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  • NVDA日本語版 2013.1.1jp の公開とイベント開催のご案内

    無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の日本語対応をすすめる NVDA 日本語チームは、2013年7月8日に最新の日本語版 NVDA 2013.1.1jp を公開しました。
    ダウンロード
    http://i.nvda.jp
    NVDA 日本語版 2013.1.1jp のライセンスは GPL v2 です。
    Windows 8, 7, Vista, XP の32ビット版および64ビット版に対応しています。
    Windows 8 ではタッチ操作が利用できます。
    以下は対応しているアプリケーションの一部です:

    • Webブラウザー (Mozilla Firefox を推奨、 Microsoft Internet Explorer, Google Chrome にも対応)
    • Adobe Flash Player によるアクセシブルなコンテンツの操作
    • 電子メールクライアント (Mozilla Thunderbird を推奨、Windows Live Mail, Outlook にも対応)
    • Microsoft Office アプリケーション Word, Excel, !PowerPoint の主要な機能(対応バージョン 2003, 2007, 2010)
    • LibreOffice (推奨バージョン3.6.6)
    • Skype for Windows (バージョン6.5で動作確認済)
    • Apple iTunes for Windows
    • Twitter クライアント Tween
    • 日本語入力システム(Microsoft IME, Microsoft Office IME および ATOK を推奨、Google 日本語入力にも対応)
    • Adobe Reader によるアクセシブルな PDF 文書の読み上げ
    • Adobe Digital Edition によるアクセシブルな EPUB 書籍の読み上げ
    • AMIS によるオーディオ DAISY およびマルチメディア DAISY 書籍の読み上げ

    以下は利用できる点字ディスプレイの一部です:

    • ケージーエス ブレイルメモシリーズ(ブレイルテンダー、ブレイルメモポケットを含む)
    • ケージーエス ブレイルノート 46C/46D
    • HIMS ブレイルセンス・オンハンド(日本語版を含む)
    • 日本テレソフト 清華シリーズ

    オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA は、Michael Curran, James Teh の両氏が中心となって開発を行い、世界のコミュニティが支援しています。
    NVDA は多くのアプリケーションに対応し、インストール不要で利用できるポータブル版、アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。
    2013.1 の更新内容は、直観的で一貫性のあるラップトップ配列の採用、Microsoft PowerPointへの対応、ウェブブラウザでの詳細説明(longdesc)への対応、点字ディスプレイからの入力(日本語は非対応)などです。
    NVDA は世界40以上の言語に対応していますが、音声エンジンと点訳エンジンは日本語に対応していません。
    そこで NVDA 日本語チームは、日本語音声エンジンと点訳エンジンを搭載した NVDA 日本語版を独自にリリースしています。
    2013.1jp では仮名漢字変換の互換性や安定性の改善、日本語点訳規則や情報処理点字への対応、点字ディスプレイのカーソル位置処理の実装、および多くのバグ修正を行いました。
    2013.3.1jp 以前のバージョンから上書きインストールしたときは点字設定の出力テーブルを「日本語6点情報処理点訳」に設定してください。
    なお、日本語設定「日本語版の文字入力拡張」がチェックありのときには ATOK 対応やカナ文字の説明に関する改良を行います。この設定は既定値で有効になっています。なお、複数の文節を変換するときの文節の移動など、読み上げに対応できていない部分があります。
    2013.1.1jp では Windows 8 での読み上げ辞書編集などの不具合の修正、KGS ブレイルノート46C/46D への対応、罫線文字や記号など文字説明機能の改良を行いました。
    レビュー内の現在の文字を通知(デスクトップ テンキー2、ラップトップ NVDA+ピリオド)コマンドは、以下のように仕様変更されました。

    • テキスト内の現在行のレビューカーソル位置の文字を、その文字の説明や例で通知します(説明モードの場合。読みかたモードでは漢字を説明ではなく文字の通りに読み上げます)。
    • 2度続けて押すと半角や全角、ひらがなやカタカナなどの情報をつけて文字を説明します。点字ディスプレイにも文字説明を出力します。点字設定「メッセージの表示終了待ち時間」の時間が適用されます。
    • 3度続けて押すと10進数と16進数による文字コードを通知します。
    • 4度続けて押すと 「説明モード」「読みかたモード」が切り替わります。既定値は説明モードです。このモードは NVDA を終了するときに保存されません。

    これに伴い、日本語設定「カタカナの前にカタカナと読む」 「半角の前に半角と読む」 オプションを削除しました。「カタカナ」「半角」の確認は「現在の文字を通知」の2回押しで可能です。
    詳細はNVDA日本語版の説明をご覧ください。
    なお、NVDA 日本語チームは、NVDA の機能や活用方法、日本語化の取り組みをご紹介するために、下記のイベントを開催します。
    NVDA にご興味・関心のある個人・団体・企業の皆様、ふるってご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。

    イベント名:NVDAワールド 2013 横浜
    主催:NVDA日本語チーム
    共催:View-Net神奈川
    日時:2013年8月17日(土)10時30分から17時
    会場:横浜市市民活動支援センター(神奈川県横浜市中区桜木町1-1-56)
    協力:DemekinText
    

    詳細はWebサイトでご確認ください。

    下記のフォームにて参加申し込みを受け付けております。
    http://bit.ly/nvdajp2013aug
    事前申し込みは必須ではありませんが、ご協力いただければ幸いです。
    ご来場者には NVDA 日本語版および DemekinText の DAISY 版教材 CD-ROM を配布します。
    お申込みいただいた方には確実に CD-ROM をお渡しできるように準備します。
    NVDA日本語チームへのご連絡はメールアドレス nvdajp@nvda.jp にお願いします。

  • AngularJS と NVDA

    <htmlday> 2013 ということで AngularJS で遊ぼう という勉強会に参加しました。
    AngularJS は Web アプリケーション開発のフレームワークということで、簡潔に書けて保守性が高いのが特長、らしいです。
    しかし、生産性の高い開発手法という話を聞くと「それってアクセシビリティは大丈夫なの?」とつい思ってしまいます。
    そこで、angularjs.org のトップページのビデオで紹介されていた TODO アプリケーションのサンプルをスクリーンリーダー NVDA 日本語版 と Firefox の組み合わせで確認しました。
    書かれたマークアップは内部で標準的なHTMLに変換されているので、フォーカス移動などはちゃんとできるのですが、チェックボックスにフォーカスしたときに、その右側にある項目名を読み上げないので、何の操作をするチェックボックスなのかわかりません。
    ふと aria-labelledby でやればいいんじゃない? と思ったので、下記のように直したところ、うまくチェックボックスの項目名を読み上げるようになりました。
    最初は id をつけるために todos モデルに通し番号のプロパティを追加したのですが、後で $index という特殊プロパティがあることを教わったので、todo.js 側のコントローラーとモデルは書き換えないで実装できました。アクセシビリティのための処理が View だけで完結するのは素晴らしい。AngularJS なかなかよさそうなのでもうちょっと勉強してみたいと思います。
    <htmlday>とは、日本全国でWeb制作者/開発者向けのイベントを同日に開催することで、日本のWebを一層盛り上げようという「お祭り」だったそうで、私も貢献できればと思いブログを書きました。
    ちなみに広島市中心部は「とうかさん」というお祭りの季節です。。
    以下のソースでは bootstrap.cssUnderscore.js を使っています:

    <!doctype html>
    <html ng-app>
      <head>
        <script src="angular.js"></script>
        <script src="underscore.js"></script>
        <script src="todo.js"></script>
        <link rel="stylesheet" href="bootstrap/css/bootstrap.css">
        <link rel="stylesheet" href="todo.css">
      </head>
      <body>
        <h2>Todo</h2>
        <div ng-controller="TodoCtrl">
          <span>{{remaining()}} of {{todos.length}} remaining</span>
          [ <a href="" ng-click="archive()">archive</a> ]
          <ul>
            <li ng-repeat="todo in todos">
              <input aria-labelledby="label{{$index}}" type="checkbox" ng-model="todo.done">
              <span id="label{{$index}}">{{todo.text}}</span>
            </li>
          </ul>
          <form>
            <input type="text" ng-model="todoText"  size="30"
                   placeholder="add new todo here">
            <button ng-click="addTodo()"><i></i>Add</button>
          </form>
          <button ng-click="clearCompleted()"><i></i>Clear Completed</button>
        </div>
      </body>
    </html>
    // todo.js
    function TodoCtrl($scope) {
        $scope.todos = [
    	{text:'learn angular', done:true},
    	{text:'build an angular app', done:false}];
        $scope.addTodo = function() {
    	$scope.todos.push({text:$scope.todoText, done:false});
    	$scope.todoText = '';
        };
        $scope.remaining = function() {
    	var count = 0;
    	angular.forEach($scope.todos, function(todo) {
    	    count += todo.done ? 0 : 1;
    	});
    	return count;
        };
        $scope.archive = function() {
    	var oldTodos = $scope.todos;
    	$scope.todos = [];
    	angular.forEach(oldTodos, function(todo) {
    	    if (!todo.done) $scope.todos.push(todo);
    	});
        };
        $scope.clearCompleted = function() {
    	$scope.todos = _.filter($scope.todos, function(todo) {
    	    return !todo.done;
    	})
        };
    }
  • NVDA 講習会でやったこと

    6月の VIC ステップアップ講習会で NVDA 日本語版の紹介をしました。
    やった内容を紹介します。
    (1)導入から入力ヘルプまで
    NVDA 日本語版の最新バージョンは http://i.nvda.jp でダウンロードしてください。
    NVDA のインストーラーを起動して、3種類の使い方があることを説明。
    Tabで移動、スペースで「同意する」のチェックボックスの操作、スペースでボタンを押す操作。
    NVDA の起動。ようこそ画面に書いてある「NVDAキー」の説明。ノートパソコンでは「無変換」を使うのが便利。
    NVDA+N で NVDA メニューを開いて、ヘルプ(サブメニュー)からもう一度「ようこそ画面」を開いてみるなど。
    ダイアログはEnterキーで閉じられる。メニューはEscキーで閉じられる。
    NVDA メニューを開いていないときも NVDA はずっと動いている。
    NVDA+1 を押して「入力ヘルプモード」を体験する。押したキーの説明。NVDA+N を押すとわかるように「NVDAコマンドの説明」にもなっている。
    入力ヘルプモードで NVDA+1 を押すと入力ヘルプモードの解除。
    (2)NVDA の設定
    NVDA メニューで「キーボード設定」を確認する。今回は「ラップトップ」配列でやっていただいた。
    アクセラレーターキーで項目の移動やチェック状態の変更ができるが、慣れるまでは使わなくてよい。
    項目は Tab で移動。そろそろ Shift+Tab で逆方向移動も。
    読み上げの中止は Ctrl で、中断(再開)は Shift で。
    音声設定で「速さの変更」と「記号読み上げレベル」だけ試していただく。
    記号読み上げレベル「読まない」にしたら、比較のためにもう一度「ようこそ画面」を開いてもらう。
    この記号読み上げレベルは NVDA+P でも変更できる。
    (3)ユーザーガイドで「一文字ナビゲーション」を体験
    NVDA メニューの「ヘルプ」から「ユーザーガイド」を開いてもらう。
    目次はリンクになっているので、Tab で移動して、スペースでリンク実行(ジャンプ)できる。
    覚えるコマンド(ラップトップ配列):
    NVDA+A (すべて読み上げ)
    H と Shift+H (見出しジャンプ)
    1, 2, 3, 4 (Shiftで逆方向、レベルを指定して見出しジャンプ)
    左矢印と右矢印(1文字ずつ確認)
    上矢印と下矢印(NVDA内部で文として扱われている単位での移動)
    NVDA+L (現在の行の読み上げ)
    NVDA+T (タイトルの読み上げ)
    ユーザーガイドはアプリケーションなので Alt+F4 で終了。
    (4)オブジェクトナビゲーションに挑戦
    オブジェクトとは? Windows の画面に表示されるあらゆるもの。
    Windows 7 の例を見せながら「電卓」で1ケタの足し算に挑戦。
    スタートメニューから電卓を起動。
    Alt+Tab (アプリケーションの切り替え)で、デスクトップと電卓が切り替わる。
    電卓を起動すると「結果を表示しているオブジェクト」が現在位置で、「0」と出ている。
    電卓がどんな画面なのかは、簡単にあらかじめ説明しておく。
    Alt キーを押すとメニューに移動できて、上下に移動できることも確認。
    Esc を押してメニューを閉じ、さらに Esc を押して元の場所に戻る。
    まず NVDA+Shift+下矢印 で「内側のオブジェクト」があるかどうか確認する。
    そして NVDA+Shift+左(右)矢印で前後に「オブジェクトがありません」と言われるまで移動してみる。
    これで3方向を確認したことになる。
    NVDA メニューと違ってオブジェクトは「上下が階層の移動」「左右が階層の中での移動」なので注意。
    いよいよ上に移動する。行き過ぎると「デスクトップ」まで行ってしまって、戻るのが大変になるので注意。
    Windows 7 の場合は、結果を表示するダイアログと、もう一つ名前のない「ダイアログ」がある。
    名前なしダイアログに30個くらいボタンがある。NVDA+Enterでボタンを押せる。
    「1」「加算」「3」「等号」と押せば、結果表示ダイアログに戻ってきたときに「4」と出ている。
    Tab 移動で操作できないアプリケーションでも、NVDAのオブジェクトナビゲーションはこのように活用できる。
    続きはぜひユーザーガイドを読みながら練習してみてください。
    こんな感じで2時間の講習でした。
    この内容は NVDA-KR の英語ポッドキャスト の第1回から第3回の前半までの内容を、ちょっと削ってコンパクトにしたものになっています。
    最後の内容はまほろばさんの記事を参考にしました。
    いずれ私もポッドキャストを作ったほうがいいなあと思っています。
    実演には開発中の「フォーカスハイライト」アドオンを使いました。
    ダウンロードは下記からどうぞ:
    focusHighlight-0.0.5.nvda-addon
    広島では7月から8月にかけて、何度か NVDA の講習会を行う予定です。詳しいことが決まったら、このブログなどでご案内します。
    追記(7月28日):focusHighlight のリンクを更新しました。
    講習会の告知は広島市広報誌の7月15日版に掲載されました。ご報告が遅くなって済みませんでした:
    視覚障害者向けパソコン音声ガイドソフト講習会