CodeGear (Borland) の 3rdRail のトライアル版をダウンロードして、試しています。Ruby on Rails に興味を持ちつつも、環境を作るところで何度も挫折したので、今度こそ、という感じです。
今回試したのはWindows版で、作業環境はVista Businessです。そもそもVistaを使っているところが最大のネックのような気がしますが。。
いま配布されているのは英語版で30日の有効期限があるトライアル版です。解凍して実行するとセットアップのメニューが現れます。
“3rdRail Install” を実行すると、Eclipseベースの統合環境がインストールされます。
“Ruby on Rail Install” を実行すると、Ruby 実行環境がインストールされますが、私はすでに Ruby-186-25 をインストールしていたので、先にこれをアンインストールする必要がありました。
最後に、”InterBase 2007 Install” を実行しました。
3rdRail と InterBase 2007 はそれぞれ別にライセンスを取得する必要があります。
環境はEclipseそのものです。Eclipseに慣れていれば「パースペクティブ」といった操作環境そのものの概念を新たに覚える必要がなく、自然に使うことができます。
まずボーランドのビデオを見ました。
Project Commander で Ruby on Rails のコマンドを直接打ち込んで実行できること、その際に CTRL-スペース でコマンドの補完ができること、左下のアイコンで「スクリプトエクスプローラ」を選択できること、などをとりあえず把握しました。
モデルは Create New Model で、いわゆるデータベースのテーブルを作成し、フィールドを追加できることがわかりました。
サーバの実行は右下の Server タブで簡単です。
新規プロジェクトを作って、モデルを作って、Scaffoldを作るところを、何度も繰り返しました。
InterBase をデータベースに使った場合は、比較的簡単に、Scaffold でテーブルにレコードを追加する画面を自動生成することができました。ブラウザでのアプリケーション操作では日本語も正しく扱えています。
プロジェクトフォルダの最上位にxxx_development.ib というファイルが作成されます。そこでInterBase の管理ツールからこれを開いてみたら、日本語は文字化けしていました。ためしに InterBase 2007 日本語版を別途ダウンロードして再インストールしましたが、状況は同じ。そもそも 3rdRail のModel作成画面には Encoding の指定箇所がありません。自分で database.yml を編集するしかないようです。
PostgreSQL と MySQL にも挑戦してみたのですが、こちらはまだ成功していません。
私は VMware Player の中でVine Linuxを動かして、その中でPostgreSQLとMySQLを動かしているのですが、これらのデータベースにWindows側の3rdRailから接続することが、まだうまく行きません。
3rdRail は Ruby や Gems についてはオリジナルの環境をそのまま呼び出して使っているので、3rdRail の問題、というよりも VMware 側の環境の問題か、あるいは database.yml の設定の問題ではないかと思います。
Vista では C ドライブに Postgres や MySQL をインストールして実行することができないらしく、私が最初にパーティション分割をしなかったのが最大のネックのような気がします。
いずれにせよ、レール通りに仕事が進めばとても快適、という Rails の利点は、つまずいたらどこでつまずいたのかわからない、という欠点にもつながっているはずです。しかし RAD ツールに組み込まれることで、Rails は格段に見通しがよくなったように思えます。Ruby on Rails on 3rdRail という感じでしょうか。私は Rails を勉強する手段として 3rdRail が使えればよいと思っていたので、その目的においては十分な価値があると思います。ただし、全般的に処理は遅いので、高性能のマシンが要求されます。
とにかくやっと Ruby コードを書くところまでたどり着きました。コード補完などのエディタの使い勝手、依存関係の可視化機能、リファクタリング機能など、興味は尽きません。もう少し頑張ってみたいと思います。