「日本発の音声版SNS」としてSynergyDrive社が提供しているVoiceLinkには私も注目していますが、参加するきっかけがつかめなくて、ユーザー登録をしただけの状態になっていました。
最近、パイロット企画さん @pilot_kikaku に誘っていただいて、下記の番組の「第1回」に参加することになりました。
【番組名】
私的インタビュー放送「誰でも記者会見」
【日時】
第1回放送は2012年4月4日水曜日
昼12時~13時の60分間
【視聴方法】
放送時間の15分前からアクセスできます。
PC,Macのブラウザより以下のサイトにアクセスしてください。
https://www.vlvlv.jp/#!/room1435
*携帯電話には対応していません。
*要FlashPlayer
番組を聞く方は VoiceLink にユーザー登録する必要はないとのことです。
お昼のひととき、お花見に行かないで、ちょっとだけお付き合いください。
NVDAの活動だけでなく、ラジオ番組、音声応用システム、音声インタフェースの話もさせていただこうと思っています。
1998年とニコニコ動画にもちらっと書いたことがありますが、私も以前から「音声SNS」に興味を持ってきました。
私が音声SNSの研究をしていた1998年は「社長失格」が出版された年だったようです。探せば倉庫にあるはず。。
VoiceLink の方がお聞きになるかと思うと緊張しますが、楽しみにしております。
参考までに。。日本発の音声版SNS、「VoiceLink」が「Facebook」を抜く日(長谷川高) – BLOGOS(ブロゴス)
タグ: speech
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#VoiceLink 番組への出演 4/4 12:00
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2012年
元日の空に、龍の顔のような雲が見えました。
2011年3月に私はこんなことを書いていました:
「それは危機のように見えるかもしれないが、実は幻想の終わりにすぎない」「危機をいっそう悪化させるのは現状維持のために注ぎ込むエネルギー」ワインバーグ「コンサルタントの秘密」第9章より
10年以上前に京都に住んでいたころ、起業家やNPOや芸術家の人と多く知り合った。みんな口を揃えて「震災が人生を変えた」と語ってくれた。それがどういうことなのか、これから首都圏の人々が理解しはじめるだろう。
今日、日付が1月1日に変わったときに私はこんなことを書きました:
いくら「良い年に」と願っても、待っているだけでは物事は良くならない。自分が動くしかない。険しい道でも歩いて行くしかない。2012年はそんな覚悟の年です。
自分の活動のキーワード「オープンソース・アクセシビリティ・音声インターフェース」は10年前と変わっていません。いや、原点に戻ってきたというべきか。。
2011年はオープンソースのスクリーンリーダー NVDA 日本語版 (nvdajp) のリリースを担当しました。先日、開発者 Skype 会議を行って NVDA 2012.1 の日本語化も担当せよという話になったので、私が担当させていただきます。
昨日、2011年の最後にこんなことを書きました:
音声研究者が膨大な時間とお金をかけて作り出した技術が、もはやタダ同然でみんなの手に。。
音声対話・音声インターフェースの技術がやっと身近なものになりました。
この分野で博士号の学位を授与された研究者・技術者の一人として、「勝負が終わった」のではなく「ゲームのルールが変わった」と捉えながら、新しい現実に向き合い続けていきたい。
そんな風に思っています。 -
オープンソースのスクリーンリーダーNVDAとその日本語化
昨日、日本音響学会東海支部 技術講習会 視覚・聴覚障害のための支援技術の現状と展望 にて「オープンソースのスクリーンリーダーNVDAとその日本語化」という講演をしました。
スライドは ja.nishimotz.com/screen_reader として私のサイトで公開中です。右上の画像をクリックするとブラウザ内でスライドショウになります。
参加してくださった皆様、企画や運営にかかわられた皆様に御礼を申し上げます。
講演の合間に開発中のバージョンを使って実演を行いました。JTalk による早口音声、かな漢字変換のフォネティック読みや詳細読み、Windows エクスプローラーを例にMSAAのオブジェクト情報とNVDAでの音声化の比較などをお見せしました。点字ディスプレイは機材を持参できなかったので、動画でご紹介しました。
Web閲覧の実演をする時間が取れませんでしたが、NVDA の日本語化を例に、「日本におけるスクリーンリーダーの歴史と現状」をご紹介できたのではないかと思います。
アクセシビリティにおけるGUIの影響についてご質問をいただきました。
一般的にはGUIは「画面表示から文字情報を取り出しにくくなった」「キーボードだけで操作できないアプリケーションが増えた」ということで、アクセシビリティが悪くなった原因と考えられています。
しかし私が10年前に「視覚障害者のための電子メール環境における操作性の検討」で触れた考察ですが、「階層化メニューなどの操作が標準化された」というメリットも無視できないと思います。
操作性の変化の問題よりも大きいのは、時代とともに変化するアプリケーションやサービスの環境に取り残されたくない、という意識でしょう。MS-DOSの時代はパソコン通信の時代でした。Windows の時代は電子メールとWebの時代であり、そして近年のスマートフォンの時代はソーシャルメディアの時代でもあります。
アクセシビリティのためにはメカニカルなスイッチの存在は重要で、タッチインタフェースでアクセシブルなデバイスを作ることは難しい、と考えられてきました。
しかし、Apple の VoiceOver など工夫されたインタフェースの登場は、この常識を変えて、視覚障害をお持ちの方に受け入れられつつあります。Windows 8 の Metro UI は構成要素がシンプルであり、工夫次第では従来の Windows アプリケーションよりもアクセシブルにできるかも知れません。
最後に、最近 iPhone 4S の新機能として話題になった音声認識・音声対話は、そろそろスクリーンリーダーの入力手段として再評価されると考えています。
NVDA 日本語化プロジェクトは、まもなく本家が最終版をリリースする 2011.3 の日本語版に向けて、作業を進めています。先日リリースした jpdev11114 では日本語IMEサポートの改良が完全ではないので、あと数回の開発版スナップショットの公開と検証が必要です。
オラビー・ジャパンの活動としては今後、NVDA 技術を基盤にインタフェースのイノベーションにも取り組んでいく予定です。