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  • すごい広島 with OSH 2021.10

    この記事は、2021年10月20日にオンラインで開催したイベント「すごい広島 with OSH 2021.10」の記録と考察です。

    イベントの背景と目的

    前回開催した「オープンセミナー2020@広島」から1年半が経過した今年夏、次回の開催形態やタイミングを決められない反面、なにか実験をしたい、と考えました。そして「アジャイルなイベント開催の実験」として9月に告知をして今回行ったのが「すごい広島 with OSH 2020.10」というオンラインイベントでした。

    アンカンファレンス

    イベントは Zoom ミーティングで行いました。スタッフは Zoom 表示名に「(スタッフ)」と記載してもらいました。

    まずオープニングで趣旨説明、そして過去に広島で開催されたオープンセミナーの概要を私から紹介しました。残りの大半の時間で「アンカンファレンス」を行いました。

    前半と後半、それぞれ30分の時間枠について、テーマと枠のオーナーをその場で募集して、それぞれ3人、合計6個の「部屋割り」を決めました。私も枠オーナーを担当しましたが、立候補者が複数いらっしゃって、下記のようになりました。

    前半

    • ハイブリッドでイベント開催どうする
    • テレワークツール
    • 東京で働く?広島で働く?

    後半

    • オンラインミーティングツール
    • テレワークしてる?なにか変わった?
    • これからのエンジニアのキャリア

    事前にブレインストーミングツール miro のホワイトボードをひとつ(白紙の状態で)作り、招待URLを bit.ly で短縮して、その場で告知しました。

    そして、Zoom のブレイクアウトルームを作り、オーナーには割り当てた部屋に行ってもらい、その他の参加者には自由に入退室してもらいました。

    アンカンファレンスの間は、私は Zoom のサブアカウントで、いわゆるメインルームに画面共有を行い、ブレイクアウトルームごとのテーマ一覧を掲示しました。

    ブレイクアウトルームの全体にメッセージを送ったり、60秒後に終了したり、といった機能を使って、枠の終了時間の告知を行いました(が、モタモタしてちょっと遅れました)。

    クロージングでは、作られたホワイトボードを見ながら、オーナーの人が成果を簡単に説明しました。最後にZoom画面で集合写真を撮って、イベントを終了しました。

    方法を振り返って

    以前わたしは NVDA のオフラインイベントでアンカンファレンスをやったことがあり、ファシリテーションはできると思っていましたが、フルリモートでは初めての経験でした。

    参加者の方がうまく議論に参加できなかった、といったトラブルは聞くことがなく、Twitter の記録を見た範囲でも、みなさん楽しんで盛り上がってくださったようでした。

    Zoom のブレイクアウトルーム機能も改良されてこういうことがやりやすくなり、また参加者の皆さんの「テレワークスキル」も高くなり、今だからこそ、こういうことがスムーズにできたと思います。

    嬉しい誤算だったのは miro の活躍でした。本当は「miro の使い方を研究する」みたいなテーマもあるかと思ったくらいでしたが、それぞれのルームでどんどん入力が始まりました。

    ボードをズームアウトすると隣のルームの miro の活動も全部見える、といった状況も、使い方の学び合いにもなり、良い雰囲気にも繋がったと思います。

    会議であれば Google ドキュメントでテキストを共同編集して議事録を作る、といった進め方が私には当たり前になりましたが、過去に「ブレインストーミング」を Google ドキュメントやスプレッドシートでやろうとして、うまくいかなかった経験があります。

    miro のようなビジュアルなツールには、アクセシビリティの懸念もあり、また、PCでの操作にしか最適化されていない、といった印象もあります。ですが、短時間でアドホックな話し合いを行うツールとしては、今後も選択肢にしていきたいと思いました。

    議論を振り返って

    ここからは各枠のオーナーさんの報告や、残してもらった miro を読み返して、私が議論にコメントします。

    ハイブリッドでイベント開催どうする

    私がオーナーでした。フルリモートよりも難しいと思われるハイブリッドイベントのセットアップ。最近参加した PyCon JP 2021 の体験を踏まえて、エコー対策などの重要性、それからリアクションや盛り上がりを可視化・共有する必要性などを話しました。

    テレワークツール

    Slack や Microsoft Teams などのメリット/デメリット、通知をうまく把握する方法。

    東京で働く?広島で働く?

    東京で働く方がチャレンジする機会が多い。広島で働くのは家族の事情が多い。リモートワークの限界。残念でもありますが、まだこれから、なのかも。

    オンラインミーティングツール

    テーマ提案者の都合で私がオーナーとしてお手伝い。miro の考察はこの記事で前述した内容。スマホでボイスチャットできるけど、やっぱり PC でちゃんと参加できるツールが必要。Teams と Slack の比較の話はここでも。

    テレワークしてる?なにか変わった?

    「してる派」の意見、通勤したくない、お客さんの理解があった、冷蔵庫が充実、子供との付き合い。一方で、さびしい、話せる場や気晴らしの必要性。

    「してない派」の意見、気持ちをスイッチしたり集中したりするために自宅外で仕事をしたい、など。

    投資したもの:ディスプレイ、キーボード、スタンディングデスク。

    これからのエンジニアのキャリア

    転職活動を機に、技術トレンドとの向きあい方を考えた体験など。トレンドを追わないのも追いすぎるのもリスク、バランスではないか、という報告が興味深かった。

    これから

    12月中旬の平日の夜に「オンラインミニイベント」第2回を開催する目標です。今回の参加者からテーマとして提案された話題は、これからの企画に反映するつもりです。

    フル開催としてのOSH再開については、スポンサーさんとのお話をどう始めていくか、課題のひとつだと思っています。

  • Python Charity Talks in Japan 2021.09

    9月11日に「すごい広島 with Python」メンバー4人でオンラインイベントに登壇しました。

    Python Charity Talks in Japan 2021.09

    これから始める電子工作とMicroPython

    YouTube 録画

    イベントの目的

    Python Charity Talks は日本の Python コミュニティが PSF (Python Software Foundation) に寄付をするために、去年から何回か開催されています。今回は日本各地の Python コミュニティが各セッションを担当し、活動を紹介し合って、それぞれの活動の活性化につなげる、という趣旨のイベントとなりました。

    広島セッションの企画

    広島の Python コミュニティとして現在 PyCon mini Hiroshima と「すごい広島 with Python」をセットで運営しています。

    PyCon mini Hiroshima は昨年10月にオンラインで開催して、次回開催の予定をまだ立てていません。毎月月末の水曜日に開催する「すごい広島 with Python オンライン」に活動を絞ってきました。

    ですが、新しいアウトプットの場や方法を模索する中で、今回のイベントへの参加の打診をいただき、広島セッションの持ち時間を PyCon mini Hiroshima スペシャル版のように考えました。過去に評判がよかったけれど PyCon JP などでまだアウトプットをしていない MicroPython や電子工作をテーマに選びました。

    私が 2016 年に広島で MicroPython の紹介をして以来、毎月の「すごい広島 with Python」にも電子工作の話をしてくれる人が増えていました。また、イベント全体の方針として、技術とコミュニティの様子の両方が伝わることが望まれました。私が過去のトークの再演をする計画から、複数の話者がリレー登壇する方針に変わりました。

    シングルトラックのイベントで電子工作というテーマを選んだことで、聞き手が狭まることを懸念したので、「これから始める」というキーワードをタイトルに入れて、とにかく「やったことがない人」に「やってみる」きっかけを提供しよう、という方針にしました。

    広島チームの準備段階

    6月24日に PyConHiroshima Slack に準備用のチャンネルを作って、7月中はときどき、8月から毎週、作業日を設けて、準備をしました。

    日頃からやっていることを整理して紹介してもらえるのだと思ったら、みんな新しいネタの実装を始めてしまい、セッション準備はハッカソンのような状況になりました。

    私が「自分のトークはこういう内容をこうしゃべろうと思う」と先に伝えていました。すると、トークの聞き手として参加してくれる予定だった Nyoho さんが Raspberry Pi Pico を購入して、電子工作の初心者の立場で実践してくれました。「ここまでやってくれるとは」という成果が出たので、予定にはなかった「3人目のLT」の時間を作りました。

    30分で充分だと思ったセッションは時間が足りなくなりました。私の出番はトークとトークのつなぎの約2分が数回。余計なことをしゃべると時間が足りないので、原稿を書きました。トークの内容をどうつないで全体を「未経験者に聞いてもらえる」セッションにするか、最後まで考えていました。直前1週間に何度も夜遅くまでリハーサルを行い、各トークを改善してもらいながら、つなぎの内容を試行錯誤しました。

    当日

    広島セッションは、私が途中で画面共有ボタンを押し間違えて中断しかけましたが、他のメンバーに冷静に対応してもらい、無事に終わりました。

    まとめとして私がしゃべろうとしたことは、時間がなくなったので、全部スキップしました(公開したスライドからも削除しています)。言いたかったことはNyohoさんのトークに入っています。私は私で、次の機会に自分の言葉にしたいと思います。

    他の地域のみなさんのセッションにも、Raspberry Pi や IoT や農業など、被る話はたくさんあり、私にはそれらの専門的な研究や実践のお話も興味深かったです。終了後の関係者の交流会でも、電子工作やマイコンの話で盛り上がりました。

    全体として、地域コミュニティの広がりと、Python ユーザーのスキルや応用分野の幅広さの、両方が伝わり、よかったのではないかと思います。

    準備は大変でしたが、楽しい時間になりました。

    以下は広島セッションのスライドです。

    コミュニティの活動とアウトプットの今後

    登壇準備でもない、イベント準備でもない、ハッカソンのようで、それだけでもない、もしかしたら放送番組制作、あるいは大学研究室の発表会だったかもしれない、そんな不思議な約2か月が終わり、なにか技術コミュニティの活動とアウトプットの新しい可能性を感じています。例えば、今回の広島セッションの内容で同人誌を書くとか。。

    すごい広島 with Python は今後も「毎月月末の水曜日の19時」に Zoom で開催します。

    ブログを更新するのが久しぶりなので、その他の私の予定も紹介しておきます:

  • ふりかえり 2020年12月

    2020年8月ごろから現在までの活動と、今後の予定をまとめます。年賀状に書くような近況報告だと思ってお読みいただければ幸いです。

    2020年8月

    すごい広島 with Python [41] で Alexa スキル開発の話をしました。

    PyCon JP 2020 (オンライン開催)で「広島における地域Pythonコミュニティの立ち上げ方と続け方」という登壇をしました。遅ればせながら私もオンライン飲み会を体験して、これはこれで面白いもんだな、とちょっと思えるようになりました。

    ひさしぶりの「PCN ひろしま」会場での開催でした。

    2020年9月

    はんなりPython(オンライン開催)で tkinter の話をしました。

    オープンソースカンファレンス Online/Hiroshima に参加しました。PyCon mini Hiroshima を露骨に告知するようなミーティング枠をいただきましたが、いろいろ質問やコメントもいただけたりして、楽しかったです。

    PCNひろしま、9月も何とか開催。

    terapyon podcast に(2回目の)出演。

    すごい広島 with Python を開催。

    2020年10月

    10月10日に PyCon mini Hiroshima 2020 オンラインを開催しました。私が言い出して実現させていただいた「ラジオ番組っぽいオンラインイベント」でしたが、多くの人に楽しんでいただけたようです。まだ録画を公開できていませんね。。この年末年始に作業できればいいのですが。

    基調講演は寺田学さんに「PyCon JP が生まれて10年、コミュニティのつながりとPython 〜PyCon JP誕生からコミュニティの重要性・多様化〜」というお話をしていただきました。

    オンラインでしかイベントができない、という状況もまた、コミュニティについて深く考えるよい機会になりました。けっきょく「毎月のように、カジュアルな活動を、をコツコツ積み重ねること」が大事だと気づきました。

    10月もPCNひろしま、開催。

    すごい広島 with Python を開催。

    2020年11月

    「NVDA日本語チーム・ラジオ」を開始しました。これは「NVDA日本語チーム」のコアメンバーが Zoom + YouTube Live でラジオ番組のように「スクリーンリーダーNVDA」の情報をお伝えするオンラインイベントです。これを毎月定期的にやっていくことになりました。お便りを読んで、質問に答えたり、ご意見を伺ったりしていきます。YouTube チャンネルで録画(録音)を公開しています。

    すごい広島 with Python も開催。

    PCNひろしま、開催されたのですが、私は私用で欠席でした。

    2020年12月

    NVDA日本語チーム・ラジオ 第2回も開催

    アクセシビリティ・サポーテッド(AS)テスト もくもく会。これは私が参加しているウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)のオンラインイベントでした。いわゆる「AS情報」を、2020年4月に出しましたが、これは私が2015年からワーキンググループに参加して以来、初めてのアウトプットでした。今後、なるべく頻繁にリリースできることを目指して、活動を続けています。

    PCNひろしま、今月は広島における新型コロナウイルス感染拡大を受けて、オンラインで開催されました。経験者枠(参加者が機材をご自分で用意する枠)だけだったので、参加者ごとにブレイクアウトルームに分かれて、個別にサポートする、といった進め方になりました。ウェブで公開されている教材・コンテンツを活用させていただいたことに感謝しつつ、「けっこうやれる」という感触が得られました。

    VIC(広島市視覚障害者情報支援センター)20周年記念事業「フォーラム2020 ICTで視覚障害者の未来を拓く」に、スタッフの立場で参加しました。新型コロナ感染拡大で広島市の施設が閉鎖されようとしているタイミングでした。Zoom ウェビナーでは全国から多くの方に参加していただきました。現在も記録をまとめる作業などに携わっています。

    これから、そして2021年

    明日、今年最後の「すごい広島 with Python」です。今回は何か喋れるかな。。

    「オープンセミナー2021広島」の実行委員長を拝命しています。2021年5月またはそれ以降に延期するとは決めましたが、まだキックオフもしていません。さすがにそろそろしないと。。興味があればお気軽にご連絡ください。

    こんな状況で1年を終えようとしていますが、私は2011年からずっとテレワークで生き延びてきたので、ある意味「いままでと同じように仕事をさせていただいた一年」でした。

    オープンソース開発や技術カンファレンスの運営で経験したメソッドやツールは、オンラインでの技術チームのマネジメントに役立ちました。時間の余裕がなくて仕事が滞りがちですが、新しい仕事のお話もときどきいただいています。

    犬と猫、どっちも飼っていると。。

    前回のブログでドッグトレーナーさんのことを書きましたが、4月下旬から9月上旬まで「カジタニドッグスクール」さんに来ていただいて、主に「過剰に吠える(いわゆる無駄吠え)」という問題についてご指導いただきました。

    教えていただいたトレーニング(遊び方、しつけ方)は、いまも(なるべく毎日という気持ちで)コツコツと続けています。

    どのようなことをやって、何がわかるようになって、どう効果があったのか、いずれ書きたいと思っています。

    そして「人々が家族として愛玩動物と向き合うこと」に関わるアウトプットを、来年はもっと頑張りたいと思っています。