投稿者: nishimotz

  • 2023年夏

    2023年の前半を振り返って近況をまとめます。暑中お見舞いだと思ってお読みいただければ幸いです。

    YAPC::Hiroshima

    「YAPCはYet Another Perl Conferenceの略で、Perlを軸としたITに関わる全ての人のためのカンファレンスです」と YAPC::Kyoto 2023 のサイトに書かれています。

    2024年に開催される YAPC::Hiroshima の運営をお手伝いしています。私はしばらく Perl を書いたり触ったりしておらず、YAPC もこれが初参加となりそうですが、せっかくなので盛り上げたい、楽しみたいと思っています。公式情報はまだありませんが、お楽しみに。

    私が何を Perl で書いたか、思い出してみると、なぜか GLR (Generalized LR parser) を実装したような気がします。書いたものを気軽に公開するような時代ではなかったので、どこに行ってしまったのかわかりませんが。

    WAIC

    実装といえば、今年度からウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)実装ワーキンググループ(WG2)の主査をやっています。ずっとAS情報に関する活動をしていましたが、アクセシビリティ方針作成や試験実施など、この分野のプロセス全般についての知識や経験ももっと必要と感じています。

    私が最近見た動画を挙げておきます。

    昨年まではNVDA日本語チームの所属、招聘専門家としてWAICに参加していましたが、今年度、株式会社シュアルタが会員組織になりました。

    NVDA解説動画

    スクリーンリーダーNVDAを使ってアクセシビリティーチェックをするやり方の動画シリーズを freee の皆様のご依頼で制作しました。

    社内でご活用いただく教材ですが、公開を前提として納品させていただく、私にとってもありがたい仕事でした。

    動画で紹介する「良い例」「悪い例」の素材の整備もお手伝いをしました。

    振り返ると「ビジュアルハイライトの不具合をいかにごまかしながら使うか」ということを頻繁に喋っていた気がします。もっとなんとかしなくては。

    NVDA日本語チームにおける私の作業の報告は note @24motz に書いています。

    広島の勉強会コミュニティ

    以下の活動にひきつづき関わっています。

    ユニバーサルマップ活動

    「Code for Hiroshima ユニバーサルマップ」プロジェクトをお手伝いしています。

    今年から定例の「井戸端会議」にZoomを提供し、広島市内の公共交通施設の運営者との話し合いなどに参加しています。

    ペットあれこれブログ

    シュアルタ「ペットについてのあれこれブログ」を夫婦で書いています。

    私が書く記事を増やそうと頑張っています。

    ペットブログを動画や写真でなく、文章メインで書いている人が少ないと、気づいてはいますが、読んでいますと言われたこともあり、驚きながらやる気を出しています。

    とはいえ、動画も(せっかく仕事で技術を覚えたので)ペット方面で活用していくつもりです。

    ソロプレナー

    シュアルタをどういう気持ちでどう続けていくのか、自問していたら、「ソロプレナー」という言葉を見つけました。

    2011年まで東京大学などで教育研究に従事した後、西本卓也はソロプレナーとして新たな道を切り開き、家族と共に株式会社シュアルタを設立しました。彼の目指すのは持続可能性とインクルーシブを重視した事業運営で、エンドユーザーと技術者への共感を大切にしています。

    こういう文章は ChatGPT が手伝ってくれます。

    これからもよろしくお願いします。

  • 試して遊ぶ!Webアクセシビリティ

    第110回「WEB TOUCH MEETING」で喋りました。録画は YouTube チャンネル後日公開されると思います。公開されました。

    「Webアプリケーション・アクセシビリティ」出版など、この分野の話題が増えてきましたが、あまり語られてないと感じる「内発的な動機」あるいは「AI(人工知能・機械学習)」の視点を加えてみたのですが、ひねりすぎたようです。

    興味は持てたけど今日の話は難しかったです、という人がいらっしゃったので「困った!を解決するデザイン」を紹介しました。

    もうひとつ、視覚障害者でインターネットを使われる方はどのくらいいらっしゃるのか、という質問をいただきました。

    「Webアプリケーション・アクセシビリティ」第1章やミライロさんの記事2012年の総務省の調査(リンク先はPDF)を紹介しています。これによると以下がお答えになります。

    「日本の視覚障害者の91.7%がインターネットを利用している」

    この統計はいろいろ考えさせられますが、考察はまたの機会にします。

    実演で使ったコードのちほど公開して追記します。公開しました。

    スライドは下記です。Googleスライドは画像に代替テキストを入れましたが、読みやすいかどうかはわかりません。ドクセルに置いたものも紹介します。

    Googleスライドのリンク

    追記(2023年5月28日)YouTube 動画の紹介を追加しました。

  • iPhone・iPad活用ラウンジ 2023年4月

    公益社団法人NEXT VISIONが開催している「iPhone・iPad活用ラウンジ」という(現在はオンラインの)イベントに、2023年4月のスペシャルゲストとして出演しました。

    動画(音声のみ)が公開されたので紹介します。約1時間です。

    寄せられた質問へのお答え(NEXT VISIONのウェブページ)

    いままで、後半が iPhone・iPad の相談の時間だったのに、今回はそうではなくなったということで、にも関わらず100人以上の方がお申し込み・視聴しておられたとのことです。iPhone の話はほとんどしなかったですが、ありがとうございました。

    神戸を拠点に活動されているということで、なるべく神戸のことをお話しして、また、過去に登場されたスペシャルゲストの方々とのつながりも、なるべく紹介しようとして準備しました。ですが時間や話の流れの都合で喋れなかったこともありました。

    Web Touch Meeting の登壇が終わったら、自分でなにか喋って公開する(遠い昔にちょっとやっていた)習慣を再開したいと思っています。

  • WTM 110 登壇予定

    2023年4月29日 第110回「WEB TOUCH MEETING」

    「試して遊ぶ!Webアクセシビリティ」

    というタイトルで登壇します。第45回以来11年ぶりです。

    Web Touch Meeting
in Hiroshima
#110

    デジタル庁からウェブアクセシビリティ導入ガイドブックが公開され、技術評論社から「Webアプリケーション アクセシビリティ」が出版され、この分野が注目されていると感じます。このタイミングで喋らせていただけるのが楽しみです。

    内容はいったん固まったのですが、ほんの1ヶ月前に考えていたことが、昨今のAI技術の動向の影響で変わってしまいました。

    1ヶ月先には何を喋りたくなっているか、まだ自分でもわかりません。

    最近はNVDA日本語版についてこちらに書いていませんが、今日は NVDA 2023.1jp をリリースしました。NVDA日本語チームの note マガジンに執筆しています。こちらもよろしくお願いします。

  • 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法と「協議の場」

    「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が2022年5月に成立しました。通称は「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」だそうです。

    この法律には「国は、障害者による情報取得等に資する機器等の開発及び普及の促進並びに質の向上に資するよう、内閣府、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省その他の関係行政機関の職員、障害者による情報取得等に資する機器等を開発し又は提供する者、障害者等その他の関係者による協議の場を設ける」とあります。

    その「協議の場」に「株式会社シュアルタ 代表取締役 西本卓也」として参加することになりました。

    名簿を見た方には、この人はナニモノだろうと思われそうですが、過去の活動などから「さまざまな知見のある人」として推薦をいただいたとのことです。

    活動が始まってしまうと、ブログに書けることがあるかどうかわからないので、いまのうちに書いておきます。皆様のお役に立てるように頑張りたいと思います。

  • スクリーンリーダーはどうやってライブリージョンを読み上げるのか?

    いま話題の ChatGPT に質問したらこういう答えが返ってきました。

    スクリーンリーダーは、画面上に表示されている文字列や画像を解析し、それらを音声として読み上げることができます。また、ライブリージョンと呼ばれる特定のタグや属性を持つ要素を検索し、優先的に読み上げることも可能です。これにより、スクリーンリーダーは目的のコンテンツを効率的かつ正確に読み上げることができます。

    なるほど。。今年はアドベントカレンダーの記事を Qiita に書きました。私が書いてみた解説をそちらでどうぞ。

  • オープンセミナー2022@広島

    オープンセミナー2022@広島

    はじめに

    2022年6月25日 オープンセミナー2022@広島「Re: エンジニアのための統計・データ分析入門」の開催に多大なご協力をたまわり、誠にありがとうございました。

    会場を後から写した写真。参加者が座っていて、会場の一番前がスクリーンや登壇者。

    当日は会場参加者 53名(関係者を含む)、オンライン参加者 約100人でした。(オンライン枠の事前申込者に加えて、一般で申し込みをされて当日 YouTube 参加に切り替えた方もいらっしゃいました。また当日は SNS でも YouTube URL を告知しました。これらを踏まえて YouTube の記録から上記のようにオンライン参加者数を推測しています)

    参加者・関係者から新型コロナウイルス感染の報告はありませんでした。

    本イベントが無事に終了したことを宣言させていただき、実行委員長だった立場で振り返ります。

    ミルクボーイ的説明

    開催数日前に OSH Slack にこんな投稿をしました:

    「うちのオカンが好きなIT勉強会の名前を忘れた言うててね」
    「特徴おしえて」
    「広島で2番目に大きな規模の勉強会らしいわ」
    「それオープンセミナー広島。その特徴はオープンセミナー広島に間違いない」
    「でもオカンが言うには、毎年2月に開催されるらしいわ」
    「ほなオープンセミナー広島ちゃうなあ」

    「他の特徴おしえて」
    「広島の技術者コミュニティがボランティアで運営してるらしいわ」
    「その特徴はオープンセミナー広島」
    「でもオカンが言うにはオンラインで配信したことがないらしい」
    「ほなオープンセミナー広島ちゃうなあ」

    「他の特徴おしえて」
    「実行委員長がこだわりのテーマで一日のシングルトラックを企画するらしいわ」
    「その特徴はオープンセミナー広島」
    「でもオカンが言うには、懇親会LTが盛り上がるらしい」
    「ほなオープンセミナー広島ちゃうなあ」

    「んでオトンが言うにはな」「オトン?」「フラワーフェスティバルちゃうか」

    経緯

    • オープンセミナーは2003年より中四国地域で開催されているIT技術者向けの非営利の無料セミナー。広島地域では、企画と運営は技術系ユーザコミュニティのボランティアによって行われている。
    • オープンセミナー2020@広島 (OSH2020) を2020年2月に開催。このとき、自分は副委員長(次期実行委員長)だった。新型コロナウイルス感染症の第一波の直前に駆け込み開催。
    • 2020年夏から2021年夏にかけて、何度か次回について話し合う。オンライン化せず、オフラインで開催できるまで待つという話になる。
    • 2021年9月のオープンソースカンファレンス@広島でライトニングトーク。
    • 2021年10月 すごい広島 with OSH 2021.10 をオンラインのアンカンファレンスとして開催。 OSH の歴史を振り返って、データベースの技術コミュニティがルーツであることなどを紹介。
    • 2021年12月 OSH Talks 2021.12 をオンライン開催。
    • 2022年1月から3月にかけて、企画と日程と会場を固める。
    • 2022年4月、広島県さん(ひろしまQuest)との話し合いを始める。
    • 2022年4月「すごい広島 with Python」コラボ企画 第1回。斎藤友樹さんの登壇を発表。
    • 2022年5月「すごい広島 with Python」コラボ企画 第2回
    • 2022年6月25日 オープンセミナー2022@広島 開催。いま振り返ると第七波の前の駆け込み開催だった。当日行ったコロナ対策は connpass イベントの「参加方法(会場参加)」の項目に記載。
    • 2022年6月29日 コラボ企画 第3回が「すごい広島 with Python[63] x「ひろしまQuest」スタートダッシュ」としてハイブリッド開催
    • 2022年7月6日、13日、20日「すごい広島」もくもく会を「ひろしまQuest」スタートダッシュ コラボとする
    • 2022年7月27日 コラボ企画 第4回 すごい広島 with Python[64] x「ひろしまQuest」スタートダッシュ 報告会(コロナ感染拡大でオンラインに切り替え)
    • 7月29日、実行委員会としての2022の作業を終了

    アーカイブ

    司会や配信は実行委員の皆さんが本当に頑張ってくださって、協賛企業のご支援もあって、こうして録画を残すことができました。

    YouTube のチャンネル登録をお願いします!

    まず着地点を決めた話

    まず、あまり余裕のないタイミングでお願いをして、登壇を快くお引き受けいただいた斎藤友樹さんに感謝しています。ご自身の note に下記を書いてくださっています。

    飲み物の準備ができず申し訳ありませんでした。

    気づいた人はアンケートで指摘しておられますが、このイベントは、本当はもっと「統計とデータ分析の入門者向けの講義」みたいな企画案でした。

    ですが、どんな人にどんなトークをお願いしても、1日でそういう内容をゼロから学んでいただくのは無理だ、となり、計画は行き詰りました。そういう勉強は例えば後述する「ひろしま Quest」でできる。。

    エンジニア向けのイベントとして幅広く役立つ知見、全体を見通せる内容、一日の学びの最後にたどり着くべき「着地点」を探しました。そんなときに出会ったのがこの本でした:

    手に取って最初の感想は「単著でこの本が書けるのはすごい」でした。

    ページをめくって、なるほどデータ分析基盤は「統計」「データ分析」「機械学習」などの分野の「全体を見通せる」テーマだと気づかされました。

    この本が「データを活用する」という目的にフォーカスしていて、「人の問題」につながっていくのも、いろいろな立場の聞き手に届くお話になると期待できました。

    ベンダーのクラウドサービスやプロダクトではなく、オープンソースソフトウェアを起点に、幅広く手法やツールの名前が紹介されているのも、「用語を追うだけで右往左往」した自分の経験から、ありがたい技術書だなと感じました。

    データ分析、あとで触れる「データサイエンスをやってみましょう」の話と同じくらい、「データを整える」「データを扱うチームを整える」が大事だ、ということには、とても勇気づけられます。

    斎藤さんには広島に来ていただいたのですが、念のために、数日前にリハーサルを録画していただき、事前に共有をお願いしました。結果的に、会場でライブでお話をしていただけてよかったです。

    ご家族のご事情だったことは上記を読んでわかりましたが、今回、本当に直前にいらっしゃって、終了後すぐにお帰りになったので、会場でしかご一緒していません。またどこかでお会いできることを楽しみにしております。

    行動を促す話

    以前から「ひろしま Quest」は知っていたのですが、データ分析コンペの勉強会があって、eラーニングが無償で提供されていて、という具体的な話は、参加者として申し込みをしてみるまで分かりませんでした。

    どうやら大学の先生方が学生さんに参加を勧めたりしていて、若い世代の人には知られてきているようでした。もったいないので「広島の Python コミュニティ」がもっと活用したらいいのではないか、という素朴なアイディアで、今回のイベントの「もう一つの目玉」に決めました。

    さらに「データ分析コンペを活用した人たち」を私のまわりで見つけて、合わせて登壇をお願いしました。私自身が「ピンとこなかった」経験があるので、そういう人は多いのだろう、と想像したからです。

    けっきょく OSH 2022 参加者から「広島県がやっていたことを初めて知った」とか「自分も登録してやってみたい」といったリアクションを多数いただき、6月29日のコラボ企画ではオンラインと会場を合わせて40人くらいの人が集まり「ひろしま Quest がんばります」と言ってくださいました。

    1か月後、報告会に参加してくださった人はそれほど多くはなく、「ここまでやりました」とアピールしてくださる人も多くはなかったので、それはまた次の仕掛けが必要なのだな、と私たちと広島県の担当者さんで振り返って感じました。

    私が大学にいたときには、研究生活そのものが機械学習コンペのようだったし、コンペが音声認識や画像認識などの進歩に寄与した、という歴史も頭の中にはあります。こうやって他の人にお勧めしながら、私も腕が鈍らないように、日々の鍛錬を続けます。

    盛り上がってるように見せる話

    着地点やねらいを絞ったので、あとは私が選んだ登壇者とスポンサードセッションを合わせて1日分のボリュームに整えればいいのですが、ギリギリまで見通せないところがあったりして、「偶然」うまく収まった、というのが結果です。

    いや、スライドの進捗を見せてくださいね、と声をかけて、いろいろ内容をチューニングしていただいたか。。登壇者の皆様に感謝です。。

    本当に会場でリアル開催できるのか、これもずっと見通せなかったので、広島で、私がいつもお世話になっている人、以前お話をお聞きしたことがある人、「すごい広島 with Python」に参加してくださっている人、など、私は「楽をして」登壇者とお願いする話題を決めました。

    会計の立場からは懇親会もしなかったし、旅費もあまり使わなかったね、ということになりますが。。

    裏の狙いとしては、広島からオンラインで配信するのだから、広島に縁のあるエンジニアの皆様を全国にご紹介したかった、です。

    有名な方々のすごいお話を、広島にいながら聞くチャンスもいまやたくさんありますからね。。

    後日「なんか広島の Python コミュニティが頑張っていて、それがオープンセミナー広島でも可視化されてた」みたいなことを言ってくれた人がいましたが、「コツコツ続ける」に尽きますね。。

    斎藤友樹さんを着地点に決めたので、「一日でこの分野のことが全部学べる入門」にはならないけど、予備知識がない人が最初から順番に話を聞いて、ちょっとずつ技術や問題設定になじんでいって、「データ文化」を論じる前提が身についた状態で最後のお話を聞いていただく、という計画でした。そうでないと「データ分析基盤入門」は、データ分析の分野の入門者には早すぎる。。

    録画からは外してますが、私はクロージングで「放送作家の種明かしタイム」「伏線の回収」という言い方で振り返りました。「うまくいって私自身が本当に喜んでいます」と本心から皆様に感謝しました。

    これから

    こういう技術や知見が、この先どのくらい通用するのか、流行るのか、重要だと言われ続けるのか、よくわからないのですが、エンジニアが日々学び続ける、あるいはリスキリングをしていく、ホットな対象の一つだったと思います。

    例えば、NVDA日本語チームについての前回のブログで、私はユーザー数の統計の分析について書きましたが、実は「分析ができるなら予測モデルが作れるはずだ」というのは、こんな話にも、例外なくあてはまる。そういう視点は、私も今回のようなことをやっていて気づきました。

    NVDA日本語版のユーザー数の予測になんの意味があるのかはわからないし、説明変数をちゃんとデータとして残せているかは怪しいですね。。

    でも「予測できる」ということは、「日本のNVDAユーザー」という漠然としたものを「手中に収めた」ような不思議な感覚があります。

    もっと別の例で、私がよく紹介する「うちの犬が吠えた回数」のデータだと、これはある視点で「愛犬のシミュレーター」あるいは「デジタルツイン」を作ったと言えるのでは。。

    そんなこんなで、楽しんだり役に立ったりしそうな何かを、頑張って続けていきたいと思っています。

    一方で、オープンセミナー広島の次回も気になりますよね。来年できるのか、2年後になるのか、コロナ対策はいつまで続くのか。。

    これから次の実行委員長と実行委員の皆さんが準備を進めていくのを「無理はするな」「過去にとらわれるな」と思いながら支えていくつもりです。

  • NVDA日本語チームの10年とこれから

    はじめに

    2022年7月に NVDA 日本語チームの代表が西本から辻 勝利さんに交代しました。

    このような発表をしたためか、ご無沙汰していた方からご連絡をいただいたり、お世話になっている方にご報告したり、ということを繰り返しました。その結果、ここにちゃんと書いておこう、という気持ちになりました。

    7月21日に terapyon channnel podcast #62 に出演して2時間くらい喋らせていただきました。お時間があればどうぞ。

    2022年3月のオンラインイベントでも NVDA 日本語チームを作ったころの話をしました。こちらは新代表の辻さんと一緒に喋っています。

    NVDA日本語チーム・ラジオも毎月配信しており、次回は8月11日夜の予定です。

    以下では、これらのポッドキャストや録画の内容と重複しますが、私の立場で補足したいと思います。

    次のバージョンのNVDA

    現在は私がいままでどおり本家版 2022.3 の翻訳作業をしています。

    NVDA 2022.3jp については、まずは開発者ドキュメントの翻訳をしながらソースコードを調査して、それから日本語ベータ版に取りかかるつもりです(本家版は 2022.3beta1 が公開されました)。

    2022年10月に変わること

    西本がNVDA日本語チーム役員会に残るのは2022年9月までという提案が承認されました。2022年10月からは私が意志決定の場から外れて、またすこし新しいNVDA日本語チームが始まります。

    西本が10年間に抱えこんだ作業、作ったアカウント、運用しているサービスなどは、引き継ぎを前提に、いま整理をしています。重要なことから順番に進めます。

    作業を引き受ける気持ちはあるので、新しいNVDA日本語チームに「西本にこれをやってもらいたい」という内容を決めてもらって、やれることをやります。

    新しいNVDA日本語チームが「もっといろいろな人に協力してもらおう」と取り組むことも大事だと思います。

    なぜ交代したのか

    以下の理由です:

    • 自分が10年続けたことは、みんなに変化を受け入れてもらう理由になると考えた
    • NVDA日本語版の開発と普及は順調に行えており、交代してくれる人がいらっしゃるので、体制を変えるのは今がチャンスだと考えた
    • 自分が疎かにしてきたことをちゃんとやる時間を取り戻したい

    達成できたこと

    • 2012年ごろ、NVDAの東アジア言語対応が始まったときに、グローバルなNVDAのコミュニティと日本のユーザーの交流を開始した
    • 2013年ごろから現在まで、実用的な品質と機能を持つNVDA日本語版を、ほとんど遅れることなく、リリースしてきた
    • 2021年のJBICTの調査によると、日本の視覚障害者の56パーセントが「NVDAを使うことがある」と回答し、また14パーセントが「主にNVDAを使う」と回答している。シェアがまったくなかった状態から、10年でこの状況を実現できた
    • 日本でWebアクセシビリティに関わる人が NVDA を検証ツールとして使用してくださる状況となった
    • NVDA日本語チームに多くの個人や団体から寄付をいただける状況となった

    分析

    2014年以降、現在まで、NVDA日本語版の更新サーバーのアクセス数の推移を見てきました。1週間ごとの値を7で割って1日平均のユーザー数としてグラフ化しています。

    2020年以降、700を超えることはあるが、800を超えることがないまま、横ばい、あるいは減少に向かいつつあります。

    NVDAのユーザー数を増やしたい、という目標は、現状のままでは達成は難しいと思われます。

    このグラフには、Windows バージョンごとのユーザー数の変化も重ねて描かれています。

    2015年後半以降、Windows 10 ユーザーの増加はすべての NVDA ユーザーの増加と非常に似た形のカーブになっており、Windows 10 と NVDA がセットで普及してきたと推測しています。

    Windows 7 のユーザー数を Windows 10 が超えたのが2017年前半でした。Windows 8 (8.1) のユーザー数は Windows 7 を超えることがないまま現在に至っています。2021年からは、ほとんどのユーザーが Windows 10 または 11 で NVDA を使っています。

    これから

    NVDAではなく私の「これから」をすこし書きます。

    株式会社シュアルタは NVDA に関連する開発や技術支援などを行っています。しばらく、この分野でやり残したことをやっていきます。

    これからも NVDA にこだわらずに、書いたり作ったり集ったりしていくつもりです。やらなければという緊張感があります。

    ポッドキャストで寺田さんから「お仕事募集中ですか?」と聞かれて「アウトプット模索中です」という返事をしました。わかりにくかったですね。。

    インプットは始めています。

    最近、情報セキュリティマネジメント試験を受験して、先日の発表で合格を確認したところです。

    セキュリティに配慮した情報システム運用を目指している組織でスクリーンリーダー利用者がどのような問題に直面するだろうか、どうすればいいだろうか、と思いを巡らせていました。

    先日のブログ記事で紹介した行動療法やデータ分析やペットの話も、近いうちに続きを書きます。

  • データと共感

    お知らせ

    2022年6月25日にオープンセミナー2022@広島 (OSH 2022)「Re: エンジニアのための統計・データ分析入門」を開催します。

    西本は「オープンセミナー@広島 実行委員会」委員長をつとめています。

    この記事は株式会社シュアルタの「協賛(予定)コンテンツ」です。

    飼い犬に噛まれる

    OSH 2019 で「飼い犬に噛まれる」「よく吠える」などと話をした。現在8歳7ヶ月のシーリハムテリアのメス「アンナ」は、いまでも、たまに私を噛む。

    前回は数ヶ月前の金曜日の朝に指を噛まれて、自分で止血をしたが、この状態で週末を迎えるのが不安になり、夕方、皮膚科に駆け込んだ。軟膏と抗生物質を処方された。外科か皮膚科か迷ったが、皮膚科はよい選択だった。猫にかまれて入院する人もいる、と医師は私に言った。

    けがをしたら消毒をするものだと思い込んでいたが、アルコール消毒をしないでよく洗う。これが現代の医療。

    今回は完全に私の不注意だった。アンナの歯を磨こうとして、歯みがきシートを巻いた指をアンナの口に差し込んだのだ。

    現在、歯みがきには必ず歯ブラシを使っている。

    「問題行動をやめさせるのではなく、先行事象を排除する」である。

    ここ数ヶ月は、吠える回数も減らせている。後述するトレーニングの効果もあるが、原則は「先行事象の排除」つまり「吠えにくい部屋にアンナを移している」のだ。

    下記は私が最近 Python で作ったカレンダーヒートマップのツイートだ。一番下の段が2022年で、その上の3段(2019年から2021年)よりも、色が濃い(吠えた回数が多い)日が少なくなっている。

    データは自作のセンサー装置「アンナほえたワン」で収集している。不安定なプロトタイプだが、動き続けている。

    数値は Slack に通知される。「今日は50回吠えているから、もう別の部屋に移そう」といった判断ができる。これは「エラーバジェット」からヒントを得ている。犬と暮らすことはサーバー管理に似ているのだ。

    犬のことを学ぶ

    こういうことをすると「犬がかわいそう」だろうか?犬はもっと自由に家の中を移動して、気が済むまで吠えた方がいいのだろうか?

    それを考えるためには、犬のことを学ぶ必要がある。

    古い書籍に書かれている「悪いことをしたら罰する」という犬のしつけ方は、少なくとも私はうまく行かなかった。激しく抵抗されて、何度も噛まれた。

    新しい科学的な知見から犬の飼い方を解説する書籍が出版されはじめている。Udemy にも「犬のしつけ」コンテンツが次々に登場している。Netflix には「KALI K9 : どんな犬でもしつけます」というシリーズがある。

    まずDOG SIGNALというコミックを読み、楽しみながら犬の行動や気持ちの基本、そして飼い主がどんな典型的な失敗をするのか、などを知るとよい。

    辻谷秋人「犬と人はなぜ惹かれあうか」は、エッセイのように書かれているが、「主な参考文献」には学術書が多数並んでいる。新しい研究成果を著者が読み解きつつも、「人はふつうこんな気持ちでこんなふうに犬を飼うよね」という目線で綴られている。私もたくさんの文献を集めて読んだ(り読まなかったりした)が、最初にこれを読めばよかった。

    2020年春、ステイホームが続く中「ほえたワン」の数字を下げる方法がわからない私は、ペットショップでいちど実演を見たことがあるドッグトレーナーさんに相談の電話をかけた。

    散歩だけでも落ち着いて歩くようになれば、と思ったのだが、散歩が上手になる以前に、まず家の中で基本的なトレーニングが必要、というのが見立てだった。

    DOG SIGNAL を読めばわかるが、トレーニングされるのは飼い主だ。もちろん、トレーナーさんがアンナに直接なにかをして起きる変化もある(プロは短時間で効率よくやってくれる)。だが、次のトレーニングの日まで、アンナの行動を左右するのは、飼い主である私たち夫婦なのだ。

    最初のトレーニングで「確率」という言葉が登場して、私は驚いた。

    妻は子犬のときに「まて」「おすわり」などをアンナに教えていた。たいていの犬の飼い主がある程度はやっているはずだ。

    では「まて」と言われたときに犬は100パーセント確実に「まて」をするだろうか?無視して吠えてしまうだろうか?

    もしアンナが吠えているときに飼い主が「まて」と言って、吠えるのをやめるなら、吠える回数は減る。

    「指示をきいてくれる確率」がいまどれくらいなのか?

    数値化して伝えること、数値化して理解することが求められた。

    「指示をきいてくれる確率」を上げるにはどんな行動変容が必要で、そのためにどう介入したらいいのか?

    その介入はどのくらい効果があったのか?

    私たちは最初はほぼ毎週、その後は毎月、定期的にドッグトレーナーさんをお招きして、教えてもらった。

    部屋の中で、首輪とリードをつけて、飼い主がリードを引いて、なにかをコツコツ経験させていく。

    いまアンナがどういう状態なのか、どういう気持ちなのか、探る方法を飼い主が学ぶ。

    半年後に、吠える回数がすこし減ってきて、効果を感じた。ドッグトレーナーさんの予約をいったん終了した。その後は、私が独自のトレーニングをしたり、あるいは、トレーニングそのものをサボったりしていた。

    だが、また数ヶ月すると、またアンナは言うことを聞かなくなり、吠える回数も増え、止めようとしても止まらなくなった。散歩のときに吠える声もだんだん高くなり、興奮が強くなった。

    「悪くなった」ということだけは、分かった。

    私はふたたびドッグトレーナーさんに電話をして、トレーニングを再開した。学び直し。「わかったつもりだったが、実はわかっていなかった」ことがたくさんあった。

    アンナが子犬のころ適切なトレーニングをすれば違っていただろう。今はすっかりシニアだ。成犬になってからの「しつけ」は簡単ではない。

    私が隣に座って Zoom ミーティングをしても気にならないくらい、現在、ふだんのアンナは落ち着いている。静かに眠っているアンナのほうが、何かを警戒したり恐れたりして吠え続けているアンナよりも、幸せだと思う。

    だが、日々のトレーニングをすこし休んでしまうと、あっという間に「言うことを聞かないアンナ」「ずっと興奮しているアンナ」になってしまう。

    その予兆にちゃんと気づいて、そうならないように、日々のトレーニングを続けなくてはならない。

    私は「日々のコツコツ」の必要性を痛感した。一方で、「変われないものを無理に変えてはいけない」とも感じた。

    観察とデータ収集、分析を続けた私には、アンナがどういうときにどの場所でどう吠えやすいか、分かってきた。

    「アンナが吠えにくい場所を作り、そこにアンナを移す」ことは、こうして日常になった。

    夜、人と犬が寝る場所も別々になった。これで、夜中に私が噛まれるリスクもなくなった。

    散歩のときにも「吠えやすい状況」を回避しはじめた。他の犬が近づかないようにルートを変えたり、引き返したり、トラックが走る道を避けたり、などなど。。

    それは効果があるのだろうか?私は散歩中にアンナが吠えた回数を数え始めた。携帯型の音センサーを作る計画はあったが、もっと手軽なもので実践するべきだと感じて、100円ショップでカウンターを買った。これを散歩中にバッグやポケットに忍ばせる。アンナがトラックや他の犬に吠えるたびに「カチカチカチ」とカウンターのボタンを押すようになった。

    この「散歩でほえたワン」は2021年末から始めて、毎日スプレッドシートに数字を打ち込んでいる。大きな変化は見られない。強いていえば、この半年、現状を維持できている。

    手段は洗練させていきたいが、目的と関心があれば、データはどんなところからでも作れる。

    認知行動療法

    私は2022年3月まで広島市立大学の協力研究員としてお世話になっていた。だが、学生さんの研究発表会を聴講するくらいで、大学と縁の薄い生活が10年くらい続いていた。

    2022年4月に放送大学の選科履修生になって現在は「認知行動療法」を受講している。

    「認知行動療法」(印刷教材)

    ドッグトレーニングと人間の心理カウンセリングには共通する原理があり、参考になる手法もありそうだ。また、ドッグトレーニングのためには犬と飼い主の両方の行動変容が必要だということも痛感してきた。

    私はNPOの理事として発達障害支援の団体に関わっている。応用行動分析が共通の理論だと知ったことは、ドッグトレーニングを学んだ背景のひとつだった。

    放送大学の「認知行動療法」はテレビ科目で、講義は映像である。資格も経験もなくてもいきなり学生になって、好きな科目を受講できる。私の目当てはこの科目の放送教材だ。なお「放送」大学ではあるが、学生は放送授業をインターネット配信で視聴できる。

    目的と関心があればなんでも数値化できる、という事例はここにもあった。たとえば不安階層表、あるいは SUDs という値は、不安、恐怖、嫌悪などへの対処に使われる、内観に基づく数値化である。

    あるいは「調査観察型の行動実験という技法は、なにかを数えて数字で捉える。思い込みを排除して、物事の認識の仕方を変えるセラピーに使われる。

    OSH Talks 2021.12 で「可視化からはじめる ITエンジニアのセルフ・アウェアネス入門 – メタからチームと自己をカイゼンする」というお話をされた池内さんは、トークの途中で「価値のワーク」をやってくださった。

    後で知ったが、これは「行動活性化法」において「代替行動」を探すための手続きだ。やはり「主観を数値化してみる」ことに意味がある、と私は理解した。

    認知行動療法では、数値化をして、科学的に手法の有効性を検証する。その一方で「共感的理解」が基本原則とされている。相手の立場に立って理解に努める、といった意味である。

    私が「ドッグトレーニング」あるいは、愛犬の生活に介入を始めたことは、最初は、噛まれたくない、もっとテレワークを快適にしたい、といった動機だった。しかし、犬について学び、学習と行動の理論を学び、数値化して可視化してPDCAを回しているうちに、私はアンナに「共感」できた、と感じた。

    本当に動物が好きな人は、もっと感覚的に犬や猫に共感できる。私は回りくどい方法でここにたどり着いたと思うが、動物を心から大切にしている人たちに、やっと追いついた、とも言える。

    数値化、統計、データ分析、可視化、これらは「共感」と密接に繋がっている。そしてアンナに共感する方法を学んだ私は、もっといろいろなことに、より共感しやすくなった。たぶん。

    共感とマネジメント

    共感とイノベーション:マイクロソフトの企業文化の変化がどのように新製品の開発に影響をもたらしているか

    この記事は2019年に公開されている。私はサティア・ナデラさんが書いた「Hit Refresh」という本を知らなかった。だが、読み始めると、家族の障害がきっかけで重視するようになった「共感」が、マイクロソフトの復活にどう関わってきたか、アクセシビリティがどう関わっているのか、あらためて「答え合わせ」ができそうだ。

    殺伐とした企業カルチャーを変えるために、マイクロソフトCEOが幹部に勧めた1冊

    上記の記事で「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」という書籍が紹介されている。教訓として挙げられている「評価をしない観察」は「調査観察型の行動実験」に近いと思われる。「先入観を排除してデータ・数字で物事を捉える」ことで、感情をコントロールするテクニックではなかろうか。

    自分のことを振り返ると、私はドッグトレーニングを学び始めて、共感の対象は愛犬だけではないと気づいた。

    開発やコンサルティングの仕事で、エンジニアや営業メンバーや経営者に共感すること、顧客の顧客に共感すること、などを意識しながら、顧客の支援を続けている。

    客観的な評価はないが、私の実感は、

    犬を飼うと仕事がうまくなる

    である。

    シュアルタという会社を作った私は「学ぶ」ことにこだわった。スクリーンリーダーNVDAの活動と、ドッグトレーニングが、どう繋がっているのか。ぼんやりした展望しかなかった。犬をスマートスピーカーのようだと思ったこともあった。

    アクセシビリティもアニマルウェルフェアも「共感」が重要である。これが現時点でのシュアルタの学びだ。

    共感と行動と変容

    私が開発者として関わっている団体が、クラウドファンディングの準備をしている。

    エンパシーム「じぶんが変わる」体験と実証のプロジェクトに参加・ご支援ください!

    私は「共感」を対象とするソフトウェアの開発に参加していた。にもかかわらず「共感」について理解も実践もできていなかった、と気づいた。恥ずかしい限りだ。

    理由を振り返ると「行動を変えなかったから」だと思う。

    私がアンナに共感できたのは、アンナがうちにやってきたからではなく、アンナを理解しようとして私が行動を変えたからだ。

    行動を変えようという気持ちが生まれるためには共感が必要。

    共感が生まれるためには行動が必要。

    これは悪循環だ。だが、これを断ち切るのがたとえば「認知行動療法」だ。

    悪循環を「別の共感」で断ち切る方法もある。

    前述の「エンパシーム」には英語の発音を練習するコンテンツがある。昨年秋から「ラジオ英語会話講座を取り上げたテレビドラマ」を見ていたことがきっかけで(共感したのだろう)、私自身がこのコンテンツを実践することにした。

    毎日15分、お手本の英語の音声を聞いて、自分の英語の発音を録音して残す。

    自分自身によるアプリの検証、いわゆるドッグフーディングのつもりだったが「気持ちよく音声を残せるアプリであること」も確認できる。

    そして、データが残ること、可視化されることは、やはり「日々鍛錬」のモチベーションになった。喋るということも、毎日の習慣にしないと、すぐに衰えていくのだ。

    広島県が「ひろしま Quest」というデータ分析の e-learning を運用して、コンペや勉強会を開催していることも、そのころ知った。データ分析も、日々の習慣にしないと、やっぱり身につかない。

    これら e-learning やコンペは「分析と可視化に必要な日々の鍛錬を分析・可視化」してくれる。データ分析の話は何度でもしつこく戻ってくるのだ。

    データ分析をめぐる「はてしない物語」を OSH 2022 で共有したいと願っている。

    もし OSH 2022 に共感していただけたら、

    すごい広島 with Python[63] x「ひろしまQuest」スタートダッシュ

    にもご参加いただきたい。

    やってみないと気づかないことがある。継続によって価値を生むことがある。

    やってみるきっかけになる「共感」は人それぞれ。

    「共感」を生む方法が多様であるほど、多くの人に届く。

    「データ・数値化・可視化」に関わる「実践」は、それ自身が新しい「共感」を生み、次の行動変容に繋がる。

    そんな気持ちで、私も次の「行動」を模索している。

    更新履歴

    • 2022年5月30日 執筆、公開
    • 2022年5月31日 イベント名の表記など訂正
  • OSH Talks 2021.12 報告

    OSH Talks 2021.12 報告

    オープンセミナー@広島 実行委員会のオンラインイベントとして12月14日に OSH Talks 2021.12 を開催しました。

    許可をいただき、ゲスト 池内孝啓さんのトークセッション「可視化からはじめる ITエンジニアのセルフ・アウェアネス入門」の録画を公開しました。

    OSH YouTube チャンネルを作りました。今後もコンテンツを発信していく予定なので、チャンネル登録していただけると嬉しいです。

    オープニング

    OSH Talks とはなにか?私たちがオープンセミナー広島としてやっていた活動をいずれ復活させたいと考えています。いまの目標は2022年春の開催です。

    それまで何かやっていきたい。準備のためのオンラインイベントとして企画したのが OSH Talks です。第1回は「すごい広島 with OSH」という名前で、10月に開催しました。ホワイトボード Miro とアンカンファレンスを体験していただきました。今回は第2回、トークとワークショップとアンカンファレンスです。トークの部分は、私たちがやっていることの紹介のために録画を公開しました。

    自己紹介。西本です。オープンセミナー広島 2022 実行委員長。2022 は「たぶん」です。

    オープンセミナー広島で昔、飼っている犬に噛まれて、という話をしましたが、犬に噛まれるのをなんとかしようとしていたら、吠えた回数を数えることになり、これが今回の話題に繋がります。

    動物・強化・学習・行動・分析

    私もいろんな勉強をしているのですが、ドッグトレーニングから行動療法からマインドフルネスまで、かじったあげく、今日の池内さんのお話に繋がります。

    OSHは実行委員長が聞きたいことを聞きたい人から聞くというのが伝統です。

    ジェラルド・M・ワインバーグ

    もうひとつ、コンピューター・ソフトウェアの世界を面白いと思ったきっかけのひとつが、ジェラルド・M・ワインバーグさんのいろいろな著作です。ソフトウェア技術者と、心理学・心理療法の接点の、私にとっての出発点です。

    トークセッションのコメント

    気づくというのは本当に難しいことだと思いました。

    気づくための努力、工夫は人それぞれやっているはずなのですが。。

    エンジニアリングでも、いいソフトウェアを作るための工夫、いいシステムを作るための工夫は、自己流でもやるけど、いい方法は世の中にあって、それを学ぶことも大事。だからコミュニティに行ったり勉強しに行ったりする。

    気づくということ自体に、そういう話があるのだ、と今日は気づきました。

    アンカンファレンス

    広島とアジャイル

    • 広島におけるアジャイルの現状と、これから変わっていきそう、という気持ちを共有した
    • 池内さんに「すごい」と言ってもらえた
    • 興味がない?自社開発が少ない?わからない。これから、具体的にお客さんに提案して前向き。
    • 話題になった書籍:ユニコーン企業のひみつ、アジャイルサムライ、More Effective Agile、いちばんやさしいアジャイル開発の教本

    技術のキャッチアップ

    • ワークショップで、自分の技術キャッチアップができていないと感じたのでテーマにした。みなさんどうしてますか?
    • 仕事が終わって疲れて、受動的、はてブ見るだけ、疲れて寝て終わる。
    • 情報収集手段、ツイッター、ポッドキャスト。
    • はてブをみるだけでも、考え方は頭に残る。いつか生かせる。
    • 見て終わるだけより、目標とするレベルに達したい。
    • コミュニティに参加する。すごい広島、自分が求めるレベルのコミュニティに参加して追いつく。
    • そのためになにが足りてない?情報?時間?情熱?ぜんぶ?
    • みんな同じような状況だと知って安心した

    Awarefy

    • Awarefy のウェブサイトを見て感想をみんなで Miro に書いた
    • それから池内さんに説明していただき質問した
    • 自分と向き合って気づきを得るアプリ
    • 気持ちのログを積んでいく
    • 朝と夜のルーティンで入力、加えて気持ちに動きがあったときにも
    • 使い続けやすくなる?健康記録とリンクさせていきたい
    • きれいなUI
    • UXも池内さんが担当
    • 瞑想がとても怖い?意識高そう?
    • 気持ちのログを積んで自分のやりたいことを実現する気づきが得られるとわかった
    • また使っていきたい

    ワークショップの続き

    • ワークショップをやってみた感想を共有していた
    • 定期的に自分の思いや考えていることのアップデートをやったほうがいい
    • こういうことを意識してやったことがなかった
    • 転職のときにこういうことをめちゃくちゃ考えた人もいた
    • これって自問自答の 1on1 なのでは?
    • 1on1 との向き合い方との関連性を考えるのも面白い
    • 日々なにか考えている人にも意味があるが、ふだんそんなに考えてない、考えたくない人も、やると発見がある
    • どうやったら幸せに生きていけるのか
    • ちゃんと向き合いたい

    クロージング

    みなさん盛り上がってくれて、こういう企画をしてよかった。納得していただけたのでは。

    オープンセミナー広島の次回開催に向けて、今日得た気づき、池内さんとの出会いを、軸のひとつにしていきます。

    みなさんもっとこのノリで、気づいていきたい、学んでいきたい、という気持ちになりましたよね?

    集合写真