投稿者: nishimotz

  • バリアフリー見学会@松江

    来週、私が幹事をしている福祉情報工学研究会が松江で開催されるのですが、研究会の前日(1月23日)に

    • NPO法人プロジェクトゆうあい代表・三輪様による御報告.しまね産業振興財団,情報通信機構支援事業「てくてくラジオ」てくてくマップ等体験
    • (株)ワコムアイティ専務・今岡様による御報告.島根ライトハウスライブラリ様と共同開発された視覚障害者音声データ配信システム「ピロートーク」御説明
    • (合)一文字家専務・景山様によるユニバーサルデザイン弁当の御説明
    • (株)ネットワーク応用通信研究所のRuby開発チームの皆様との御懇談および松江オープンソースラボ見学

    などの見学会を実施できることになりました。

    詳細はこちらをご覧ください:

    昨年の暮れに、この研究会をこれからどう充実させていけばいいのだろう、と漠然と考えて、いろんな方にお話をしていたら、ある全盲の視覚障害者の方に「WIT研究会は、当事者の参加を歓迎していると言うけど、もっと研究会側から現場に出て行ってもいいんじゃないの?」と言われたのです。

    その言葉は私にはずっと引っかかっていて、なにか「現場に出て行く機会」を作りたいと思っていました。

    松江はご存じ Ruby 言語のお膝元で、それだけでも楽しみです。非公式情報ですが研究会2日目の午後には Ruby 関連の別イベントも、同じ島根大学で開催されるそうです。

    しかも「Ruby と GalateaTalk でウェブアクセシビリティ」などの活動も以前から読んでいて気になっていたし、「てくてくラジオ」も全国展開中。「ユニバーサルデザイン弁当」にも興味津々です。

    WITが「現場に出て行く研究会」として飛躍するきっかけになるようにと願っています。そして、松江の皆様と来週お会いできることを、とても嬉しく思い、私自身も参加者の1人として、とても楽しみにしています。

  • PC故障の被害を考える

    年末に主要な文書やソースコードのバックアップを取ったのが幸いでした。そして改めて、メインマシンが壊れる前に「遷宮」しておいてよかったなあ、と思います。耐用年数が2年だと見切ったら、壊れてなくても2年後には新しいマシンに移行して、古いマシンは障害時のバックアップマシンとして保管しておく、というわけです。

    もうひとつ考察すると、職場の外ではメールは gmail だけを使うようにしているので、PC のクラッシュはほとんど影響がありませんでした。

    大きな被害と言えるのは、新しいマシンに仕事環境を構築する時間的コスト、ではないでしょうか。

    また Microsoft Office やら Visual Studio やら Adobe Acrobat やら CodeGear RAD Studio やらをインストールするのかと思うと、かなりうんざりします。

    逆に、いまクラッシュしていなかったら、これから環境を XP に戻す覚悟ができず、これからも Vista を使い続けることで多くのトラブルやリスクに晒されるわけで、まあいいか。。。

  • システムの成功と終焉

    バージョン 3.1 のころから Windows を(Windows だけを、ではありませんが)使い続けているのですが、いま Windows Vista の自動更新がハードディスクをクラッシュさせてしまった「かも知れない」という事態に自分自身が遭遇して、あらためて思いました。

    成功してしまったシステムを成功裏に「次のステップ」に導くのはかなりの困難だろう、と。

    新しいバージョンをリリースするにあたっても、自動更新でパッチをリリースするにしても、既存のシステムからのアップグレードが問題なく実行できるようにインストーラーのシナリオを作り、検証を行う必要があるわけです。ユーザが使っているハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせは膨大なものとなっており、あらゆる場所に「失敗」のリスクが潜んでいるわけです。

    それはすべて、Windows XP が成功して、多くの対応ハードウェア、多くの対応周辺機器、多くの対応アプリケーションが世に出回ってしまったからこそ、起こった事態だと思うのです。

    いま Windows が置かれた状況はなんだか MS-DOS 3.1 が PC-9801 シリーズの上で圧倒的なシェアを誇っていた「16ビットパソコン全盛時代」を思い出させます。

    ありとあらゆるハードとソフトがその上で使えるようになり、ユーザもありとあらゆるノウハウを蓄積しましたが、やがて全ては「DOS から Windows への世代交代」とともに駆逐されていったのです。

    そう考えると、Windows XP を成功させたソフトウェア会社が作るべきだった次世代OSは「Windows とは全く違う新しい何か」ではないか、という気がしてきます。

    むかし学生の頃、社会科学部の講義を聴講して、こんな話を聞きました。

    マルクス経済学やケインズ経済学など、正しい社会科学的理論は、その理論が正しかったがゆえに、社会に大きな影響を与えてしまい、その理論が成り立たないような社会を作ってしまうのだ、と。

    同じように Windows XP はそれまでのバージョンアップの積み重ねの成果によって、あまりにも成功してしまった。成功したがゆえに「これ以上はどうバージョンアップしても破綻するしかない」というところまで来てしまったのかも知れない、と。。