投稿者: nishimotz

  • 昨日の音音研

    第62回音音研を開催しました。
    2009年11月5日(木) 18:30-21:00頃 参加者8人

    • 話題提供1:西本卓也
    • 話題提供2:帝京平成大学・川島尊之先生 (19:40ごろ)
      • テーマ:音源分離知覚について(続編)
      • エネルギー的マスキングとインフォメーショナルマスキングの問題、音源分離と群化手がかりの知覚、順応に着目した実験のご紹介など。
    • 過去の記録・参加方法など

    ネット中継による遠隔地からの参加の実験をしました。西本の実験の途中あたりから stickam.jp に接続しました(75個の音声を聞いていただいている間は時間があるのです)。

    Twitterの@nishimotzで告知をしたところ、お一人の方に stickam でご参加いただけました。
    使用したのは Thinkpad X300 の内蔵マイクおよび内蔵カメラでした。説明の文章も効果音もタイトルも何も準備できませんでした。
    オランダの田中先生(音音研の初代主催者)も少しだけ stickam でご参加くださいました。音声も映像も比較的良好とのことでした。
    現在は、田中先生のともした火を絶やさないように、私の無理のない範囲で続けさせていただいていますが、こうした形でご参加いただけたことを嬉しく思いました。
    会場に来られた方の中には「ここに来ないで参加して、どんな風になるのか試してみたい」という興味をお持ちになった方もおられましたが、一方で「やっぱり会場で話を聞くのがよいのでは」という御意見もありました。
    いずれにせよ、技術の進歩や普及によって、研究者コミュニティという場に新しい可能性が広がっていることを、ひしひしと感じています。
    旧来のツール=メーリングリストだけでなく、ブログや YouTube などによる情報発信、twitter や stickam といったリアルタイムの情報共有ツールを利用することで、これから何ができるのか、どんな方々と交流ができるのか、ますます楽しみになってきました。

  • 音声CAPTCHA報告と明日の音音研

    御報告が遅れましたが、下記の発表を10月30日に行いました。

    • 西本 卓也, 松村 瞳, 渡辺 隆行: “音声CAPTCHAシステムにおける削除法と混合法の比較,” 電子情報通信学会技術報告(福祉情報工学研究会・音声研究会), WIT2009-64/SP2009-58, pp.55-60, Oct 2009.

    予稿には間に合わなかったのですが、被験者8人の被験者実験データで暫定的な御報告をしました。その間に松村さんが頑張ってくれたので、現在はもう少し被験者の数が増えました。

    明日の「音声・音楽研究会」の最初の時間をお借りして、被験者実験を公開でやってみたいと思います。機材の都合がありますので事前にお申し出くださった方に限らせていただきます(お二人の方にお願いする予定です)が、見学してくださっても構いません。

    19:40ごろから帝京平成大学・川島尊之先生の「音源分離知覚」の話(前回のお話の続き)を伺う予定です。音源分離知覚とCAPTCHAの深いところでの繋がりを議論できれば、と思っています。

    前回、私のブログを読んだ方が飛び入りで参加してくださいましたが、今回も歓迎です。そして以前からの懸案だったネット中継(具体的には stickam 中継)を試してみるかも知れません。

    終了後に、久しぶりに皆様とおいしいお酒が飲めるのを楽しみにしています。

  • メンタルケア講習会

    先日、大学主催の「メンタルケア講習会」に出席した。とても勉強になった。いろいろな意味で「かつては常識だったこと」が非常識になりつつあることを知った。

    配付された資料は「学生の目に触れないように」と書かれていたので、講演の内容だけ紹介しておく。

    私のメモの取り方の不正確な点や勝手な解釈が含まれている可能性もあるので、こういった問題でお悩みの方は、こんなブログの怪しげな情報(笑)に頼らず、適切な専門家に相談することをお勧めしたい。

    *****

    うつ病が休学や退学の主要な原因となっている。大学生の自殺も増加している。

    うつ病は「心の風邪」か?「誰でもかかる」という意味では「心の風邪」。一生を通じてだと20%の人がかかると言われる。しかし「簡単にはなおらない」という意味では風邪と大きく違う。

    心の病か?という質問の答えは「No」である。睡眠や疲労の状態によって物事の「とらえ方」が変わる。うつ病は心身に起因する。だから予防が可能。

    うつ病は、半分は生活習慣病。

    (1)睡眠・休養を取る

    昼間に活動して夜に休む。規則正しい生活を。自然のリズムを無視すると、人間の生活は「25時間周期」になり、眠れない、起きられない、といった症状になる。「睡眠表」をつけることが治療の出発点。

    夜に布団の中で携帯電話を使うのはよくない。瞳孔が開いているときに発光する画面を見ると不眠につながる。

    個人の体質の違いによって「必要な睡眠時間」は異なる。誰もが「短時間睡眠」でよいわけではない。一般に芸術家や学者には long sleeper タイプが多い。

    睡眠不足が1~2年続くと「手遅れ」になる。心の病だけでなく糖尿病やガンの原因にもなる。

    「部屋の雰囲気で深夜まで帰れない」状況を避ける。

    昼寝をするべき。ただし20分まで。午後3時までが有効。土・日も規則正しい生活を。

    (2)深酒をしない

    「不眠や不安にアルコール」は醒めたときに危険。衝動的・突発的な自殺につながる。

    (3)運動をする

    酸素をたくさん取ることが心の健康につながる。適度な有酸素運動を。ジョギングや水泳。数十分でよい。夕方6時頃の運動が快眠につながる。

    (4)ストレスを避ける

    互いに助け合う雰囲気を。放置しない。大学院生の将来は研究オタクではなく普通の社会人。論文期限や就活の時期には特に注意を。心配なときは親に連絡をして協力してもらうべき。相談センターに行くことを勧める。無理矢理行かせては駄目。

    東京大学には現在「なんでも相談コーナー」がある。毎月200件近い相談がある。

    みんなが生活バランスを大事に。ひとりひとりの性格に合わせて個別に方法を考える。問題の原因を追及するのではなく、協力して出口を探す。起こった問題に関して、よい結果を得ることが大事。結果で判断する。

    精神医学・教育心理学・発達心理学の知見に逆らわない。