写真 青い空と雲と建物と木々の緑

nishimotzの日記

  • アンナの日記

    「そんな広島」Advent Calendar 2018 の 23日目の記事だワン。

    写真: 白い犬、アンナ。首にピンクのリボン

    シーリハムテリアのアンナ(メス、5さい)だワン。
    5年前に、生後2か月で広島に来たワン。
    パパとママは今年、会社を作ったワン。
    アンナも会社のメンバーになったワン。
    肩書は「くんくん隊長」。
    お給料なのかな、前よりもらえるオヤツが増えたワン。
    会社の名前、シュアルタ の「ア」はアンナの名前、「ル」と「タ」はママとパパの名前の頭文字だワン。
    「シュ」の由来は秘密だから言っちゃダメ、だって。。
    会社のメンバーになったらすぐ、大きなお仕事。
    出張で初めての東京。大きなペットイベントを視察。
    キラキラ着飾ったワンちゃんがいっぱい来てたワン。
    秋には広島の「ペット博」にも行ったワンよ。
    今年はお医者さんのお世話になることも多かったワン。
    美味しいお肉をもらったら骨がお口に引っかかって取れなくなったり、おなかを壊したり。。
    そういえばパパも今年、よく病院に行ったワン。
    夜中にアンナに手を出そうとしたパパに、ついカッとなってかみついたことも。
    パパは指の血が止まらなくて病院に急行。
    アンナもびっくりしたワンよ。。
    いつもお散歩をしていた河川敷や川沿いの道が、7月の大雨で壊滅。
    ショックだったワン。
    最近になってやっと前のようにお散歩できるようになってきたワン。
    シュアルタは、災害のときに行方不明者の捜索に活躍してくださる
    NPO法人「日本レスキュー協会」の法人会員になったワン。
    レスキュー犬は、すごい訓練を受けた優秀なワンちゃんたちなんだって。。
    ママは愛玩動物飼養管理士(2級)を取得したよ。おめでとうワン。
    パパは動物学や応用行動学の専門書をいっぱい読んだんだって。
    アンナのこと理解できたワンか?
    「イグ・ノーベルの世界展」で「バウリンガル」の実物も見たんだって。
    パパもアンナの言葉わかるようになったワンか?
    アンナは会社のお仕事もしなくちゃ、なので、パソコンも勉強して、こうしてパパのブログも代筆するんだワン。
    でも、文章を書くのは疲れるワン。ツイッターも始めたけど、インスタのほうが楽だワン。
    もうすぐ「ワンコ年」も終わるけど、来年もアンナとパパとママをよろしくワン。

  • NVDA 2018.4jp と FocusHighlight の現状

    無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の 日本における開発コミュニティである NVDA 日本語チームは、 2018年12月17日に NVDA 2018.4jp をリリースしました。
    インストーラーのダウンロードはこちらからどうぞ:
    https://i.nvda.jp/
    GitHub リリースも利用できます:
    https://github.com/nvdajp/nvdajp/releases/tag/release-2018.4jp
    Windows 10, 8.1, 8, 7(SP1) の32ビット版および 64ビット版に対応しています。
    Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。
    NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。
    NVDA は多くのアプリに対応し、 インストール不要で利用できるポータブル版、アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。
    NVDA 日本語チームがリリースする NVDA 日本語版は、オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA 本家版に日本語の音声エンジンと点訳エンジンを追加するなど、日本語 Windows 環境のための改良を行っています。

    NVDA 2018.4 のハイライト

    ・Mozilla Firefox の最近のバージョンにおける性能の改善
    ・音声エンジンに依存せず絵文字を読み上げる機能
    ・Outlook の返信済みや転送済みなどの報告
    ・Microsoft Word でカーソル位置からページの端までの距離を報告する機能

    設定ダイアログの主な変更点

    「音声」カテゴリ
    「記号と絵文字の説明にUnicodeコンソーシアムのデータを使用」
    が追加されました。
    「オブジェクト表示」カテゴリ
    「バルーン情報の報告」が「通知の報告」に変更されました。

    NVDA 日本語チームによる 2018.4jp の主な変更点

    ・Excel でテーブルの行列の見出しが点字ディスプレイに表示されない不具合の修正
    ・単独で使われるアットマークの点字表記を「56-246」に変更
    ・「ヘルプを独自のウィンドウで開く」の既定値をチェックなしに変更

    詳細

    下記を参照してください。
    NVDA 2018.4 最新情報
    https://www.nvda.jp/nvda2018.4jp/ja/changes.html
    日本語版 2018.4jp の更新内容
    https://github.com/nvdajp/nvdajp/milestone/16?closed=1

    Focus Highlight の現状

    NVDA 2018.4 で行われた変更の影響で、Focus Highlight アドオンで Firefox や Chrome を使う場合に、ブラウズモードでフォーカスの位置しか表示されません。
    以前は見出しジャンプで移動した見出し要素を緑の点線で確認できたりしていました。


    調査したら、ナビゲーターオブジェクトが取得できないのではなく、ナビゲーターオブジェクトが移動したというイベントが取れなくなったため、画面表示が更新されないようです。
    (ためしに、ハイライト位置を更新するキーコマンドを作って実行すると、うまく表示できている)
    回避方法をいったん見つけたものの、 NVDA の再起動や終了が不安定になってしまったため、リリースに至っていません。
    本来 NVDA に備わっていてほしい API が足りないことを、アドオン側で無理やり補ってきたのですが、いまや本家がAPIを整備してハイライト機能を実装しようとしているので、そちらに協力するほうがよさそうです。
    そろそろ私のアドオンは潮時なのかも知れません。

    追記(2018年12月19日)

    FocusHighlight 5.5 をリリースしました。
    コミュニティ add-on サイトなどの更新は依頼中です。
    この機会に Windows Vista + IE9 や Windows XP + IE8 と一年前に対応を終了した NVDA 日本語版と、新しい Focus Highlight が、いちおうエラーを出さずに動くことなど確認しました。
    Web 開発者さんが泣きながら古いバージョンの OS や NVDA やブラウザで動作確認をさせられていると思うと、頑張らずにはいられませんでした。。

  • NVDAのこれから

    このエントリーは Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2018 の12日目の記事になります。
    NVDA日本語チーム の西本です。ふだんは広島県広島市にいます。オープンソースのスクリーンリーダー NVDA の日本語対応に関わりながら、NVDA 日本語版のリリースを続けています。ウェブアクセシビリティ基盤委員会 WAIC WG2 にも参加しています。
    今年は自分の会社 シュアルタ を設立しました。
    NVDA に関するコンサルティングや受託開発を、株式会社シュアルタでお受けするのでよろしくお願いします。
    後述するように NVDA と Windows アクセシビリティを取り巻く環境は2019年にも大きく変化します。
    視覚障害者の雇用などで NVDA を活用したい企業や団体などの法人に向けて、コンサルティング契約により NVDA の技術サポートを提供します。
    現在は申込受付の準備中です。
    詳細は info@shuaruta.com にお問い合わせください。

    Windows と Edge のこれから

    Webアクセシビリティ Advent Calendar 2018 の4日目として NVDAのブラウズモード という記事を書いて、「Microsoft が Chromium 技術で作ったデスクトップアプリ」の紹介をしたら、直後に Microsoft Edge が Chromium に移行するという発表がありました。
    momdoさんの日本語訳
    そこまで Chromium 大好きになってたのか。。
    Windows 10 がリリースされた直後に NVDA は Microsoft Edge をちゃんとサポートできていない、という宣言をしたのが懐かしいですね。
    最大の理由は Internet Explorer 11 がサポートしてきたアクセシビリティAPIを Edge が廃止して UI Automation という技術に移行してしまったから、なのですが、その後、長い間をかけて Microsoft と NV Access は Edge が NVDA でちゃんと動き、性能的にも問題がないようになった、というのが2017年の終わりごろでした。
    Chromium になった Edge は、もはや Chrome や VS Code や Skype のようにきちんと NVDA で操作できるようになるのだろうな、と思ったら、今度は Microsoft が Chromium の UI Automation 移行を進める、という話になっています。ということは Edge と Chrome にちゃんと対応できたばかりの NVDA は、また新たな作業が必要になるかも。。
    Windows スクリーンリーダーのワクワク・ドキドキ・ハラハラの日々はなかなか終わりそうにありません。

    NVDAのこれから

    Python 2 のサポートが2019年末に終了する、ということがわかっていたにも関わらず NVDA はいまだに Python 2.7 に依存しています。
    あれやこれやのアップデートに対応する作業に NVDA が追われることがなければ、もっと前向きな作業ができたのではないか、と言われそうですが、私は「もともとスクリーンリーダーというのはそういう運命のもの」だと思っています。
    つまり OS やアプリやコンテンツが「理想的に作られていない」ことで起きる不具合を「取り繕う」のが、スクリーンリーダーの(本質とまでは言わないけれど)「重要な価値」になってしまっています。
    なので「スクリーンリーダーの未来は?」と聞かれると、「スクリーンリーダーがなくなる」は言い過ぎとしても「スクリーンリーダーが単純になるのが理想の未来」と私は答えます。
    話を戻すと、NVDA は来年 2019.1 から 2019.4 までの4回のリリースを行うあいだに、互換性を切り捨てて大きく変わり、Python 3.7 あるいは Python 3.8 を積んでパワーアップした NVDA に生まれ変わります。
    ですが、そのパワーアップは、ユーザーには「何の得にもならない」と思われる可能性が高いです。
    Windows XP のサポートが終わったときにも、Firefox で WebVisum が動かなくなったときにも、ガラケーで Web サイトが閲覧できなくなったときにも、むかしの Visual Basic で書かれたアプリが動かなくなったときにも、同じような話がありました。
    今度は NVDA にその試練が降りかかる番ですね。。
    たぶん NVDA 2018.4 やその日本語版を、アップグレードしないで何年か使い続けたい、という要望が出るだろうなあと覚悟をしています。
    まあ、そういう使い方をする PC を割り切って温存するのは「アリ」かも知れません。。
    ユーザーが直接得をしない「新しい技術への移行」は、そうは言っても、標準化、ソフトウェア開発、セキュリティ、オープンソース、など多くの企業やコミュニティの活動が関わって作られた「大きな流れ」であり、逆らうことは「孤立」を意味します。
    そして「孤立」は「コンピューターとインターネットを学びたい、楽しみたい、活用したい」というスクリーンリーダー利用者には「残念な」選択だと思います。
    実はまだ NVDA コミュニティは NVDA を Python 3 に移行させるための技術的課題を完全にはクリアできていません。
    私の手元で動いている Python 3.7.1 版 NVDA は、今日やっとフォーカスハイライトが動いたところですが、まだ重要な機能がボロボロと欠けている状態です。
    大丈夫なのか、ほんとにやれるのかよ、と心配しています。
    来年は NVDA 日本語版よりも、まず本家 NVDA コミュニティのチャレンジを支えたい、と思っています。

    NVDA 日本語アルファ版の新しい仕様

    ここからはメーリングリストに投稿した内容です。
    現在 NVDA 2018.4 のリリース候補版が出ていて、NVDA 日本語ベータ版 nvda_2018.4jp-beta-181210j はその変更が反映された、事実上の日本語リリース候補版になっています。
    来週中に 2018.4jp の正式版もリリースできると思います。
    本家は NVDA 2019.1 に向けた作業を進めており、日本語アルファ版では 2019.1 に向けた変更をテストしています。
    最新の日本語アルファ版で、NVDA のアドオンについて大きな変更があるので、お知らせしておきます。
    以下の説明を読んで、不都合と思う場合は、前もってリリース版やベータ版に移行することをお勧めします。
    2019.1 以降の NVDA は、原則として、アドオン開発者によって互換性が確認されたアドオンだけをインストールできます。
    アドオン開発者は、互換性を確認していることを知らせるために、アドオンを作り直して公開する必要があります。
    先日リリースした focusHighlight 5.4 ではこの問題を修正しています。
    NVDA 2019.1 系の日本語アルファ版をインストールするときに、従来のアドオンがインストールされていると、
    「アドオンの互換性について了解しました」
    というボタンが表示される場合があります。
    ですが、そのボタンを押してインストールを実行するだけだと、互換性のないアドオンはすべて無効化されてしまいます。
    インストールを実行する前に「アドオンの互換性の確認」というボタンからダイアログを開き、それぞれのアドオンについて「有効にする」のチェックボックスをチェックすれば、従来のアドオンを使い続けることができます。
    この作業は、すべてのアドオンについて必要です。
    (NVDA をインストールし直すたびに必要かどうかは再調査中です)
    アドオンをたくさんインストールしている場合や、頻繁に NVDA 日本語アルファ版を更新している人には、かなり面倒ではないかと思います。
    場合によってはベータ版や安定版に切り替えたほうがよい、というのはそういう理由です。
    この数日、本家では、この仕組みのリリースで大きな混乱がありましたが、メーリングリストなどの議論を読んでいるかぎりでは、アドオンの互換性チェックを見直すつもりはなさそうです。
    NVDA が依存している Python を2019年末までに 2 から 3 に切り替えて、そのほかの NVDA の内部の改良を進めるために、アドオン開発者に対応をしてもらう必要があり、その準備としてこの機能が必要だと考えられているためです。
    NVDA 日本語版についても、こういう仕組みになったことを早く知っていただこうと考えています。
    インストール時のアドオンの操作についてのメッセージは、日本語アルファ版では日本語に翻訳しました。
    通常よりも早いタイミングで翻訳作業をしたので、不完全な部分があるかも知れません。
    従来動いていたアドオンが「手動で有効化」すれば動くかどうかは、アドオンごとに状況が異なりますが、2019.1 で動いているとしても、アドオンそのものが更新されなければ、2019.4 や 2020.1 で動かない可能性が高いです。
    新しい日本語アルファ版を試してもらい、どのアドオンで不都合なことが起きるかを調べながら、NVDA 日本語チームの取り組むべきことを検討したいと思います。

    アドオン開発者のための補足

    アドオン開発者のための公式の説明は developerGuide に書かれています。
    https://github.com/nvaccess/nvda/blob/master/developerGuide.t2t
    具体的には manifest ファイルに

    minimumNVDAVersion = 2017.4
    lastTestedNVDAVersion = 2018.3
    

    のように記載します。
    前者を「最小要件の NVDA バージョン」
    後者を「動作確認済みの NVDA バージョン」
    と日本語では表記しています。
    未来のバージョン番号を 2019.2 のように書いてもエラーにはなりません。
    (が、最新のアルファ版のバージョンにしておくべきという本家のMLでの議論あり)
    2019.1 と書くと本家版 2019.1 とも互換性があり、NVDA 日本語版 2019.1jp とも互換性がある、と解釈される見込みです。
    (日本語版でしか動かない、みたいなチェックは想定していません)
    本家のコミュニティで公開されているアドオンのテンプレート
    https://github.com/nvdaaddons/AddonTemplate
    こちらには
    updateChannel
    という項目もありますが、これは本家の addonUpdater で使われる項目で、不要な場合は None にしておきます。
    focusHighlight の buildVars.py も紹介しておきます。
    https://github.com/nvdajp/focusHighlight/blob/master/buildVars.py

    NVDAとアドオン開発者のための補足の補足

    ユーザーには何の役にも立たないように見えるであろう「NVDA の Python 3 移行」ですが、NVDA の現在と未来の開発者が幸せになれる、というメリットが、めぐりめぐって NVDA のユーザーを幸せにする、という展望があります。
    例えば、いままで NVDA が日本語環境でうまく動いていない不具合の多くは「Windows で日本語の文字コードが使われている場合だけで起きる問題」の見落としでした。
    Python 3 への移行で、そのような不具合が起こりにくくなる、と私は期待しています。

    おまけ:今年出演したポッドキャスト(再掲)

    サイトワールド2018特集 第6回 NVDA日本語チーム(日本視覚障害者ICTネットワーク JBICT ポッドキャスト)
    AccSell ポッドキャスト第140回: 「こういうもの俺自分で作らなくて良い時代になったんだ」
    わしポ 9: Kinsai PyCon mini Hiroshima (nishimotz)