カテゴリー: general

  • 2023年夏

    2023年の前半を振り返って近況をまとめます。暑中お見舞いだと思ってお読みいただければ幸いです。

    YAPC::Hiroshima

    「YAPCはYet Another Perl Conferenceの略で、Perlを軸としたITに関わる全ての人のためのカンファレンスです」と YAPC::Kyoto 2023 のサイトに書かれています。

    2024年に開催される YAPC::Hiroshima の運営をお手伝いしています。私はしばらく Perl を書いたり触ったりしておらず、YAPC もこれが初参加となりそうですが、せっかくなので盛り上げたい、楽しみたいと思っています。公式情報はまだありませんが、お楽しみに。

    私が何を Perl で書いたか、思い出してみると、なぜか GLR (Generalized LR parser) を実装したような気がします。書いたものを気軽に公開するような時代ではなかったので、どこに行ってしまったのかわかりませんが。

    WAIC

    実装といえば、今年度からウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)実装ワーキンググループ(WG2)の主査をやっています。ずっとAS情報に関する活動をしていましたが、アクセシビリティ方針作成や試験実施など、この分野のプロセス全般についての知識や経験ももっと必要と感じています。

    私が最近見た動画を挙げておきます。

    昨年まではNVDA日本語チームの所属、招聘専門家としてWAICに参加していましたが、今年度、株式会社シュアルタが会員組織になりました。

    NVDA解説動画

    スクリーンリーダーNVDAを使ってアクセシビリティーチェックをするやり方の動画シリーズを freee の皆様のご依頼で制作しました。

    社内でご活用いただく教材ですが、公開を前提として納品させていただく、私にとってもありがたい仕事でした。

    動画で紹介する「良い例」「悪い例」の素材の整備もお手伝いをしました。

    振り返ると「ビジュアルハイライトの不具合をいかにごまかしながら使うか」ということを頻繁に喋っていた気がします。もっとなんとかしなくては。

    NVDA日本語チームにおける私の作業の報告は note @24motz に書いています。

    広島の勉強会コミュニティ

    以下の活動にひきつづき関わっています。

    ユニバーサルマップ活動

    「Code for Hiroshima ユニバーサルマップ」プロジェクトをお手伝いしています。

    今年から定例の「井戸端会議」にZoomを提供し、広島市内の公共交通施設の運営者との話し合いなどに参加しています。

    ペットあれこれブログ

    シュアルタ「ペットについてのあれこれブログ」を夫婦で書いています。

    私が書く記事を増やそうと頑張っています。

    ペットブログを動画や写真でなく、文章メインで書いている人が少ないと、気づいてはいますが、読んでいますと言われたこともあり、驚きながらやる気を出しています。

    とはいえ、動画も(せっかく仕事で技術を覚えたので)ペット方面で活用していくつもりです。

    ソロプレナー

    シュアルタをどういう気持ちでどう続けていくのか、自問していたら、「ソロプレナー」という言葉を見つけました。

    2011年まで東京大学などで教育研究に従事した後、西本卓也はソロプレナーとして新たな道を切り開き、家族と共に株式会社シュアルタを設立しました。彼の目指すのは持続可能性とインクルーシブを重視した事業運営で、エンドユーザーと技術者への共感を大切にしています。

    こういう文章は ChatGPT が手伝ってくれます。

    これからもよろしくお願いします。

  • 試して遊ぶ!Webアクセシビリティ

    第110回「WEB TOUCH MEETING」で喋りました。録画は YouTube チャンネル後日公開されると思います。公開されました。

    「Webアプリケーション・アクセシビリティ」出版など、この分野の話題が増えてきましたが、あまり語られてないと感じる「内発的な動機」あるいは「AI(人工知能・機械学習)」の視点を加えてみたのですが、ひねりすぎたようです。

    興味は持てたけど今日の話は難しかったです、という人がいらっしゃったので「困った!を解決するデザイン」を紹介しました。

    もうひとつ、視覚障害者でインターネットを使われる方はどのくらいいらっしゃるのか、という質問をいただきました。

    「Webアプリケーション・アクセシビリティ」第1章やミライロさんの記事2012年の総務省の調査(リンク先はPDF)を紹介しています。これによると以下がお答えになります。

    「日本の視覚障害者の91.7%がインターネットを利用している」

    この統計はいろいろ考えさせられますが、考察はまたの機会にします。

    実演で使ったコードのちほど公開して追記します。公開しました。

    スライドは下記です。Googleスライドは画像に代替テキストを入れましたが、読みやすいかどうかはわかりません。ドクセルに置いたものも紹介します。

    Googleスライドのリンク

    追記(2023年5月28日)YouTube 動画の紹介を追加しました。

  • iPhone・iPad活用ラウンジ 2023年4月

    公益社団法人NEXT VISIONが開催している「iPhone・iPad活用ラウンジ」という(現在はオンラインの)イベントに、2023年4月のスペシャルゲストとして出演しました。

    動画(音声のみ)が公開されたので紹介します。約1時間です。

    寄せられた質問へのお答え(NEXT VISIONのウェブページ)

    いままで、後半が iPhone・iPad の相談の時間だったのに、今回はそうではなくなったということで、にも関わらず100人以上の方がお申し込み・視聴しておられたとのことです。iPhone の話はほとんどしなかったですが、ありがとうございました。

    神戸を拠点に活動されているということで、なるべく神戸のことをお話しして、また、過去に登場されたスペシャルゲストの方々とのつながりも、なるべく紹介しようとして準備しました。ですが時間や話の流れの都合で喋れなかったこともありました。

    Web Touch Meeting の登壇が終わったら、自分でなにか喋って公開する(遠い昔にちょっとやっていた)習慣を再開したいと思っています。

  • WTM 110 登壇予定

    2023年4月29日 第110回「WEB TOUCH MEETING」

    「試して遊ぶ!Webアクセシビリティ」

    というタイトルで登壇します。第45回以来11年ぶりです。

    Web Touch Meeting
in Hiroshima
#110

    デジタル庁からウェブアクセシビリティ導入ガイドブックが公開され、技術評論社から「Webアプリケーション アクセシビリティ」が出版され、この分野が注目されていると感じます。このタイミングで喋らせていただけるのが楽しみです。

    内容はいったん固まったのですが、ほんの1ヶ月前に考えていたことが、昨今のAI技術の動向の影響で変わってしまいました。

    1ヶ月先には何を喋りたくなっているか、まだ自分でもわかりません。

    最近はNVDA日本語版についてこちらに書いていませんが、今日は NVDA 2023.1jp をリリースしました。NVDA日本語チームの note マガジンに執筆しています。こちらもよろしくお願いします。

  • OSC広島, DB勉強会

    9月19日 オープンソースカンファレンス 2015 HiroshimaNVDAユーザ会広島として出展しました。

    オープンソースカンファレンス2015 Hiroshima #nvdajp #osc15hi

    Posted by Masataka Shinke on 2015年9月19日

    今年はセミナーの時間を作らず、出展だけにしました。
    そのかわりに NVDA日本語版 のサイトに 開発者のためのNVDA というページを作りました。
    アクセシビリティのチェックのために NVDA を使ってみたい、というかたに向けて、9月13日に東京で開催した講習会「Web制作者のためのNVDA入門」の資料をまとめて、最低限知っていただきたいインストールのコツなどを書いています。
    聞きに行ったセッションではOSC広島特別企画「IT企業で働くということ」と題して行われたパネルディスカッションが盛り上がっていました。
    学生時代に広島の勉強会コミュニティで活躍してくださり、社会人になった若手の人たちが登壇。


    ライトニングトーク&閉会式で、PyCon mini Hiroshima (11月22日)の告知をしました。
    この日はサイトしか紹介できませんでしたが、本日 connpass での参加者・発表者の募集も開始しました。
    翌日の9月20日は同じ場所で第11回中国地方DB勉強会に参加。
    自分はデータベースに関しては「自分の技術レベルを自覚する」ために勉強会に来ているという感じでしょうか。。
    技術的な話、技術者が意識するべきビジネスの話、勉強会コミュニティを通じて人脈や仕事を得たり成長したりする話、など、幅広く盛りだくさんでした。
    懇親会の「町家風古民家で穴子料理」がなかなか良い雰囲気でした。

  • NVDA 日本語版の設定

    すごい広島#23に参加して、NVDA 日本語版チュートリアル(導入から入力ヘルプまで)の続きを書きました。
    (2) NVDA 日本語版の設定
    NVDA を使うときに知っておくとよい設定を紹介します。
    以下、NVDA制御キーはInsertや無変換キーなど、「ようこそ画面」で説明されたキーを使います。
    ここでは NVDA 制御キーを押しながら N を押すことを NVDA+N のように表記します。
    NVDA+N を押すと NVDA メニューが開きます。
    下矢印キーを1回押すと「設定」という項目にフォーカスが移動します。
    nvda-menu-01
    このメニュー項目にはサブメニューがあるので、右矢印キーを押すと「一般設定」という項目にフォーカスが移動します。
    nvda-menu-03
    下矢印を何度か押して「キーボード設定」を見つけて、Enter キーを押してください。
    「キーボード設定」ダイアログが開きます。
    nvda-menu-04
    nvda-menu-05
    ダイアログの最初の項目にフォーカスが移動して、
    「キーボードレイアウト(K) コンボボックス デスクトップ クローズ Alt+k」
    と読み上げられます。
    このチュートリアルでは「ラップトップ」配列を使うので、選択項目を変えてみます。
    下矢印キーを押すと「ラップトップ」と読み上げます。
    この状態でEnterキーを押すと選択項目が保存されますが、Escキーを押すと選択の変更がキャンセルされて設定は「デスクトップ」のままになります。
    しかし、選択を保存する前に、もう少し「コンボボックス」の操作を確認しましょう。
    「ラップトップ」に選択項目が変更された状態で、さらに下矢印キーを押すと、何も読み上げされません。これは、さらに下にはもう選択肢がないことを意味します。
    逆に、上矢印キーを押すと「デスクトップ」に戻り、さらに上矢印キーを押すと、何も読み上げません。これは、さらに上にはもう選択肢がないことを意味します。
    つまり、このコンボボックスには2個の選択肢だけがあるわけです。
    コンボボックスには折り畳まれた(クローズ、閉じている)状態と展開された(オープン、開いている)状態があります。
    マウスやタッチの操作ではコンボボックスを展開して選択肢の一覧を確認してから項目を選べますが、キーボードではコンボボックスが折り畳まれた状態のまま矢印キーで操作できます。
    NVDA+Tabキーで、現在のコンボボックスの状態を確認できます。
    コンボボックスの状態の説明でAlt+kと読み上げていましたが、これはアクセラレーターキーと呼ばれる操作方法のヒントです。
    Tabキーでひとつずつ移動する代わりに、ダイアログボックスの中の項目にジャンプしたりチェック状態の変更ができるのですが、慣れるまでは覚えなくてもかまいません。
    ダイアログボックスの項目は Tab キーで移動できますが、この順番はソフトウェアの開発者が決めた順番です。ふつうは画面の上から下、左から右に決められています。そろそろ Shift+Tab キーで逆方向に移動できることを覚えると、行き過ぎたときに戻ることができるし、先頭の項目から一番最後の項目に移動するときにも便利です。
    読み上げの中止は Ctrl キーで、中断は Shift キーでできます。
    中断したあとでShiftキーをもう一度押すと、続きを読み上げます。
    ラップトップレイアウトを選択してEnterキーを押すか、フォーカスをOKボタンに移動してスペースキーを押しておいてください。
    今度はNVDAメニューから設定「音声設定」を確認していきます。
    nvda-menu-06
    nvda-menu-07
    「速さ」などは「スライダー」という形式の項目で、数値を視覚的に表現して、値を変更できるようになっています。
    スライダーという名前のとおり、マウスでつまみをスライドするような操作ができるのですが、キーボードでも操作できます。
    キーボードでは左右または上下矢印キーやPage Up, Page Downキーで値を増やしり減らしたりできます。EndキーとHomeキーで最小値や最大値に変えることもできます。
    キーを押すたびに数値を読み上げます。
    この音声設定のスライダーでは、変更した結果がどんな音声になるのかを確認しながら操作できます。
    コンボボックスの「記号読み上げレベル」は読み上げる情報に含まれる句読点やカンマ、ピリオド、カッコなどの読み上げかたの指定です。
    記号読み上げレベルを「読まない」にしたら、比較のためにNVDAメニューからヘルプ「ようこそ画面」を開いてみてください。
    設定によって例えば「NVDAへようこそ」のあとの「感嘆符」を読んだり読まなかったりすると思います。
    記号読み上げレベルは NVDA+P でも変更できます。
    NVDAメニューから設定「オブジェクト設定」で「オブジェクトのショートカットキーの通知」をチェックなしにすると、アクセラレーターキーを読み上げなくなるので、説明がすっきりします。
    nvda-menu-08
    nvda-menu-09
    繰り返しの説明になりますが、チェックとチェックなしの状態を切り替えるにはスペースキーを押します。
    備考:2013年10月24日 画面キャプチャーを追加しました。

  • OSC2013広島 終了しました

    オープンソースカンファレンス 2013 Hiroshima に参加してきました。
    NVDA ユーザ会広島 として NVDA 日本語版のブース展示を行いました。
    来場者数は正確には聞いていませんが約200人という話もあり、特に最初の数時間はにぎやかでした。
    わざわさ NVDA のためにきてくださったかたもおられました。ありがとうございます。
    (さらに…)

  • NVDA 日本語版の導入から入力ヘルプまで

    広島のエンジニアやウェブデザイナーの活動 すごい広島 #20 に参加して、私の NVDA 講習会の資料を、文章にしてみました。
    いままでメモ程度に書いていたものの、ちゃんとしたチュートリアル版です。3時間かかって(1)を書くのがせいいっぱいだったので、(2)と(3)は次の機会に書きます。
    公開したあとで画面キャプチャーを追加して加筆しました(10月3日 0時20分)。
    (さらに…)

  • 広島市の NVDA 講習会でやったこと

    広島市の「視覚障害者向けパソコン音声ガイドソフト講習会」が始まりました。今日(7月28日)と、8月4日、8月25日に開催します。
    内容は NVDA 日本語版の講習です。
    6月の VICステップアップ講習会 の改定版ですが、今日やった内容をあらためて紹介します。
    (1)導入から入力ヘルプまで
    NVDA 日本語版の最新バージョンは http://i.nvda.jp でダウンロードしてください。
    NVDA のインストーラーを起動して、3種類の使い方があることを説明。
    Tabで移動、スペースで「同意する」のチェックボックスの操作、スペースでボタンを押す操作。
    エディット、チェックボックス、ボタンの一般的な説明。
    この画面では、チェックなしだと無効になっているボタンがあるが、チェックありにするとフォーカス移動の対象になる。
    USBメモリにポータブル版を作成して、Windows+R でそのポータブル版を起動する、という実演。
    Ctrl+Alt+N で NVDA の起動。
    ようこそ画面に書いてある「NVDAキー」の説明。ノートパソコンでは「無変換」を使うのが便利。
    NVDA+N で NVDA メニューを開いて、ヘルプ(サブメニュー)から「ようこそ画面」を探し、Enterで実行するともう一度「ようこそ画面」が開く。
    ダイアログはEnterキーで閉じられる。キャンセルできるダイアログやメニューはEscキーで閉じられる。
    このEnterやEscはどのボタンにフォーカスがあっても有効になる。
    確実に選択したボタンを押すならスペースを押した方がよい。
    ようこそ画面を閉じるとデスクトップにフォーカスが移る。
    Windows 7 だと Windows+D でデスクトップにフォーカス移動。Windows+B で通知領域にフォーカス移動。
    Windows+T でタスクバー(実行中のアプリケーション)にフォーカス移動。
    NVDA メニューを開いていないときも NVDA はずっと動いている。
    NVDA+1 を押して「入力ヘルプモード」を体験する。押したキーの説明。NVDA+N を押すとわかるように「NVDAコマンドの説明」にもなっている。
    入力ヘルプモードで NVDA+1 を押すと入力ヘルプモードの解除。
    設定を初期値に戻す裏技:NVDA+Ctrl+R を3回押す。
    (2)NVDA の設定
    NVDA メニューで「キーボード設定」を確認する。この講習では「ラップトップ」配列を使う。
    アクセラレーターキーで項目の移動やチェック状態の変更ができるが、慣れるまでは使わなくてよい。
    項目は Tab で移動。そろそろ Shift+Tab で逆方向移動も。
    読み上げの中止は Ctrl で、中断(再開)は Shift で。
    音声設定で「速さの変更」や「記号読み上げレベル」を試していただく。
    設定画面ではコンボボックスやスライダーの操作にも慣れてもらう。
    記号読み上げレベル「読まない」にしたら、比較のためにもう一度「ようこそ画面」を開いてもらう。
    この記号読み上げレベルは NVDA+P でも変更できる。
    「オブジェクト設定」で「オブジェクトのショートカットキーの通知」をチェックなしにすると説明がすっきりする。
    (3)ユーザーガイドを読む
    NVDA メニューの「ヘルプ」から「ユーザーガイド」を開いてもらう。
    このユーザーガイドはアプリケーションなので Alt+F4 で終了できる。
    「ブラウズモード」で有効な「一文字ナビゲーション」:
    H と Shift+H (見出しジャンプ)
    1, 2, 3, 4 (Shiftで逆方向、レベルを指定して見出しジャンプ)
    深い階層から抜けたいときに、レベルを指定して次の見出しにジャンプできると、効率がよい場合がある。
    NVDA のコマンド(ラップトップ配列):
    NVDA+左矢印・右矢印(1文字ずつ確認)
    NVDA+上矢印・下矢印(NVDA内部で文として扱われている単位での移動)
    NVDA+T (フォーカス位置のタイトルの読み上げ)
    NVDA+L (キャレット位置の行の読み上げ)
    NVDA+A (キャレット位置から連続して読み上げ)
    このマニュアル閲覧では矢印キーを押しただけでも1文字単位・1行単位の移動ができる。
    しかし本来は「確認(レビュー)」という NVDA の機能であり NVDA キーと一緒に押すべき操作。
    フォーカスとレビューの違いをそろそろ意識してもらう。
    この文書ではリンクされた項目がフォーカスの対象。
    目次や文章中のリンクは、Tab で移動して、スペースでリンク実行(ジャンプ)できる。
    NVDA+A は現在のキャレット位置から「すべて読み上げ」であり、文書の先頭から読むとは限らない。
    文書の階層構造を意識するために「要素リスト」を使う。呼び出す操作は NVDA+F7 である。
    要素リストの画面にはラジオボタンとツリービューがあるので、これらの操作に慣れてもらう。
    ラジオボタンの「リンク」「見出し」「ランドマーク」のうち「見出し」を選んで、その次のツリービューに移動してみる。
    上下で要素を移動、左でクローズ、右でオープン、といった操作を体験。
    要素リストの要素でEnterを押すと、元のドキュメントに戻って、選んだ要素から読むことができる。
    いままで Tab と Shift+Tab だけでフォーカスを移動してきたが、NVDA+Tab で現在のフォーカス位置を確認できる。
    テーブルの移動:Ctrl+Alt+矢印
    ここで練習した操作は Internet Explorer のページなどでも共通。
    検索サイトなどでは、検索キーワードの文字入力にフォーカスが移動すると「ガチャ」という音がして、H や 1 2 3 などの文字も普通に入力できるモードに自動的に切り替わる。
    (ブラウズモードとフォーカスモードの切り替え)
    例えば Google の検索結果は見出しジャンプで移動できる。
    (4)文書作成とオブジェクトナビゲーションに挑戦
    オブジェクトとは? Windows の画面に表示されるあらゆるもの。
    Windows 7 のメモ帳を使って「オブジェクトナビゲーション」を紹介する。
    スタートメニューからメモ帳を起動。
    例えば Windows キーを押して notepad と入力して Enter を押すと起動できる。
    Alt+Tab (アプリケーションの切り替え)で、デスクトップとメモ帳が切り替わる。
    「エディット複数行」は、ワードプロセッサーのようなテキスト編集のコントロール。
    ここで Alt+半角全角 を押して、日本語入力のモードに切り替える。
    漢字仮名交じり文を、文節単位でローマ字入力、スペースで変換、候補の選択、Enter で決定。
    矢印キーで編集中の文字や行の内容を確認。
    Windows の画面には「コントロール」以外の「オブジェクト」もたくさん使われている。
    メモ帳で Alt キーを押して、矢印キーで「ヘルプ」の「バージョン情報」を探して、Enterで開く。
    たくさん読み上げられたが、Tab でフォーカスを移動すると「リンク」と「OKボタン」の2個しか移動できる要素がない。
    まず NVDA+Shift+下矢印 で「内側のオブジェクト」があるかどうか確認する。
    そして NVDA+Shift+左(右)矢印で前後に「オブジェクトがありません」と言われるまで移動してみる。
    これで3方向を確認したことになる。
    NVDA メニューと違ってオブジェクトは「上下が階層の移動」「左右が階層の中での移動」なので注意。
    いよいよ上に移動する。行き過ぎると「デスクトップ」まで行ってしまって、戻るのが大変になるので注意。
    こうやってオブジェクトを探っていくと、Tab では見つからなかったテキスト情報がたくさん見つかる。
    レビューしている要素がボタンのときには NVDA+Enter を使うと「押す」ことができる。
    例えば「バージョン情報」の中のリンクで NVDA+Enter すると新しいダイアログが開く。
    親オブジェクトに移動すると、そのオブジェクトの子に含まれるテキストをまとめて確認できる。
    フラットレビュー(NVDA+PageUp)を使うと内容の確認が容易になることもある。
    Tab によるフォーカス移動だけで操作できないアプリケーションでも、NVDAのオブジェクトナビゲーションはこのように活用できる。
    やや簡略化して「バージョン情報」ダイアログのオブジェクト階層をまとめると:

    • ウィンドウ
      • ボタン(閉じる)
      • ダイアログ
        • テキスト
        • リンク
        • ボタン(OK)

    現在のウィンドウをすべて読み上げる:NVDA+B
    読み上げモードの切り替え:NVDA+S
    エディットで選択:Shift+左右矢印
    選択範囲の読み上げ:NVDA+Shift+S
    続きはぜひユーザーガイドを読みながら練習してみてください。
    今日は午前に約1時間半、午後に約2時間の講習でした。
    実演には NVDA 日本語版 2013.1.1jp と「フォーカスハイライト」アドオンを使いました。
    ダウンロード:focusHighlight
    NVDA+H でフォーカス位置の操作を説明してくれるアドオン
    また、systrayList アドオンの紹介、Windows 8 タッチモードの実演もちょっとだけ行いました。
    systrayList アドオンの起動:NVDA+F11
    追記(2013年8月6日):説明を加筆しました。
    追記(2013年8月25日):説明を加筆しました。
    追記(2014年2月18日):NVDA+T, NVDA+L, NVDA+A がフォーカスおよびキャレット位置に関する操作であることを追記・訂正しました。

  • すごい広島 #6 でテスト駆動開発の読書

    すごい広島とは 広島のエンジニアやウェブデザイナーが毎週集まって、 もくもくしたり Hackしたり 読書したり する場所です。
    先週は欠席したので、今週は第6回でした。
    「テスト駆動開発による組み込みプログラミング――C言語とオブジェクト指向で学ぶアジャイルな設計」という本を読み始めました。

    原著 Test Driven Development for Embedded C のページからサンプルコードをダウンロードして、make しながら読み進めました。
    組み込みの開発はするかも知れないし、しないかも知れないのですが、NVDA に組み込まれている eSpeak や libLouis のようなライブラリも、一種の組み込みソフトウェアとしてとらえています。
    この本で使われているツールは UnityCppUTest なのですが、ダウンロードしたサンプルコードの中にどちらも入っていました。
    VisualStudio のプロジェクトファイルも入っているのですが、Cygwin か Mingw で make all するほうがしっくりきます。
    著者は Eclipse の CDT で、ファイルを保存したときに自動的にテストが走るようにしているそうです。。
    著者のJames W. Grenningさんの講演は5月にアジャイルジャパン広島サテライトに参加して拝聴しました。講演の内容はプログラミングというよりも開発者の文化とか理念のお話でしたが、そのときにこの本が紹介されたのを、今頃になって思い出したのです。
    今日読んだのは最初の100ページくらいなのですが、テスト駆動開発の「王道」がきっちり実践されているので驚いています。
    C言語を教える大学の情報系カリキュラムで、アルゴリズムと並行してこういう実践をさせたら、すごいことになるんじゃないかと思ったり。。
    オブジェクト指向開発とかテスト駆動とかいう話は、たいていプログラミング言語と結びついて語られるわけです。そして、この本は、C言語でアプリケーションそのものをオブジェクト指向的に書いたりはしないようです。でも、テスト駆動開発に必要なエッセンスを、素材であるC言語で、どう実践したらいいのか、見せてくれます。
    しかも、律儀に、テストを書く、失敗させる、コードを書く、成功する、という繰り返しを読者にしつこく提示します。
    テスト駆動は「何を使うか」ではなくて「いかに実践するか」なのだなあと改めて思いました。
    ツールの仕様だけを覚えても、思想やスキルは身につかないということですね。。
    この本の面白いところは、バージョン管理ツールについて一切言及がないところです。
    これだけテスト駆動を実践すると、どこでコミットするかとかブランチを切るかとか、普通はやるんですけど。。
    ただ「継続的インテグレーション」の説明の中で、バージョン管理ツールとのつながりそのものは語られているので、おそらく、話題を発散させないためにわざと削ったのだと思えてきました。
    そんなわけで「C言語をカッコよく使いこなしてみたい」と思わせてくれる本です。