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nishimotzの日記

  • NVDAに関する活動の近況

    (1)
    オープンセミナー2014@広島 が明後日の2月1日に開催されます。
    今回「テスト駆動開発(TDD)」や「アジャイル開発」をテーマに、興味深いゲストやセッションが予定されています。
    参加費は無料ですので、実行委員のひとりとして、ぜひ多くのかたにご参加いただければと思います。
    このままだと NVDA と関係ない宣伝になってしまうのですが、実行委員としてあまり活動できてないことのお詫び(笑)として、懇親会で「テスト駆動開発とアクセシビリティ」というテーマのLTをする予定です。
    NVDA に対応したアプリケーションの開発について問合せがときどきありますが、例えば最近の Microsoft の技術である UI Automation は、アクセシビリティの技術であり、ソフトウェアの自動テストの技術でもあります。
    長沢智治のライフサイクルブログ 【UIA】UI Automation を用いたユーザーインターフェイスのテスト
    おや、こんなところに長沢智治さんのお名前が。。
    NVDA 日本語版の開発でも、テスト駆動開発のエッセンスを取り入れようと、例えば点訳エンジンをテスト駆動で実装するなど、工夫をしているところです。
    そんな話が会場や懇親会でできるのを楽しみにしております。
    (2)
    ブラインドパソコンサポート(BLPC)さんが発行するメールマガジン「BLPCパソコンメモ」に、昨年12月から連載をしています。今週、2回目の記事が掲載された号が発行されました。
    第1回の発行のときにご案内するべきでしたが、お知らせが遅くなって済みませんでした。
    BLPC パソコンメモのご案内
    バックナンバー(最新号)
    BLPCパソコンメモ:2013年12月23日号
    あと数回、NVDA について書かせていただく予定なので、よろしければお読みください。
    (3)
    NVDA日本語チームの2012年度と2013年度途中(2012年6月から2013年11月まで)の活動報告書を公開しました。
    改めて、ご寄付やイベント参加、普及活動などを通じて、
    NVDA 日本語チームをご支援くださる皆様にお礼を申し上げます。
    (4)
    NVDA 日本語チームは NVDA 日本語版のユーザーのために、以下のような問合せや情報交換の場を設けております。
    1. メールアドレス nvdajp@nvda.jp からの問い合わせの受付
    2. sourceforge.jp のチケットシステム掲示板
    3. Google グループ nvda-japanese-users メーリングリスト
    4. 不定期の「Skype開発者会議」(第1回を昨年10月26日に開催)
    5. イベント「NVDA ワールド」開催、配信、記録の公開
    6. 毎週月曜夜の「Skype交流会」(昨年8月までは「Skype会議」)
    このほかに一方的な情報提供の手段として Twitter の @nvdajp やウェブサイトの nvda.jp があります。
    NVDA 日本語チームの活動とは別に、多くのコミュニティやボランティアのかたがたに、NVDA を取り上げていただけるようになってきました。
    View-Net 神奈川さんの「らくらくNVDA」
    「視覚障害者のWindows活用ML」でも NVDA の質問が増えています。
    NV Support さん
    まほろばさんの NVDA 紹介記事
    DemekinText さんのNVDA初心者向け教材
    「陸の部屋」さんの NVDA 関連ファイル
    「プロジェクトつどい」さん:有償版音声アドオン”Vocalizer for NVDA”のご紹介
    「友加の日々の記録」さん スクリーンリーダー NVDA に関する即席リンク集
    Wikipedia 日本語版の NVDA のページをひさしぶりに開いたら、NVDA 日本語版の情報が増えていました。
    最後に、私自身は個人事業者として、NVDA の技術サポートなどのご相談を承りますので、お気軽にご連絡ください。

  • NVDA日本語版 2013.3jp 公開

    無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の日本語対応をすすめる NVDA 日本語チーム(代表:西本卓也)は、2013年12月15日に最新の日本語版 NVDA 2013.3jp を公開しました。
    ダウンロード
    NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。
    Windows 8.1/8, 7, Vista, XP の32ビット版および64ビット版に対応しています。
    Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。
    以下は対応しているアプリケーションの一部です:

    • Webブラウザー (Mozilla Firefox を推奨、 Microsoft Internet Explorer, Google Chrome にも対応)
    • Adobe Flash Player によるアクセシブルなコンテンツの操作
    • 電子メールクライアント (Mozilla Thunderbird, Windows Live Mail, Outlook に対応)
    • Microsoft Office アプリケーション Word, Excel, PowerPoint の主要な機能(対応バージョン 2003, 2007, 2010, 2013)
    • LibreOffice (バージョン4.1.4.2で動作確認済、Java Access Bridge 設定が必要)
    • Skype for Windows (バージョン6.11で動作確認済)
    • Apple iTunes for Windows
    • Twitter クライアント Tween
    • 日本語入力システム(Microsoft IME, Microsoft Office IME および ATOK を推奨、Google 日本語入力にも対応)
    • Adobe Reader によるアクセシブルな PDF 文書の読み上げ
    • Adobe Digital Edition によるアクセシブルな EPUB 書籍の読み上げ
    • AMIS によるオーディオ DAISY およびマルチメディア DAISY 書籍の読み上げ

    以下は利用できる点字ディスプレイの一部です:

    • ケージーエス ブレイルメモシリーズ(ブレイルテンダー、ブレイルメモポケットを含む)
    • ケージーエス ブレイルノート 46C/46D/46X
    • HIMS ブレイルセンス・オンハンド(日本語版を含む)
    • 日本テレソフト 清華シリーズ

    オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA は、Michael Curran, James Teh の両氏が中心となって開発を行い、世界のコミュニティが支援しています。
    NVDA は多くのアプリケーションに対応し、インストール不要で利用できるポータブル版、アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。
    2013.3 の更新内容は、キーボード設定「すべて読み上げで流し読みを許可」オプションの追加、NVDA制御コマンドのカスタマイズのための入力ジェスチャーダイアログの追加、設定プロファイル切替機能の追加などです。
    NVDA は世界40以上の言語に対応していますが、音声エンジンと点訳エンジンは日本語に対応していません。
    そこで NVDA 日本語チームは、日本語音声エンジンと点訳エンジンを搭載した NVDA 日本語版を独自にリリースしています。
    2012.3.1jp 以前のバージョンから上書きインストールしたときは点字設定の出力テーブルを「日本語6点情報処理点訳」に設定してください。
    以下は 2013.3jp での変更点についてのご案内です。

    1. アップデート通知
      2013.3jp をお使いの場合は 2014.1jp 以降のリリースを自動通知します。この機能を有効にするには、一般設定「更新の自動チェックとNVDAのアップデート」を有効にしてください。過去にNVDA日本語版が使用されていた環境では、このチェックボックスは無効になっています。
    2. 日本語入力
      日本語設定「日本語版の文字入力拡張」がチェックありのときには ATOK 対応やカナ文字の説明に関する改良を行います。
      「入力単語の読み上げ」は無効に、入力メソッド設定「候補リストの自動通知」は無効にしてお使いください。
      キーボード設定「入力文字の読み上げ」が有効でも無効でも日本語入力の変換操作を読み上げるようになりました。
      エスケープキーを押して候補文字列がクリアされるときに「クリア」と通知するようにしました。
      Microsoft IME および ATOK の候補コメントの読み上げに対応しました。(一部のバージョンは非対応)
      ATOK の候補コメントの読み上げの使い方
    3. 音声合成エンジン
      JTalk2 ドライバーを廃止して、JTalk2 で提供していた言語自動切り替え機能を JTalk で利用できるようにしました。
      JTalk mei の声の高さを設定値で10相当低くしました。これまで高さ40にしていた場合は50にすると以前の声の高さになります。
      eSpeak ドライバーに簡易的な日本語の読み上げ処理を追加して、以前のように Chinese Letter Japanese Letter と読み上げないようにしました。
    4. 点字ディスプレイ対応
      文字説明の点字ディスプレイ出力、文字コード説明の16進数出力の最適化などを行いました。
    5. フリーズ対策
      Windows 7 でエクスプローラーやタスクトレイを操作しているときにNVDA がフリーズする現象への対策を行いました。
    6. 寄付のご案内
      NVDA への寄付についてのご案内を、NVDA 日本語チームからのご案内のサイトに変更しました。

     
    詳細はNVDA日本語版の説明をご覧ください。
    NVDA日本語版の不具合やご要望は新規チケット登録またはメールアドレス nvdajp@nvda.jp でお知らせください。
    NVDA日本語チームはNVDA日本語版の開発について公開で議論をしております。
    メールでいただいたご意見は、個人を特定できないように修正して公開させていただくことがあります。
    NVDA 日本語版の情報
    NVDA 日本語チーム活動報告

  • NVDAとAudacity

    昨日の午後2時から4時まで、BLPC FAIR ON THE WEB というインターネット放送に「NVDAにチャレンジ」というテーマで出演しました。
    どうやら200人近い人が聞いてくださったようです。ありがとうございました。
    オープンソースのオーディオ編集ソフト Audacity をすこし実演しました。
    このソフトが無料であり、日本語化されており、かなりアクセシビリティに配慮して作られているからです。
    準備したことをすべて喋れなかったので、私が事前に作ったメモを以下に紹介します。
    参考にしたのは Audacity 2.0.5 を JAWS で使う方法を解説した英語のサイトです。
    JAWS 用の説明がほぼ NVDA でも使えるようです。
    私はいろいろなオーディオ編集ソフトを使ってきたのですが Audacity はほとんど使ったことがなく、複数のトラックを使う作業はまだ勉強中です。
    いずれ丁寧な解説記事を書ければと思います。
    (追記:Audacity は Microsoft のアクセシビリティAPIを素直に実装しているようなので、NVDA 以外のスクリーンリーダーでも使えると思います。NVDA の強みとして紹介したのは「無料・オープンソースのアプリケーションへの対応に積極的であることの一例」とご理解ください。)
    R 録音開始
    「マイクテスト、12345」
    スペース 停止
    Ctrl+A すべて選択
    スペース 再生(停止)
    P 再生のポーズ
    コンマ ちょっと戻す
    ピリオド ちょっと進める
    選択範囲再生中の操作
    大かっこ [ 選択の開始
    大かっこ閉じ ] 選択の終了
    Shift+スペース ループ再生
    Shift+左右 選択範囲を前・後に広げる
    Shift+Ctrl+左右 選択範囲を前・後に狭める
    C 切り取りプレビュー(選択の前後を連続して再生)
    Z 選択範囲をゼロ交差点に合わせる
    Ctrl+X 切り取り
    Ctrl+L 選択範囲を無音にする
    Shift+A 再生・停止と再生位置(カーソル)の移動
    Home 再生位置を先頭に移動
    NVDA+L で「トラック1」と通知
    Shift+M (アプリキー/Shift+F10) コンテクストメニュー
    「名前」でトラックに名前を付ける
    NVDA+L で名前を読み上げるようになる
    Shift+J 選択範囲をトラック先頭からに広げる
    Shift+K 選択範囲をトラック最後までに広げる
    J カーソルを選択中トラックの先頭に
    K カーソルを選択中トラックの最後に
    再生していないとき
    大かっこ [ 選択範囲の開始を数字で入力
    大かっこ閉じ ] 選択範囲の終了を数字で入力
    Ctrl+F6 でツールドックに移動(選択バー、トラック、ツールバーの移動)
    Tab でツールドックの中を移動
    Ctrl+Shift+F6 でトラックビューに戻る
    Shift+R 追加して録音
    Alt T V トラック削除