投稿者: nishimotz

  • セキュリティもみじに参加しました

    情報セキュリティの勉強会 セキュリティもみじ 第24回セミナーに参加しました。
    Togetter まとめ
    セキュリティに関する事件や不祥事は絶えないのですが、「そんなことに引っかかるほうが悪い」「何も対策をしていないから悪い」という「情報弱者叩き」になりがちです。
    辻 伸弘さんの講演の趣旨を、私は「人が誰でも病気になるように、システムは攻撃に合わないことを保証できない。しかしリスクや被害を減らすための多層的な対策は可能だし、何を守るべきなのか日頃から意識して準備することはできる」と理解しました。そして「多層防御」についての技術的な具体例もご紹介いただき、参考になりました。
    NVDA 日本語版のために電子署名を買おうとして頑張った話を、ライトニングトークでさせていただきました。
    まあ簡単に言うと「安く買おうとしてかえって敷居が高くなってしまい挫折中」です。。
    トークの後そして懇親会で、いろいろ声をかけていただいて、デジタル証明書サーバーの立て方を教えていただいたり、スクリーンリーダーについて質問をしてくださったりしました。
    この先どうするか、まだ決めていないのですが、参考になりました。
    ノベルティグッズのご提供、ケーキタイムのおいしいお菓子など、準備に関わられた関係者の皆様に感謝します。
    セキュリティとアクセシビリティといえば「画像認証」(CAPTCHA) という話題もありますが、そもそもスクリーンリーダーを開発していると、アプリケーションやOSから情報を引っこ抜いて読み上げるという挙動そのものが「コンピューターウイルスと紙一重」であることを痛感します。
    どうやったらオペレーティングシステムやアプリケーションをお行儀よく実装できて、スクリーンリーダーがトリッキーなことをせずに済むようになるのか、という技術的な情報を、もっと発信していきたいと思い始めています。
    5月18日に NV Access は NVDA の新しいバージョン 2013.1 をリリースしました。
    NVDA 日本語チームは NVDA 日本語版 2013.1jp のリリース準備を進めているところです。

  • NVDA日本語チームの活動のご案内

    オープンソースのスクリーンリーダーNVDA日本語版 2012.3.1jp の公開から1ヶ月半が過ぎ、ダウンロード回数が2100を超えました。
    しかしNVDA日本語版にはまだ開発途上の機能があり、ご意見やご要望がいろいろあろうかと思います。
    NVDA日本語チームの活動と、ユーザーの皆様に開発に参加していただく方法について、ご案内します。
    (1) 日本語チームの概要
    NVDA日本語チームは、2012年7月より、下記の規約のもとで運営しています。
    NVDA日本語チーム 運営規約
    NVDA 日本語チームのメーリングリスト nvdajp-team の参加者を会員として、会員が話し合って物事を決めていく体制です。
    メーリングリスト nvdajp-team の参加方法や過去の発言の公開
    なお、このメーリングリストにはチケットシステムの更新記録も配信されます。
    日本語チームは、月曜日の夜8時30分から定例Skype会議を行っています。
    日本語チームの代表である西本がやむを得ない事情で参加できない場合も、日本語チームのメンバーの交流の時間としてご活用いただいています。
    最近のSkype会議の記録は下記のとおりです:

    私は来週から2週間お休みをいただいて、次回は2月11日に参加します。まだ日本語チームのメンバーでないかたも、お気軽にご参加ください。
    (2) 開発版のテストや翻訳など
    NVDA日本語チームでは、開発スナップショットを作成し、日本語関連機能の改良を進めています。
    2011年の2月から2012年9月にかけて、開発スナップショットを sourceforge.jp からダウンロードできるように公開して、 NVDA 日本語ユーザーのメーリングリストで告知してきました。
    2012年9月のSkype会議の結果、開発スナップショットの公開はやめて、日本語チームのMLに参加しておられるかただけを対象に告知する形式にしました。
    例えば、本家の最近のスナップショットは PowerPoint 対応が完了しており(これは各国の当事者団体からの資金援助で実現されました)、日本語版の開発スナップショットでも PowerPoint 対応のテストが可能です。
    もし日本のPowerPointユーザーから本家の開発にフィードバックすべきことがあれば、日本語チームがお手伝いをさせていただきます。
    また、最近は日本語点訳エンジンについて、なるべく日本語点字の規則に従って処理を行うような改良を進めています。
    仮名づかいや分かち書きの処理の基本ルールにやっと対応できたところで、まだまだやることはたくさんありますが、日本語チームのメンバーにテストをしていただき、仕様を相談しながら進めています。
    この数ヶ月、日本語版の開発と翻訳をほとんど一人でやってきました。
    ドキュメントやアドオンの翻訳など、もっと多くのかたに協力していただきたい作業もあります。
    NVDA 日本語版をもっとよくしたいというかたに、日本語チームへのご参加をご検討いただければ幸いです。
    (3) チケットシステム利用などのご案内
    バグやご要望の報告にはチケットシステムの利用もご検討ください。
    バグ報告は、開発者が状況を再現できるように手順を具体的にお知らせください。
    NVDA日本語版のチケットの新規登録
    (4) 本家版開発への参加
    NVDA本家版の日本語関連の要望や不具合を、本家への要望として英語で報告していただくことも重要です。
    NVDA本家版も昨年の2012.3.1で入力メソッドに対応したのですが、中国語入力のサポートとして行われた実装なので、日本語のための環境としては機能が十分ではありません。
    NVDA日本語チームは、NVDA本家の開発・翻訳の貢献者として、NVDA本家の日本語対応も担当しており、将来は日本語版と同等の機能が本家版で実現されることを目指しています。
    NVDA本家の開発者向け情報(英語)
    (5) 最後に一言
    昨年、NVDA中国語チームが進めてきた資金調達と中国語対応開発の動きを見守って、そして PowerPoint サポートのきっかけになったWBU 総会でのタイのモンティアン上院議員のリーダーシップを見てきました。
    「自分たちがお金を出して自分たちのソフトウェアとして育てる」いわゆる「オーナーシップ」の気持ちが NVDA の開発を後押し始めています。
    この世界の状況を、もっと日本のユーザーに知ってもらい、日本語チームの活動を、もっとよい方向に変えてもらいたい、と思っています。
    だから、「NVDAは自分の所有物ではない」と思っている私の、権限や仕事を減らしていただける提案は、私は歓迎します。

  • 年末の出張

    ATDOの調査の仕事で、12月にも海外出張がありました。アメリカ(ニューヨーク)、ブラジル(サンパウロとリオデジャネイロ)、南アフリカ(プレトリア)、インド(デリー)に行きました。
    スケジュールはびっしり詰まっていましたが、各地のカウンターパートのかたにとても親切にしていただきました。
    この仕事に関わるまで「カウンターパート」という言葉さえ知りませんでしたが、そういえばカウンターパートって音楽用語では「対位法」「対旋律」だったなあ、と出張中に思い出しました。
    突然の停電、快適とはいえない3GやWiFi通信、飲めない水道水、などなど、日本ではできない経験もありました。
    食事はたいてい美味しくて、つい食べ過ぎました。
    サンパウロでFMラジオを聞くと普通のポップスが流れていたのに、デリーでラジオを聞くとやっぱりインド音楽でした。
    世界は一筋縄では語れません。
    言語についてもそうです。ブラジルではほとんどポルトガル語、そして南アフリカには11の公用語が、インドには22の公用語があります。
    首都・大都市と地方都市で文化も生活も全然違う、とあちこちで聞きました。日本でもそうかも知れませんが。。
    2012年を振り返ると、最初は NVDA 日本語化プロジェクトがどうやって世界とつながっていけばいいのか、見当もつかなかったのですが、台北に行くことになって、オーストラリアから開発者を招くことができました。
    そしてアクセシビリティの仕事で海外に行く機会を得ました。
    お世話になった方々に心から感謝しています。
    この1年で得られたチャンスやヒントが、次のステップにつながるまで、地道に活動を続けたいと思います。
    ニューヨークの夜
    ニューヨークの夜
    サンパウロの街
    サンパウロの街
    リオデジャネイロの海岸
    リオデジャネイロの海岸
    プレトリアの街
    プレトリアの街
    デリーの工科大学の屋上からの景色
    デリーの工科大学の屋上からの景色