernote

手元にあるものを有効に活用できていない、というモヤモヤ感が、人をこういう本に向かわせるのだ。そう思いつつ2冊買ってみた。

HTC EVO WiWAX スーパーガイド (超トリセツ)
インターナショナル・ラグジュアリー・メディア
EVERNOTE HACK
EVERNOTE HACK

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篠塚 充
シーアンドアール研究所
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HTC EVO WiMAX は今年4月に入手。KDDI の Android スマートフォンでありながらブロードバンド無線ルーターとして使える「テザリング機能」が特徴。WiMAX だけでなく3G回線でもテザリングできる。私は山田町からUstreamしたときにこの3Gテザリング機能に助けられた。
Evernote は「人間のかわりにいろいろなことを覚えておいてくれる」というWebサービス。全体容量で制限するのではなく、1ヶ月あたりの追加データ量を制限するのが特徴。画像に含まれる文字を検索してくれる、といった機能もある。これは1年くらい前から使い道を模索していたのだが、今年7月に思い切ってプレミアム会員に格上げした。すると、Evernote と Android の連携が、ちょっと面白くなってきたのだ。。

スマートフォンの機種別のガイドブック。商品寿命の短い本をタイムリーに出版するのは大変だろうな、と出版サイドの苦労に思いを馳せてしまう。まして EVO は9月に 2.3 へのアップグレードという話なのだ。。
きっと「機種非依存の定番アプリ紹介」をベースに機種別の本を効率良く編集しているのだろう。。SIM フリーの説明なんて SIM カードのない EVO には不要なのだが。。
こまごました説明の隅っこに、数ヶ月使っていて気づきにくかったこと、いまだに気づかなかったことなどが書かれている。スマートフォン付属のマニュアルは読みにくかったりちゃんと書かれていなかったりすることが多いのだ。
例えばテザリングの最大接続数の設定に気づくまで、私は「テザリングがよくコケる」という不具合だと思い込んでいた。
その他にも ROOT を取らなくても画面キャプチャのアプリが存在する、という話など。
単純なことだが、電源ボタンでマナーモード切り替えが呼び出せることも、この本で知った。
メーカー独自のプリインストールアプリの説明は、機種別ムックのありがたいところだ。
例えばプリインストールの Footprints はシンプルな位置情報の記録ツールだ。これに対して Google マップの Latitude は位置情報を公開してしまう(らしい)。有効にしたら英語の警告メールが届いてびっくりした。
説明を読んだが、Jibe や Peep など、やっぱり使い道を思いつかないものもある。たぶん Twitter と Facebook に同時に投稿したい、みたいなニーズがあるのだろうが、私はそういう使い方をしない。
カメラアプリがいくつか紹介されていたが、私の手に馴染むものはなかったので、もうすこし検討してみる。
そして、カメラや手書き文字、画面キャプチャなど、情報の収集と保存については、同時に買った Evernote Hack のアプリ紹介が充実していた。
ちなみに Evernote をプレミアムにするために私が使ったのは、ヨドバシカメラのポイントだ。ソースネクストのパッケージを買って、1年間のプレミアムアカウントにアップグレードしたのだ。広島にはヨドバシカメラがないし、ヨドバシドットコムとポイントカードのサービスを統合するのが面倒だったので、使ってしまった。
Android の特徴は「共有」という機能だ。Android に Evernote アプリを入れると、いろいろなものを簡単に Evernote に送って「ノート」を作ることができる。
私は「はてなブックマーク」から delicious.com に乗り換えつつも、ずっとソーシャルブックマークを使ってきた。
EVO では Andricious という delicious クライアントを使っていた。ブラウザだけでなく Twitter や Google Reader からも「共有」機能を使ってブックマークの保存をしていた。だがこのクライアントアプリは、タイトルがときどき文字化けしたり、認証が不安定になったりするのが悩みだった。
最近 delicious から Evernote にインポートする機能の存在を知って、私が「はてブ」から蓄積してきた数年分のブックマークは一挙に Evernote の「財産」になった。そして私の delicious アカウントは更新を終了した。
Twitter で「お気に入り」に登録するツイートも減った。「保存する目的」なら Evernote へ。「投票する目的」ならお気に入りで。。お気に入りからソーシャルブックマークに登録し直す作業が不要になる。
こうしてだんだん Evernote が面白くなってきた。Evernote Hack は iPhone と Android と Windows における便利な使い方がいろいろ書かれている。まあ頑張れば思いつくだろうな、というものもあったけど。。 Mac に関する記述がないのが残念だが、まあだいたい Windows と同じだ。
私は Remember the Milk という TODO サービスを(無料ユーザとして)使っていたのだが、この本を読んで Evernote の Todo 機能にまとめてしまった。
まだまだ Evernote は「ためておくだけ」だが、タグやノートの整理など、やってみたいことはいろいろある。まああまり面倒そうなことは長続きしないと思うが。。
こうして2冊まとめて目を通すと「パーソナルクラウドのハウツー」と「スマートフォンのハウツー」がクロスオーバーしている昨今のライフハックのトレンドを俯瞰した気がする。
それにしても、最初に Android のセットアップをしたときに、「連絡先を Google アカウントに保存するか、本体に保存するか」という選択肢に大いに戸惑った。そして今でも Facebook やら Mixi やら Skype やら、スマートフォンの中の連絡先を執拗にアクセスしたがっているアプリたちの存在に戸惑う。
私は最初、ガラケーから引き継いだ「連絡先」を Google アカウントに保存しなかった。「え、携帯電話の番号をGoogleのアドレス帳に入れちゃうと、ぐちゃぐちゃになるんじゃない?」と思った。そして今日まで、連絡先は「本体のみに保存」という使い方を続けている。しかし、けっきょく Google アカウントを使いこなせば使いこなすほど Android は便利になっていく。Google Reader、Google カレンダー、Google+ などなど。。
そろそろガラケー時代の「電話」の感覚を捨てなくてはいけないのだろう。スマートフォンはなんだかんだ言っても「電話としては使いにくいデバイス」だと思うし「電話として使いやすいデバイス」なんてだんだん不必要になってきているのだ。。
2011-08-23 加筆して「パーソナルクラウドとスマートフォン」から改題しました。
2011-08-25 EVO の独自アプリと連絡帳について参考になるご意見:■基本を「人」に置いた設計 ~HTC EVO WiMAX座談会に参加して~「「アドレス帳」機能に対する設計思想とその機能」