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  • Android福祉部準備会(12/19)

    日本Androidの会で福祉部を立ち上げるための準備会に参加してきました。
    何もお手伝いできないでただ行くだけ、のつもりだったのですが、たまたま聴覚に障害をお持ちの方がお二人いらっしゃって、たまたま手話とノートテイクの心得のある方がお一人いらっしゃって、目の前で情報保障が始まりました。
    私も何かできないかと思い、幸い無線LAN環境があったので、ITBC2 の最新版をインストールして、Twitter 連携機能を使い、Twitter中継をしながら、目の前のお二人に iPad で文字情報を配信する、ということをやってみました。
    Togetterまとめも私の作ったものもう一つのものがありますが、私のツイートだけをこちらにまとめます。
    「強めの要約でちょうどよいのでは」という御意見を後で伺いましたが、現場で一人で書いている自分としては、これが限界。ディレイを減らすことを優先するか、ツイートを増やしすぎないようにするか、悩み続けました。
    もうお一人の方のノートテイクに補完していただけたことが救いでした。また、発言された皆様に「発言の前に名乗ること」などの配慮をしていただけたことも、とても助かりました。
    福祉部の趣意書の文面についての議論では、ちょっと緊迫した空気が流れた場面もあり、いろいろ考えさえられました。
    私はまだ Android の開発に手を出せていません。しかし、モバイル機器とクラウド技術とソーシャルメディアは「情報保障」をもっと身近で当たり前のものに変えられると信じています。少しでもこういう活動のお手伝いができればと思っています。
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  • 参加型授業を目指して

    9月末から半年間、東京女子大学で非常勤講師をしています。4年ぶりに機会を与えていただきました。
    情報福祉とコミュニケーションをテーマに、視覚障害、聴覚障害のある方々を支援する技術や現場の実情をお話ししつつ、私が東京女子大学の先生方や学生さんと続けてきた研究(音声による視覚障害者の支援技術)も紹介しています。
    そして問題の本質に迫るために「ヒューマンインタフェースの原則」を考える必要があることを、少しずつ伝えていきたいと考えています。
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  • Ustreamのパスワード配信

    昨日今日第54回福祉情報工学(WIT)研究会(共催:ヒューマンインタフェース学会研究会)でした。
    前回に引き続き、Ustreamによる配信を実施しました。
    また、前回の配信について配信ワーキンググループの連名で報告をしました。
    研究会の記録と配信実績の報告は別途しますが、その前に忘れないうちにUstreamに関する御報告をひとつしておきます。
    WIT研究会ではできるだけ多くの方に面倒な手続きなく配信したいと考えておりますが、前回および今回に関しては、講演者や情報保障関係者の御要望を考慮して、Ustreamの「パスワード制限による配信」を使用し、ieice_wit のアカウントで配信を実施しました。
    私たちは特に前回「聴覚に障害をお持ちの方を考慮した配信」を行いました。その詳細は報告(およびその技術編)の通りなのですが、予想外に多数の「視覚に障害をお持ちのユーザ」から御利用の御要望をいただきました。
    一般的には「動画コンテンツに字幕をつける」というのはWebアクセシビリティの配慮としてはなかなか手が回らない部分です。
    そこにチャレンジした私たちなのですが、残念ながら、もっと基本的な配慮である「視覚に障害をお持ちの方が、スクリーンリーダ操作で配信を受けられること」について、十分な配慮を実現できておらず、前回に続いて今回もお叱りのメールやツイートをいただいています。
    具体的な状況を以下にご説明します。
    パスワードを入力しようとしてチャンネルのURLにアクセスすると「この番組はパスワードで保護されています。番組を見るには、有効なパスワードを入力してください」という画面が表示されます。これはHTMLのテキストボックスなので、日本で普及しているほとんどのスクリーンリーダで(音声読み上げとキーボード入力で)操作可能です。
    Ustream受信のパスワード操作1
    スクリーンリーダを御利用の方はこれを入力すれば配信が始まると思ってお待ちになるようですが、残念ながら配信が始まりません。
    実はこの先にもう一つパスワード入力画面があるのです。
    Ustream受信におけるパスワード入力(2つめの画面)
    この2番目の画面では、Flashの動画配信オブジェクトの一部として、Flashのウィジェットでテキストボックスが表示されているようです。
    日本で視覚障害を持つ方が広くお使いになっているスクリーンリーダには、Flashオブジェクトの中のウィジェットを操作できない製品が多数あります。
    このため「配信を利用できない」というご指摘をいただく結果になっています。
    もしFlashオブジェクトでパスワード入力待ちがなければ、音量調整など操作が困難な要素はありそうですが、全盲の方にもWIT研究会の配信をなんとか聞いていただくことはできると思われます。(そして、視覚に障害をお持ちなので会場に足を運びにくい、自宅や職場から研究会を聴講したい、という御要望にお応えすることも、私たちとしては、情報保障の取り組みの一つとして重要である、と気づきつつあります)
    著名な高機能スクリーンリーダであるJAWS(日本語版)はこういった問題に対応できる選択肢の一つですが、高価である・操作方法が初心者向けでない、といった事情で、利用者が限られているのが実情です。
    このような日本のWebアクセシビリティの状況を改善すべく、私たちもオープンソースで高機能のスクリーンリーダであるNVDAの日本語化に取り組んでいます。
    NVDAでのFlash操作についてはミツエーリンクスさんがブログ記事(続報)で報告しておられます。
    今回、配信ワーキンググループは、配信を利用できなかったという方から「パスワード入力がなぜ2回必要なのか」と質問を受けております。
    WIT研究会の配信WGとしては、今後、パスワード制限を行わないで配信できるように努力したいと考えております。しかし、別の団体などから、パスワード制限をかけつつ視覚障害をお持ちの方に配慮した配信をなさりたい、という要望はいずれ出てくるのではないかと思います。
    そこで改めて Ustream 運営会社の皆様にもこの問題をお知らせするべく、この記事を書かせていただきました。
    まずはこの問題について多くの方にご理解いただけることを望んでおります。