タグ: wit

  • 著作権法三十七条

    法律の専門家ではありませんが、マルチメディア DAISY (およびテキストDAISY)の活動に関わっていることもあり、2010年1月1日の改正著作権法の完全施行でアクセシビリティを取り巻く環境がどう変わるのか、関心を持っています。

    今回の改正は音楽コンテンツや検索エンジンなど、さまざまな情報通信技術に影響を与えるといわれているのですが、点字や録音図書のネットワーク配信に関わっておられる方によれば「10年前に点字配信が実現したころから残されていた課題」がやっと解決するらしいのです。

    インターネットが障害の当事者だけでなく支援者にもさまざまな形で利用されうることが文化庁の理解を得た、というだけでなく「障害者権利条約」(日本はまだ批准していないそうです)への対応なども絡んでいるようです(関係者同士のお話を伺いながら勝手に想像しているだけですが)。

    そんなわけで条文を確認してみました。「テキストファイルにパッチを当てるだけの作業」のはずなのに、なんだか自信がありません。ポイントは三十七条3項らしいのですが。。。

    著作権法(昭和四十五年五月六日法律第四十八号)

    最終改正:平成二一年六月一九日法律第五三号

    (点字による複製等)

    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。

    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。

    3 点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、公表された著作物について、専ら視覚障害者向けの貸出しの用若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。以下この項において同じ。)の用に供するために録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる。

    (聴覚障害者のための自動公衆送信)

    第三十七条の二 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。以下この条において同じ。)について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該放送され、又は有線放送される著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。

    「平成二十一年六月十九日法律第五十三号 の未施行内容」が施行された後

    (視覚障害者等のための複製等)

    第三十七条  公表された著作物は、点字により複製することができる。

    2  公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。

    3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

    (聴覚障害者のための自動公衆送信)

    第三十七条の二  聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。

    一  当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。

    二  専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。

  • 第50回研究会発表募集中

    発表申込締切:2009年8月12日(水)です。招待講演・懇親会などが予定されています。

    第50回(平成21年度第3回)福祉情報工学研究会

    • 日時:2009年10月29日(木)~30日(金)
    • テーマ:福祉と音声処理,一般
    • 共催:音声研究会(信学会・日本音響学会)
    • 場所:青森県観光物産館アスパム(青森県青森市)
    • 世話役:神山 博 先生(青森公立大学)
    • 発表申込締切:2009年8月12日(水)
    • 発表申込:電子情報通信学会の研究会発表申込システムをご利用ください。
  • twtr2src による第49回WIT研究会報告

    一昨日の日記を書きながら「twitterの特定の日の発言をまとめる」というツールが欲しいと思ったら、ありました。

    改めて、7月24日の第49回WIT研究会

    の報告です:

    • 07:00 今日は山梨 http://www.ieice.org/~wit/
    • 10:09 WIT2009-48 山梨大学 大瀧さん発表。西本は座長。
    • 10:15 WIT会場の無線LANに接続。
    • 10:19 大瀧さん:移動行動推定と生理心理計測の統合。前者は加速度センサなど、後者は発汗(皮膚インピーダンス)
    • 10:36 大瀧さん質疑。行動判別は複数の特徴量の分布を利用。歩行は精度90%以上。課題は実験条件、地図情報と連携
    • 10:38 WIT2009-49 国リハ 中山さん発表。高次脳機能障害の実態調査
    • 11:09 中山さん質疑。もっと携帯電話の機能活用を。調査結果はキャリアや各団体に提供。高次脳機能障害に対する認知度が低い
    • 11:11 WIT2009-50 新潟大学 矢島さん発表 汎用シングルスイッチ まばたき検出
    • 13:08 矢島さん質疑:フォトセンサーを3つ使う理由?横ではなく縦に配置すべき?指入力とまばたきを同時に使えるとよい?まばたきは白目・黒目ではなく、まぶたの盛り上がりで検出。
    • 13:09 昼食(専門委員会)終了。これから WIT2009-51 伊藤さん(新潟大) マルチエージェント生産経済モデルのダイナミクスの評価
    • 13:12 伊藤さん:マルチエージェントの強化学習。社会格差のシミュレーション。
    • 13:38 伊藤さん質疑。評価尺度はなぜ経済効率と所得格差の2つ?経済活動はもっと複雑では?背景説明と実験結果がなぜ逆に?マルコフ性の仮定は妥当?なぜマルチエージェントを使った?
    • 13:39 WIT2009-52 発表者:小谷さん(山梨大) 視覚障害者向け自己位置推定システムにおける装置の研究開発
    • 14:06 小谷さん質疑。GPSは将来併用する。コストは低い。UIとして音声よりも振動を。センサの回転は3軸加速度センサと重力方向で補正可能。白杖にデバイスを付けたくない視覚障害者も?閾値の動的更新の精度?実験結果のルートと道路のずれ?気圧の変化で坂道がわかる
    • 14:07 第49回WIT。午後最初のセッション終了。休憩。
    • 14:16 WIT2009-53 前田さん(新潟大) 発表 新潟大学における視覚障害者のためのパソコン講習
    • 14:17 前田さん:地域貢献の取り組み。支援技術の開発に加えてリテラシー、人材育成。
    • 14:48 前田さん講演:学生TAが班に分かれて視覚障害者を指導する。質疑:TAの仕事は教えること。教員は直接は教えない。引き継ぎカルテが重要。質の評価をすべき?
    • 14:48 WIT2009-54 森さん(ロッタ) 次世代インテリジェント車いす「ひとみ」のメンテナンス
    • 14:50 森さん:ベンチャー企業で実用化した「盲導犬ロボット」がなかなか売れない。
    • 14:58 森さん:道路交通法をクリアするために「次世代インテリジェント車いす」を正式名称とした。既製品の電動車いすをベースに使用。さまざまな問題を克服。
    • 15:00 森さん:方位計測のためにシリコンジャイロ。ドリフト回避に起動後5分かかる。
    • 15:04 森さん:光電センサー2個による環境認識。取り付ける場所が難しい。
    • 15:08 森さん:対象とするユーザは白杖や盲導犬を使えない人。9割の人は家にこもっている。散歩に出かけたい。近所の人と交流したい。
    • 15:09 森さん:のちほど別会場で実演。走行中の画像処理表示、デモコースのティーチング、樹木の影や落ち葉などに対するロバスト性実験。
    • 15:18 森さん質疑:使っている人が周りにいないと理解できない?車と同じでブレーキやクラッチなど操作が必要。自治体に支援を依頼したい
    • 15:18 以上。WIT49終了。これからデモ。懇親会。
    • 20:15 WIT懇親会に参加せず特急で帰宅しました。

    Powered by twtr2src