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nishimotzの日記

  • 情報保障と音声認識

    先日、パソコンソフトの売り場で、音声認識ソフトを買いに来たお客さんに店員さんが説明をしているのを耳にしました。

    どうやら議事録の作成に使いたい様子。これに対して店員さんは、いまの技術ではヘッドセットを付けてリスピークした音声でないと無理、フットスイッチで音声を止めながら聞いてキーボードで書き起こす方がいいです、と説明。音声認識ソフトを買うことを思い留まらせようとしていました。

    音声認識の中でもディクテーションは使いこなすことが難しい技術だと思います。

    しゃべれば文字になる。

    そう言われると誰もが過度な期待を持ちます。

    その技術にどんな制約や限界があるのか、喋り手は理解していません。説明されたり練習をしても、常に意識していられません。

    情報保障の場で、音声認識を意識しつつ、目の前の聴き手に対して自然に話すことはできるのか?

    上手にリスピークをするためのコツはあるのか?

    音声認識結果の読み手に配慮する情報提示の方法は?

    これらの問題について先日の研究会でもいろんなヒントがありました。

    おそらくは音声認識技術だけでなくヒューマンインタフェースが大きなポイントです。

    例えば NHK の研究所ではテレビ放送字幕を音声認識で作成する研究が行われています。音声認識エンジンをどのように改良すればよいか、誤認識を人手で訂正するインタフェースはいかにあるべきか、ということについても検討が行われています。

    ここ数年の音声認識を取り巻く技術の変化、ニーズの変化を踏まえて、そろそろ、新たな取り組みが可能になりつつあるのかも知れません。

  • [wit] 第46回研究会が終了

    松山での研究会が終了しました。

    個人的には、音声認識や話速変換などの技術を情報アクセシビリティにどう生かすか、改めて考えさせられました。これをきっかけに情報保障の実験が活発になればよいと思います。私も音声認識の応用など、自分でもいろいろやってみたいと思いました。

    以下、次回以降の予定です。

    • 第47回研究会:2009年3月23日~25日
      • 会場:島根大学(松江市) 一般発表16件
      • 2008年度HCGシンポジウム合同イベント
        • 「オブジェクト指向スクリプト言語 「Ruby」の開発」 まつもと ゆきひろ(ネットワーク応用通信研究所)
        • 「エンタテイメント工学:心を豊かにする科学技術の創生」 苗村健(東大)・稲見昌彦(慶大)
        • 「HC研究の過去・現在・未来 ~ MVE研の事例から ~ 」
        • HCG懇親会(HC賞表彰式)
      • 手話通訳・要約筆記=2月27日締切
      • 点字資料=研究会プログラムと概要を作成予定
    • 第48回研究会:2009年5月14日~15日
      • 会場:沖縄産業支援センター
      • 発表申込期限:2009年3月13日
      • テーマ:コミュニケーション支援,共生コミュニケーション,および福祉情報工学一般
      • 共催:ヒューマン情報処理研究会(HIP),ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS),ヒューマンインタフェース学会研究会
  • checkinstall

    最近、簡単に .deb パッケージを作るツールの存在を知りました。

    さっそく galatea で使用しています。

    GalateaTalk で使っている言語処理系 /usr/local/istc をパッケージにする例です:

    準備

    作業環境は Ubuntu Linux 8.10

    $ sudo apt-get install checkinstall

    目標

    • /usr/xxx にインストールするための .deb を作る

    準備

    • インストールするコマンドを確認。ここでは sudo ruby setup-morph.rb だとする。
    • mkdir istc-galatea-morph-20090216 のようにパッケージ名とバージョン番号をつなげたディレクトリを作り、その中で作業するとスムーズ。

    作業

    $ sudo checkinstall ruby setup-morph.rb

    いくつかデフォルトから変更。

    管理者: nishimoto@m.ieice.org

    ライセンス:ISTC

    パッケージ名: istc-galatea-morph

    • パッケージが作成され、インストールが行われる。owner が root なので sudo chown しておく。

    完成したパッケージのインストール

    $ sudo dpkg -i istc-galatea-morph_20090216-1_i386.deb

    $ ls /usr/local/istc

    chaone-1.3.2-istc chasen-2.4.1-istc unidic-chasen139_eucj