NVDA に関する海外および日本語チームの状況

NVDA に関する海外および日本語チームの状況をご報告します。

11月8日にNVDA本家版 2012.3 が正式にリリースされました。
その後、いくつかの言語(日本語ではありません)の翻訳の不備が見つかり、現在 NVDA 本家ではまもなくリリースされるバグ修正版の 2012.3.1 と、来年の2月か3月を目標にした 2013.1 の開発が並行して行われています。

NVDA 日本語チームは、2012.3.1 のリリースを待って 2012.3jp ではなく 2012.3.1jp をリリースすることになりました。

11月8日から18日にかけて、タイのバンコクで世界盲人連合 WBU の総会が開催され、NVDA 開発者の Michael Curran さん、James Teh さんのおふたりも参加しました。
私もバンコクでこの会合に参加して、お二人と打ち合わせをしたり、ブース出展を手伝ったりしました。

アジアやアフリカの多くの国で NVDA が使われ始めており、教育機関での指導がはじまっていることが、よくわかりました。

11月16日の WBU のディナーイベントの席で、Thailand Association of the Blind (TAB Group) が NVDA の PowerPoint 対応のために
資金を援助することが突然発表されると、他の国の視覚障害者団体からも、我も我もと資金援助の申し出が発表され、会場は異常な熱気に包まれました。

Facebook の NV Access ページのコメント

資金のある国の当事者団体が、開発途上国の当事者を支援する、という、世界の NVDA コミュニティの新しい動きが、決定的になった日でした。

私はATDOの研究員としての第1回の海外出張を無事に終えましたが、すぐに次の海外出張が控えています。。

NV Accessのブース展示の様子
各国からNVDAへの資金援助が発表されたディナーイベントの様子

WBU-ICEVI 2012 バンコクで NVDA セッション

タイのバンコクでWBU ICEVI 2012という大規模な国際会議に参加しています。
WBU は世界盲人連合で、これは4年に一度の総会です。
受付では deligate と observer の選択肢があり、前者は各国の代表として選挙の投票権が与えられます。
私は ATDO のメンバーとしてオブザーバー参加です。

NVDA 開発者の Michael Curran さんと James Teh さんは ICEVI および Vision Australia の招待でこの会議に来ています。
事前に発表されていなかったNVDAセッションが、11月13日の昼に開催され、直前の告知にもかかわらず40人くらいの人が集まりました。

WBU-ICEVI 2012 会場の看板

NVDA セッション James Teh さん Michael Curran さん

1時間の NVDA セッションではデモをする時間がなくなるくらい、矢継ぎ早に質問がありました。
終了後にも多くの人が NVDA のパンフレットや名刺交換を求めて殺到。

説明の中で日本語チーム NVDAJP からの貢献についても触れていただきました。
また、今後、まだ音声合成エンジンが開発されていない言語について、DAISY コンソーシアムなど reading disability 解消のためのプロジェクトと協力が可能ではないか、ということも言っていただきました。

セッション終了後に Mick さん Jamie さん シンガポール代表の人と一緒に記念写真。

展示会場もあり、各国の団体だけでなく支援技術ベンダーも多く出展しています。

タイの研究機関 NECTEC はタイ語音声合成システム Vaja を実演しており、NVDA で動いていました。日本語の Open JTalk やフィリピン大学のタガログ語システムと同じく Vaja も HTS ベースとのことです。

Mick さん Jamie さんだけでなく、海外の開発者のかたがたと、音声合成エンジン、文字入力、点字システムなどの議論をして、日本語の要求や現状についても、何度も何度も説明している日々です。

マニラでのNVDAミーティング

支援技術開発機構(ATDO)の主任研究員として、フィリピンのマニラに来ています。

昨日、マニラ市内の Resources for the blind の事務所にて、フィリピンの NVDA ユーザーと意見交換を行いました。

この団体ではアクセシブルな電子書籍(DAISY)の教科書を制作しており、その閲覧のために NVDA をインストールした100台の小型パソコンを生徒に貸し出しているそうです。
「JAWSの代替としてのNVDA」から「最初に覚えるスクリーンリーダーとしてのNVDA」になりつつあります。

フィリピンでは学校教育は英語で行われ、パソコンはみんな英語のオペレーティングシステムのまま使われています。しかし公用語であるタガログ語を含めた現地語での教育にも力を入れようとしています。タガログ語対応など音声合成技術の充実が望まれています。

日本のスクリーンリーダー利用者と同じニーズもあり、異なる点もありました。
スクリーンリーダーがいかに就労を支援できるか、という問題は切実ですが、やるべきことは必ずしも日本と同じではないようでした。

マニラで移動中の渋滞に巻き込まれているあいだに NVDA 2012.3 がリリースされました。
本家のこの最新版は、日本語チームによる提案や改良が数多く反映されています。
一方で、NVDA 日本語チームは、インストーラーを日本語音声でしゃべらせること、日本語文字入力や文字説明のサポートを改良すること、などを目的とした NVDA 日本語版を、ひきつづき開発しています。
NVDA 日本語版 2012.3jp のリリースまで、もうしばらくお待ちください。