写真 青い空と雲と建物と木々の緑

nishimotzの日記

  • マルチモーダル対話システム標準化

    情報処理学会 情報規格調査会の活動の一環として、音声入出力インタフェースの標準化活動に関わっています。この数年来行ってきた委員会活動のメンバー6人の共著により、10月19日のSLP研究会(場所:早稲田大学)で「マルチモーダル対話システムのための階層的アーキテクチャの提案」という発表を行うことになりました。VoiceXMLやSALT、SMILなどマルチモーダルインタフェースの既存技術を踏まえつつ、Galateaプロジェクトでのツールキット開発経験から得た知見に基づいた考察になっています。

  • 学会発表

    すこし時間が経ってしまいましたが、9月6日にヒューマンインタフェース学会のシンポジウムで発表を行いました。場所は新宿の工学院大学です。

    内容は3月の音響学会での招待講演と同じ、早口音声合成における加齢と学習の効果の検討に関する話でしたが、私もこのトピックで講演を重ねるにつれて、実験結果をどのように解釈すればよいのか、ということについて踏み込んだ考察ができるようになりました。また、私が参加した「福祉と学習」のセッションに引き続いて「学習障害」のセッションがあり、こちらでも問題意識を共有する多くの議論がなされたことが印象的でした。

    9月7日にはFIT2007のイベント企画が予定されていたため、すぐに名古屋に向かおうとしたのですが、首都圏を直撃した台風の影響で、名古屋に行くことができませんでした。残念です。

    9月20日には山梨大学にて日本音響学会の秋季研究発表会に参加し、ポスター発表を行いました。同じく早口音声の聴取に関する研究ですが、ここで発表したのは「聞き取りにくい音声を聞いたときの心的負荷の測定」という内容です。具体的にはNASA-TLXというメンタルワークロード測定方法を用いて行った予備的実験についての報告でした。聴覚に関するセッションであったため、補聴器や音声合成の開発や評価に使えるのではないか、といった意見もあり、有用な情報交換ができました。

  • ちいさな音楽会

    先週末「ちいさな音楽会」というタイトルのコンサートに出かけました。

    知り合いのピアノの先生が主催する教室の生徒さんを中心とした発表会なのですが、今年で第23回。ずいぶん長く続けてこられたのですね。毎年招待のご連絡をいただいているのですが、以前は伺ってみたら「人手が足りないからビデオ撮影を手伝ってください」と言われたことすらありました。

    今回は「ちいさな音楽会」というタイトルに見合わず、大がかりな音楽会でした。

    第1部は生徒さん個人の発表会。ピアノを習いたての子供たちから大学生まで、それぞれの音楽を披露してくれました。ピアノだけでなくバイオリンやチェロの演奏もありました。途中で失敗した人もいたのですが、音楽表現の豊かさは大人顔負けで、ショパンやモーツァルトなどの名曲をたっぷり堪能しました。

    演奏会の最初に小さなお子さん(もちろん生徒さんなのですが)がステージに上がり、「ようこそおいで下さいました」などと挨拶をしてくれて、ほほ笑ましかったです。

    第2部は生徒さん同士の合奏。そして大人の声楽や弦楽のプロを交えて音楽物語「三匹のこぶた」。衣装や大道具なども凝ったものでした。

    第3部は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より「銀河の歌」と題した朗読と音楽。生徒さんとプロの合同の演奏。1991年にサントリーホールで初演された作品が原型とのこと。

    テリー・ライリーの「in C」を聞きながら「ピアノはずっと同じ音ばかりたたき続けるから大変なのよ」とずっと昔に語っていた先生の言葉を思い出しました。

    バーバーの「弦楽のためのアダージョ」は映画「プラトーン」で有名な曲ですね。

    最後の「星めぐりの歌」のアカペラは圧巻でした。

    大人が聴いて感動できる演奏会を生徒さん全員参加で作り上げることの大変さを想像し、生徒さん達の才能に敬服しました。そして音楽家として、教育者として、そしてプロデューサーとしても大いに腕をふるわれた先生のご努力に頭が下がる思いでした。

    打ち上げにも参加することができました。この先生と私は、大学時代に「子供のためのクラシック」というイベントでバックコーラスのお手伝いをしたのがきっかけで出会いました。そのときは「ミッキーマウスマーチ」や「こぶたぬきつねこ」を歌って、私は「きつねさん」でした(笑)

    あれから歳月が過ぎ、そのころ素敵なお姉様だった方々は立派なお母様になり、赤ちゃんだった子供は立派な大学生になりました。複雑な気持ちです。