元日の空に、龍の顔のような雲が見えました。
2011年3月に私はこんなことを書いていました:
「それは危機のように見えるかもしれないが、実は幻想の終わりにすぎない」「危機をいっそう悪化させるのは現状維持のために注ぎ込むエネルギー」ワインバーグ「コンサルタントの秘密」第9章より
10年以上前に京都に住んでいたころ、起業家やNPOや芸術家の人と多く知り合った。みんな口を揃えて「震災が人生を変えた」と語ってくれた。それがどういうことなのか、これから首都圏の人々が理解しはじめるだろう。
今日、日付が1月1日に変わったときに私はこんなことを書きました:
いくら「良い年に」と願っても、待っているだけでは物事は良くならない。自分が動くしかない。険しい道でも歩いて行くしかない。2012年はそんな覚悟の年です。
自分の活動のキーワード「オープンソース・アクセシビリティ・音声インターフェース」は10年前と変わっていません。いや、原点に戻ってきたというべきか。。
2011年はオープンソースのスクリーンリーダー NVDA 日本語版 (nvdajp) のリリースを担当しました。先日、開発者 Skype 会議を行って NVDA 2012.1 の日本語化も担当せよという話になったので、私が担当させていただきます。
昨日、2011年の最後にこんなことを書きました:
音声研究者が膨大な時間とお金をかけて作り出した技術が、もはやタダ同然でみんなの手に。。
音声対話・音声インターフェースの技術がやっと身近なものになりました。
この分野で博士号の学位を授与された研究者・技術者の一人として、「勝負が終わった」のではなく「ゲームのルールが変わった」と捉えながら、新しい現実に向き合い続けていきたい。
そんな風に思っています。
nishimotzの日記
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2012年
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NVDA日本語版 2011.3j 公開
nvdajp プロジェクト は、無料でオープンソースのWindows用スクリーンリーダー NVDA を日本のユーザーのために改良した日本語版 2011.3j を公開しました。通常のインストール版と、インストールが不要なポータブル版があります。
スクリーンリーダーはコンピュータの画面上に表示される情報を、音声や点字に変換して出力できるソフトウェアです。
NVDAは、視覚に障害をお持ちの方が余分なコストをかけずにWindowsを利用するために役立ちます。
またWebアクセシビリティに配慮したソフトウェアやコンテンツを作成したい人にも有益なツールです。
音声や点字で出力している情報を、画面上のウインドウ(スピーチビュアー)で確認することもできます。
メッセージやドキュメントの日本語化は、現在はNVDA本家のリリースに取り入れられています。
現在のこのプロジェクトの主な活動は、日本語のかな漢字変換(IME)の読み上げ対応、オープンソースの日本語音声合成エンジン(JTalk)、日本語の点字ディスプレイへの対応です。
バージョン 2011.3j は、JTalk の音質を改善し、声の高さや抑揚の変更を実現したことに加えて、日本語入力に関しても、再現性の高いいくつかの不具合を解決しています。また、日本語入力の読み上げサポートを無効化できるようになったので、この機能を使わない場合はより安定した環境でお使いいただくことができます。
ただし、一部の機能は開発途上のものです。不完全な部分があることをご了承ください。
nvdajp プロジェクトに関するお問い合わせ先: リリース担当 西本 nishimotz atmark gmail.com