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  • NVDA 2013.2jp の公開と OSC 広島(10月6日)など

    8月17日の「NVDAワールド2013横浜」を終えて、あっという間に1か月が過ぎました。
    開催の記録ページから録画などをご覧になれます。
    NVDA日本語チームのWebサイトでは写真を公開しています。
    NVDA日本語チームが行ってきたSkype会議は9月からSkype交流会として運営方法を改めました。
    9月13日にNVDA日本語版2013.2jpを公開しました。
    ダウンロードは i.nvda.jp から可能です。詳しくは NVDA 日本語版のサイト をご覧ください。
    10月6日(日曜)には広島市中区のサテライトキャンパス広島(広島県民文化センター)で開催されるオープンソースカンファレンス2013Hiroshimaに、「NVDAユーザ会広島」として参加します。
    13時00分からセミナーで登壇します。
    事前申し込み受付中です。
    ブースでの紹介もさせていただきます。(展示は16時終了です)
    8月のイベントでもお話しましたが、NVDA本家版はこれから1年間に4回のリリースを確実に行っていこうとして、システムがいろいろ見直されました。
    このバージョンアップに、日本語チームが継続的に参加することは、日本語独自版を継続してリリースする土台を作るために、大事なことです。
    去年から海外のNVDA関係者といろいろ交流してきましたが、多くの国や言語で、私のような晴眼者ではなく、NVDAを必要としているユーザーたちが、NVDAの発展を支えています。
    日本で NVDA ユーザー自身が NVDA の翻訳を担当してくださる状態を作ることは、日本のNVDAコミュニティを世界の常識に合わせる(本当は「戻す」なのですが)ためにも、私が次のステップの活動に専念するためにも、必要と思っています。
    他の国では、ひとつの言語について翻訳チームの担当者が2人か3人いて、ユーザーインターフェースの po ファイルを翻訳する人、ユーザーガイドを担当する人、新機能 (changes) を担当する人、といった感じで分担をすることが多いようです。
    このように分担ができれば、1年に4回バージョンアップしても、1人の負担は小さくなります。
    そのような体制をつくるために人材の育成が必要と思いはじめました。
    いわば「NVDA 翻訳者養成塾」を開くことを考えています。
    日本のNVDAユーザーに「英語」「バージョン管理ツール」「テキストエディタと poedit の操作」のスキルを持っていただくために何ができるのか、具体的に考え始めています。
    10月6日の OSC 広島は、この「NVDA 翻訳者養成塾」についてお話をする最初の機会だと思い、出展内容のキーワードを「デスクトップ」「翻訳」「教育」にしました。
    皆様のご来場をお待ちしています。よろしくお願いします。

  • NVDA ワールド 2013 横浜(8月17日)インターネット配信のお知らせ

    オープンソースのスクリーンリーダーNVDAの日本語版を開発しているNVDA日本語チームが主催するイベント、NVDA ワールド 2013 横浜(8月17日) が近づいてきました。
    事前の参加申し込みをお願いしたところ、ご同伴者を含めて、すでに約100人のお申込みをいただいています。
    また14の企業・団体さまにスポンサーとしてご協力いただけることになりました。
    夏休みの時期にも関わらず、ご出展、ご参加、お手伝いいただける皆様に本当に感謝しております。
    すでにご案内している通り、最寄り駅から会場までの誘導を行います。
    ご予約は不要としております。お申込みに対して基本的には個別にお返事しておりませんことをご容赦ください。
    お気をつけてお越しいただければ幸いです。
    なお、当日の会場は混雑が予想されますので、下記のとおり、インターネット配信もご利用いただければ幸いです。
    Ustream NVDA日本語版


    Live streaming video by Ustream
    8月17日(土曜)のスケジュールは以下の通りです。
    時間:10時30分から11時30分
    第1セッション「世界のNVDAコミュニティとNVDA日本語版の最新情報」
    講演:西本 卓也(NVDA日本語チーム)
    世界における NVDA の開発者、ユーザー、支援する企業や 団体などの状況、最近の NVDA の改良点と日本語対応、 日本語チームの体制と今後の課題などをお話します。
    スライド

    時間:13時00分から13時40分
    第2セッション(講習) NVDAの導入と教材紹介
    講師:四方田 正夫(DemekinText デメキンテキスト)
    資料(テキスト版)
    NVDA 日本語版のキャラクター「でめきん」にちなんで 名付けられた DemekinText プロジェクトでは、 HTML 版および DAISY 版の NVDA 演習教材を制作しています。 この教材に従って NVDA の導入の説明をします。
    時間:13時45分から14時45分
    第3セッション(講習) NVDAの便利な使い方
    講師:西本 卓也(NVDA日本語チーム)ほか
    NVDA のマニュアルに書かれていない Windows の操作の基本、 マニュアルではわかりにくい NVDA の移動コマンドを説明します。 また、文書の読み上げや日本語の文字入力、 NVDAが対応している主要なアプリケーションをご紹介します。
    時間:14時50分から15時35分
    第4セッション(講習) NVDAの高度な使い方と点字出力機能
    講師:御園 政光(社会福祉法人 愛光 視覚障害者総合支援センターちば),西本 卓也(NVDA日本語チーム)
    NVDA の機能を拡張するいろいろなアドオン、 NVDA 日本語版の日本語点字出力の機能などをご紹介します。
    時間:15時40分から16時40分
    第5セッション(講習)質疑応答
    講師:NVDA日本語チーム
    NVDA 日本語版の開発メンバーが皆様からの質問に答えます。
    追記(2013年8月17日):第1セッションのスライドと第2セッションのテキスト版資料を追加しました。

  • 広島市の NVDA 講習会でやったこと

    広島市の「視覚障害者向けパソコン音声ガイドソフト講習会」が始まりました。今日(7月28日)と、8月4日、8月25日に開催します。
    内容は NVDA 日本語版の講習です。
    6月の VICステップアップ講習会 の改定版ですが、今日やった内容をあらためて紹介します。
    (1)導入から入力ヘルプまで
    NVDA 日本語版の最新バージョンは http://i.nvda.jp でダウンロードしてください。
    NVDA のインストーラーを起動して、3種類の使い方があることを説明。
    Tabで移動、スペースで「同意する」のチェックボックスの操作、スペースでボタンを押す操作。
    エディット、チェックボックス、ボタンの一般的な説明。
    この画面では、チェックなしだと無効になっているボタンがあるが、チェックありにするとフォーカス移動の対象になる。
    USBメモリにポータブル版を作成して、Windows+R でそのポータブル版を起動する、という実演。
    Ctrl+Alt+N で NVDA の起動。
    ようこそ画面に書いてある「NVDAキー」の説明。ノートパソコンでは「無変換」を使うのが便利。
    NVDA+N で NVDA メニューを開いて、ヘルプ(サブメニュー)から「ようこそ画面」を探し、Enterで実行するともう一度「ようこそ画面」が開く。
    ダイアログはEnterキーで閉じられる。キャンセルできるダイアログやメニューはEscキーで閉じられる。
    このEnterやEscはどのボタンにフォーカスがあっても有効になる。
    確実に選択したボタンを押すならスペースを押した方がよい。
    ようこそ画面を閉じるとデスクトップにフォーカスが移る。
    Windows 7 だと Windows+D でデスクトップにフォーカス移動。Windows+B で通知領域にフォーカス移動。
    Windows+T でタスクバー(実行中のアプリケーション)にフォーカス移動。
    NVDA メニューを開いていないときも NVDA はずっと動いている。
    NVDA+1 を押して「入力ヘルプモード」を体験する。押したキーの説明。NVDA+N を押すとわかるように「NVDAコマンドの説明」にもなっている。
    入力ヘルプモードで NVDA+1 を押すと入力ヘルプモードの解除。
    設定を初期値に戻す裏技:NVDA+Ctrl+R を3回押す。
    (2)NVDA の設定
    NVDA メニューで「キーボード設定」を確認する。この講習では「ラップトップ」配列を使う。
    アクセラレーターキーで項目の移動やチェック状態の変更ができるが、慣れるまでは使わなくてよい。
    項目は Tab で移動。そろそろ Shift+Tab で逆方向移動も。
    読み上げの中止は Ctrl で、中断(再開)は Shift で。
    音声設定で「速さの変更」や「記号読み上げレベル」を試していただく。
    設定画面ではコンボボックスやスライダーの操作にも慣れてもらう。
    記号読み上げレベル「読まない」にしたら、比較のためにもう一度「ようこそ画面」を開いてもらう。
    この記号読み上げレベルは NVDA+P でも変更できる。
    「オブジェクト設定」で「オブジェクトのショートカットキーの通知」をチェックなしにすると説明がすっきりする。
    (3)ユーザーガイドを読む
    NVDA メニューの「ヘルプ」から「ユーザーガイド」を開いてもらう。
    このユーザーガイドはアプリケーションなので Alt+F4 で終了できる。
    「ブラウズモード」で有効な「一文字ナビゲーション」:
    H と Shift+H (見出しジャンプ)
    1, 2, 3, 4 (Shiftで逆方向、レベルを指定して見出しジャンプ)
    深い階層から抜けたいときに、レベルを指定して次の見出しにジャンプできると、効率がよい場合がある。
    NVDA のコマンド(ラップトップ配列):
    NVDA+左矢印・右矢印(1文字ずつ確認)
    NVDA+上矢印・下矢印(NVDA内部で文として扱われている単位での移動)
    NVDA+T (フォーカス位置のタイトルの読み上げ)
    NVDA+L (キャレット位置の行の読み上げ)
    NVDA+A (キャレット位置から連続して読み上げ)
    このマニュアル閲覧では矢印キーを押しただけでも1文字単位・1行単位の移動ができる。
    しかし本来は「確認(レビュー)」という NVDA の機能であり NVDA キーと一緒に押すべき操作。
    フォーカスとレビューの違いをそろそろ意識してもらう。
    この文書ではリンクされた項目がフォーカスの対象。
    目次や文章中のリンクは、Tab で移動して、スペースでリンク実行(ジャンプ)できる。
    NVDA+A は現在のキャレット位置から「すべて読み上げ」であり、文書の先頭から読むとは限らない。
    文書の階層構造を意識するために「要素リスト」を使う。呼び出す操作は NVDA+F7 である。
    要素リストの画面にはラジオボタンとツリービューがあるので、これらの操作に慣れてもらう。
    ラジオボタンの「リンク」「見出し」「ランドマーク」のうち「見出し」を選んで、その次のツリービューに移動してみる。
    上下で要素を移動、左でクローズ、右でオープン、といった操作を体験。
    要素リストの要素でEnterを押すと、元のドキュメントに戻って、選んだ要素から読むことができる。
    いままで Tab と Shift+Tab だけでフォーカスを移動してきたが、NVDA+Tab で現在のフォーカス位置を確認できる。
    テーブルの移動:Ctrl+Alt+矢印
    ここで練習した操作は Internet Explorer のページなどでも共通。
    検索サイトなどでは、検索キーワードの文字入力にフォーカスが移動すると「ガチャ」という音がして、H や 1 2 3 などの文字も普通に入力できるモードに自動的に切り替わる。
    (ブラウズモードとフォーカスモードの切り替え)
    例えば Google の検索結果は見出しジャンプで移動できる。
    (4)文書作成とオブジェクトナビゲーションに挑戦
    オブジェクトとは? Windows の画面に表示されるあらゆるもの。
    Windows 7 のメモ帳を使って「オブジェクトナビゲーション」を紹介する。
    スタートメニューからメモ帳を起動。
    例えば Windows キーを押して notepad と入力して Enter を押すと起動できる。
    Alt+Tab (アプリケーションの切り替え)で、デスクトップとメモ帳が切り替わる。
    「エディット複数行」は、ワードプロセッサーのようなテキスト編集のコントロール。
    ここで Alt+半角全角 を押して、日本語入力のモードに切り替える。
    漢字仮名交じり文を、文節単位でローマ字入力、スペースで変換、候補の選択、Enter で決定。
    矢印キーで編集中の文字や行の内容を確認。
    Windows の画面には「コントロール」以外の「オブジェクト」もたくさん使われている。
    メモ帳で Alt キーを押して、矢印キーで「ヘルプ」の「バージョン情報」を探して、Enterで開く。
    たくさん読み上げられたが、Tab でフォーカスを移動すると「リンク」と「OKボタン」の2個しか移動できる要素がない。
    まず NVDA+Shift+下矢印 で「内側のオブジェクト」があるかどうか確認する。
    そして NVDA+Shift+左(右)矢印で前後に「オブジェクトがありません」と言われるまで移動してみる。
    これで3方向を確認したことになる。
    NVDA メニューと違ってオブジェクトは「上下が階層の移動」「左右が階層の中での移動」なので注意。
    いよいよ上に移動する。行き過ぎると「デスクトップ」まで行ってしまって、戻るのが大変になるので注意。
    こうやってオブジェクトを探っていくと、Tab では見つからなかったテキスト情報がたくさん見つかる。
    レビューしている要素がボタンのときには NVDA+Enter を使うと「押す」ことができる。
    例えば「バージョン情報」の中のリンクで NVDA+Enter すると新しいダイアログが開く。
    親オブジェクトに移動すると、そのオブジェクトの子に含まれるテキストをまとめて確認できる。
    フラットレビュー(NVDA+PageUp)を使うと内容の確認が容易になることもある。
    Tab によるフォーカス移動だけで操作できないアプリケーションでも、NVDAのオブジェクトナビゲーションはこのように活用できる。
    やや簡略化して「バージョン情報」ダイアログのオブジェクト階層をまとめると:

    • ウィンドウ
      • ボタン(閉じる)
      • ダイアログ
        • テキスト
        • リンク
        • ボタン(OK)

    現在のウィンドウをすべて読み上げる:NVDA+B
    読み上げモードの切り替え:NVDA+S
    エディットで選択:Shift+左右矢印
    選択範囲の読み上げ:NVDA+Shift+S
    続きはぜひユーザーガイドを読みながら練習してみてください。
    今日は午前に約1時間半、午後に約2時間の講習でした。
    実演には NVDA 日本語版 2013.1.1jp と「フォーカスハイライト」アドオンを使いました。
    ダウンロード:focusHighlight
    NVDA+H でフォーカス位置の操作を説明してくれるアドオン
    また、systrayList アドオンの紹介、Windows 8 タッチモードの実演もちょっとだけ行いました。
    systrayList アドオンの起動:NVDA+F11
    追記(2013年8月6日):説明を加筆しました。
    追記(2013年8月25日):説明を加筆しました。
    追記(2014年2月18日):NVDA+T, NVDA+L, NVDA+A がフォーカスおよびキャレット位置に関する操作であることを追記・訂正しました。