NVDA日本語チームは team.nvda.jp のサイトを開設しました。
これはNVDA日本語チーム 運営規約を決めたときに、寄付や支援をしてくださるかたへの情報提供を行うために、会計を担当してくださる高地 範弘さんのご提案によるものです。
新しいサイトでご案内していますが、先日、NVDA日本語チーム名義の銀行口座を開設しました。
ありがたいことですが、日本でのワークショップ開催を支援するために、募金の問い合わせや、振り込みのご報告をいただいています。
NVDA日本語版の開発を代表する私の立場から、できるだけ誤解のないように、NVDA を支援する枠組みを説明したいと思います。
ユーザーの立場からNVDAを支える方法のひとつは、NV Accessへの募金です。
ユーザーの定期的な募金は NVDA の継続的な改良を支えます。私も少額ですが PayPal で毎月募金をしています。
しかし、一般的に、オープンソースソフトウェアにおいて、フルタイムの開発者がユーザーからの募金で支えられる、という事例は、ほとんど前例のない、難しいものだと思います。
NVDA の開発母体である非営利団体 NV Access は、企業や団体と契約をして、特別なコストがかかる改良や拡張の要望に応えています。
最近のトピックとしては、印刷物や電子書籍のフォーマット PDF に関する標準化団体 PDF Association が NVDA への支援を発表しました。
標準化活動においては、標準規格と、その規格を満たす実装の両方が重要です。NVDA は過去にも Windows のアクセシビリティAPIへの対応や、Web コンテンツのアクセシビリティ規格への対応などを行い、標準化活動を支えながら、資金提供を受けてきました。
中国語の入力メソッド対応も、開発に必要なコストを NV Access が提示し、台湾と香港の団体が資金提供を行っています。
開発そのものはオープンに進められているので、日本語チームは日本語環境での動作を確認したり、情報を提供したりしています。
しかし「日本語で使うにはこの実装は不都合だが、中国語では問題ない」という状況になったときに、日本語チームの仕事が残ります。
解決方法の一つは、日本語対応の開発を NV Access に委託することです。
NVDA日本語版はいままで NV Access からの「公開された情報」に基づいて、独自に日本語対応の拡張をしてきました。
NVDA日本語チームの技術力や開発力は十分ではありません。
例えば入力メソッド対応については、中国語対応の実装が完成したら、その実装を日本語のために手直しすることで、互換性や安定性は向上すると思います。
日本のスクリーンリーダー利用者が必要としているのに NVDA に実装されていない(される見込みがない)機能はたくさんあります。
日本における開発体制をもっと充実させるべきなのか、日本がグローバルな開発をもっと支援するべきなのか、もっと「大きなこと」を考えるべきなのか。
日本の NVDA ユーザーや関係者のみなさまに、このようなことを検討していただくために「日本でユーザーと開発者の交流の機会を作ろう」と思いました。
これが日本で NVDA ワークショップを企画した目的です。
当面は資金援助の呼びかけは、ワークショップ開催だけの目的であることをご理解いただければ幸いです。
会計や監査をふくめて実行委員の体制が整い、多くのかたにご協力いただけることをありがたく思っています。
ワークショップについては、準備や当日のスタッフを募集しております。
また、参加において特別な配慮のご要望があれば、お早めにお知らせください。
ご不明なことがあれば 西本 nishimotz@gmail.com 宛にご連絡いただければ幸いです。
追記(1):PyCon JP チケット購入が PayPal でできない件について という記事が公開されています。
追記(2):NVDA Workshop in Japan 障がいをお持ちの方の誘導者の方の入場は無料になりました。