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  • ふつう=ユニバーサルでアクセシブル

    この記事は ふつうの広島 Advent Calendar 2015 の8日目の記事です。
    昨日はkamera25さんの記事でした。
    冒頭から脱線しますが「普通の人にはない技術の持ち主」といえば「職人」ですね。
    今日から「職人」がテーマのイベントが広島で開催されますよ。
    広島職人博覧会
    12月8日(火曜)から14日(月曜)まで
    旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町)

    ふつうとはなんだろう

    普通じゃない人にとって「普通に生きろ」という言葉は「苦痛」の一歩手前だったりするかも知れません。
    「普通の人」=「健常者」「定型発達の人」でしょうか?
    「普通の人」=「リモートワークじゃない人」でしょうか?
    もっといろんな「普通」があっていいような気がするので、グーグル先生に訊いてみました。
    普=「あまねく」「広く」
    通=「通用する」
    「あまねく」は「ユニバーサル」、「通用」は「アクセス」じゃないですか。
    「ふつう」=「ユニバーサル」で「アクセシブル」ということですね!!

    イベントの「ふつう」

    「ふつうの広島」=「どんな人でも学んだり働いたり活動したりできる広島」にしましょう。
    そういうつもりで2015年に私が取り組んだのが Python のイベント、PyCon mini Hiroshima 2015 でした。
    開催直前の告知と終了後の報告は PyCon JP のブログに書いたので、下記をどうぞ。
    PyCon mini Hiroshima 2015 を開催します!
    PyCon mini Hiroshima 2015 を開催しました!
    報告の中でも書いたことですが、カジュアルな勉強会は行動力のある人たちに任せて、私は「アクセシビリティを切り口に質を保障できるイベント」を、今後も続けていくためにお手伝いできたらいいなあと思っています。

    ソフトウェアの「ふつう」

    こないだ Web アクセシビリティのアドベントカレンダーに寄稿した NVDA 日本語版の現状の記事 ですが、途中から支離滅裂で勢いだけの駄文になってしまったので、もうすこし具体的に「アクセシビリティから考える本質とか品質とか」について書いてみます。
    NVDA の UI ウィジェットに wxPython が使われていることは PyCon mini でお話しましたが、おそらく NVDA の開発者たちはこのツールキット選びをかなり慎重に行ったはずです。
    wxPython のさらに土台になっている wxWidgets のレベルで、すでに Microsoft のアクセシビリティ API に対応する作り込みが行われていることが、ちゃんとドキュメントになっています
    マルチプラットフォーム開発のための UI ツールキットはいろいろありますが、それぞれのプラットフォームのネイティブなアクセシビリティ API に対応した実装が施されているものはなかなかありません。
    画面を Windows っぽく描画したり Mac っぽく描画したりすることだけできても、それが「ボタン」なのか「テキストフィールド」なのか、といった情報を OS のアクセシビリティ API に正しく渡すことができないフレームワークは山ほどあるのです。。
    モバイル開発についてはどうでしょうか。
    マルチプラットフォームといえば HTML で UI を作る「いわゆる PhoneGap」アプリを真っ先に思いつきます。
    あまりよいユーザー体験を実現できない、ということで、ここ数年は敬遠されてきたような印象ですが、最近あらためて調べてみたら、Apache Cordova と Angular.js という組み合わせの新しいツールがいくつか登場していました。
    ここでは Ionic Framework について最近私が調べたことをちょっと紹介しておきます。
    この Ionic フレームワークは単なるライブラリではなくコマンドラインインタフェースのツールが用意されています。
    ionic start コマンドで生成されるひな形の「タブ UI」アプリを Xcode でビルドして iPad にデプロイしてみたら、かなり VoiceOver でちゃんと使える、ということに気づきました。
    フォーカスの移動順序にやや不自然なところはあったもののの、多くの要素が理解可能、アクセス可能でした。
    Web技術はちゃんと「ユニバーサルにアクセシブル」に向かって進歩してるんですね。。
    残念ながら完全に VoiceOver に無視されてしまったのは ion-toggle でした。
    調べてみたらこのトグルスイッチの記述方法が他にも見つかったので、いわゆる WAI-ARIA の勉強がてら書き直してみたら、VoiceOver でちゃんと操作できて状態を読み上げられるトグルスイッチになりました。
    修正前:

     <ion-view view-title="Account">
       <ion-content>
         <ion-list>
    -    <ion-toggle ng-model="settings.enableFriends">
    -        Enable Friends
    -    </ion-toggle>
         </ion-list>
       </ion-content>
     </ion-view>
    

     
    修正後:

     <ion-view view-title="Account">
       <ion-content>
         <ion-list>
    +    <li class="item item-toggle">
    +      <span role="label" id="enableFriendsLabel">Enable Friends</span>
    +      <label class="toggle">
    +        <input type="checkbox" ng-model="settings.enableFriends" />
    +        <div class="track">
    +          <div tabindex="0" class="handle" aria-labelledby="enableFriendsLabel" role="checkbox" aria-checked="{{ settings.enableFriends }}"></div>
    +        </div>
    +      </label>
    +    </li>
        </ion-list>
       </ion-content>
     </ion-view>
    

     
    role とか aria-checked とかこうやって使うんですね。勉強になりました。
    これ Web 標準を使ってアクセシビリティを確保したので、たぶんプラットフォームごとの実装さえちゃんとしていれば「普(ユニバーサル)」に「通(アクセシブル)」なモバイルアプリになるはずですね。。
    Ionic のテンプレートは Visual Studio 2015 にも入ってます。
    Universal Windows Platform でもいけそうです。
    アクセシビリティを「品質」と捉えると、技術を見極めたり、新しいことを勉強したりできますね。
    「ふつうの広島」を目指して、開発者向けのアクセシビリティ勉強会をやったらいいですね、と提案しつつ、この記事を締めくくりたいと思います。
    以下、参考書:
    コーディング Web アクセシビリティ

    わかりやすい「WAI-ARIA 1.0」仕様解説書 Kindle版

  • OSC広島, DB勉強会

    9月19日 オープンソースカンファレンス 2015 HiroshimaNVDAユーザ会広島として出展しました。

    オープンソースカンファレンス2015 Hiroshima #nvdajp #osc15hi

    Posted by Masataka Shinke on 2015年9月19日

    今年はセミナーの時間を作らず、出展だけにしました。
    そのかわりに NVDA日本語版 のサイトに 開発者のためのNVDA というページを作りました。
    アクセシビリティのチェックのために NVDA を使ってみたい、というかたに向けて、9月13日に東京で開催した講習会「Web制作者のためのNVDA入門」の資料をまとめて、最低限知っていただきたいインストールのコツなどを書いています。
    聞きに行ったセッションではOSC広島特別企画「IT企業で働くということ」と題して行われたパネルディスカッションが盛り上がっていました。
    学生時代に広島の勉強会コミュニティで活躍してくださり、社会人になった若手の人たちが登壇。


    ライトニングトーク&閉会式で、PyCon mini Hiroshima (11月22日)の告知をしました。
    この日はサイトしか紹介できませんでしたが、本日 connpass での参加者・発表者の募集も開始しました。
    翌日の9月20日は同じ場所で第11回中国地方DB勉強会に参加。
    自分はデータベースに関しては「自分の技術レベルを自覚する」ために勉強会に来ているという感じでしょうか。。
    技術的な話、技術者が意識するべきビジネスの話、勉強会コミュニティを通じて人脈や仕事を得たり成長したりする話、など、幅広く盛りだくさんでした。
    懇親会の「町家風古民家で穴子料理」がなかなか良い雰囲気でした。

  • PyCon mini Hiroshima など

    地域 PyCon mini を広島で という話を2月14日にしゃべってから、いろいろな方にご相談して、ご協力いただいています。
    日程と場所が確定したので、今日の LT 駆動開発17 で紹介しました。
    PyCon mini Hiroshima 2015
    主催:PyCon mini Hiroshima 2015 実行委員会
    開催日:2015年11月22日(日曜)
    会場:サテライトキャンパスひろしま
    私は実行委員長を務めることになりました。このイベントについての詳細はいずれまたお知らせします。
    今日のLTでは、PyCon JP 行動規範に始まり、整備されたマニュアルやツールなど、イベントの運営についていろいろ学ぶことがある、という話をしました。
    以下はLT駆動でしゃべらなかったですが、9月の東京でのイベントのお知らせの続報。
    9月12日(土曜)「NVDAワールド 2015 東京」参加申し込みの受付を開始しています。
    翌日も東京ですが、9月13日(日曜)『Web制作者のためのNVDA入門』というイベントで講師を担当します。