カテゴリー: general

  • 迎春 2007年1月

    遅くなってしまいましたが、20枚くらい年賀状を出しました。

    2006年の出来事

    • IPA(情報処理推進機構)の未踏ソフトウェア創造事業(3月まで。テーマ:ソーシャルネットワーク型ラジオ放送のシステム開発)。埼玉県入間市のFM-Chappyにて音声投稿番組の実験。
    • 未踏ソフトで開発したシステム「オラビー」の改良と評価のために谷中「アジマルカフェ」からインターネットラジオ放送の実験。
    • 東京女子大学の非常勤講師として「コミュニケーション特論J」という講義を担当して、音声によるコミュニケーションとヒューマンインタフェースをテーマに半年いろいろ喋り、講義をポッドキャストで配信。
    • 文部科学省・科研費特定領域研究「情報福祉の基礎」にて、東京女子大学/慶応義塾大学と視覚障害者支援技術の共同研究。早口合成音声の聴取実験、対面朗読者と視覚障害者の対話分析など。国際会議でニューヨークで出張。
    • 千葉工業大学との共同研究で「頭部モーションセンサと音声を用いた対話インタフェース」の検討。

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    今年はこんな年に・・

    物事をじっくり深く考えることの大切さと面白さ、基礎的な物事を勉強し直すことの重要さ、などなど再認識している今日この頃です。

    今年の予定は、去年やり残した仕事を片づけることです。

    だからあえて「安易に新しい抱負を作らない」ということを、今年の抱負にしたいと思います。。

    若者たちに負けないように、先輩たちに負けないように、頑張ります。

  • 季節と感情

    iTunes Store で

    トップ100の中から30秒ずつ試聴して
    ぱぱっと選んで買った音楽を並べてみました。

    • ただ…逢いたくて / EXILE
    • 夢で逢えたら / Dragon Ash
    • JEWEL / 浜崎あゆみ
    • 恋愛写真 / 大塚愛
    • ぼくはくま / 宇多田ヒカル
    • 奏(かなで) / スキマスイッチ
    • 一人のメリークリスマス / エイジアエンジニア
    • actually / 柴咲コウ
    • 全力少年 / スキマスイッチ
    • マタアイマショウ / SEAMO
    • 遠く / ASIAN2
    • We Can’t Back / YUKALI wit’ Nao’ymt
    • CHRISTMAS LIST / 平原綾香
    • So Merry Christmas -TAKE 06- / mihimaru GT

    誰の音楽を聴くのか、と聞かれると答えに困るのは、
    テレビも雑誌も見ないで、曲だけ聴いて、
    どんなアーティストなのか知らないで買ってしまうから、
    アーティストの名前がぱっと出てこない、
    ということなのかも知れません。
    それでも音楽を買えるし、
    ちゃんとカラオケに行くとその曲が入っている、
    という不思議な時代になりました。

    適当に選んでしまったのですが、聞いてみると、
    時節柄クリスマスソングばかりです。
    しかも、あまりハッピーではないクリスマスソングが多い。
    時代を象徴しているのでしょうか。。

    この季節になると

    「日本人にとっての宗教」とは
    「季節」なのだろう、などと考える。
    季節の移り変わりを感じさせてくれるイベントを、
    ひとつひとつ楽しんでいる自分。

    肉よりも魚と野菜を食べるのが楽しいのも、
    季節があるから、に違いない。

    今年を象徴する漢字一文字は?

    という質問に、僕が答えたのは

    「怒」

    だった。

    もっと他にもありそうな気がしたが、
    けっきょくそれしかなかった。

    怒らなければ乗り越えられなかったような
    トラブルや雑用がたくさんあった。

    人工知能研究の大家・ミンスキーの
    「エモーション・マシン」が最近やっと出版され、
    とりあえず入手して眺めているのだが、

    「感情とは思考方法を切り替えるスイッチ」

    だそうだ。だとすると、今年自分は、
    「怒る」という思考方法を自分の道具箱に加えた、
    そんな一年だったように思う。

  • 障害者の日

    12月9日は障害者の日だった。

    そんなことをまともに知らないまま、
    「視覚・聴覚に障害のある人たちのための
    放送バリアフリーシンポジウム」
    というのを聞きに行った。

    視覚に障害がある人の92%は
    「主な情報源はテレビ」。
    ラジオじゃないの?と思うのだが、
    「テレビの方が内容が充実している」
    「みんなが見ているものに合わせたい」
    というのが実情。
    そういう人たちのために必要なのは
    副音声などの「解説放送」。

    聴覚に障害がある人が使う「字幕放送」。
    2007年に生放送以外の番組への字幕の義務化、
    という目標に向かって放送局は動いている。
    ディジタル放送や音声認識という技術進歩により、
    現実的になってきたが、コストが課題。
    字幕だけでなく「手話放送」にもニーズがある。

    そういう障害者のための放送を行っている、
    「CS障害者放送統一機構」というNPO法人が、
    今回のシンポジウムの主催だった。

    主催団体や当事者達の主張を要約すれば、
    「我々は利用者のニーズを踏まえた活動をしているので、
    放送事業者との話し合いの場をもっと設けて欲しい」
    という感じだろうか。。。

    「放送のバリアフリー化」の必要性は
    みんな分かってくれるが、そのためにコストを払うか、
    あるいは字幕や手話を必要としない人の不利益に
    ならないようにできるか、というところに問題がある。

    少数の人々の特別なニーズを満たす以前に、
    放送はそもそも「多くの人」のためのものだから。

    そして、特にローカル局などでアクセシビリティを
    考慮するためには、放送事業者が地域と密着して、
    当事者と協力する必要があるとのこと。

    どっかで聞いたような話だ。

    少数の人々のための情報発信。
    当事者の参加。
    受信者がコンテンツに関与する「集合知」。

    放送は「みんなのための正確で客観的なもの」である。
    先日もゴルフ中継でランキングを間違えて放送した局が
    放送法違反という指摘を受けたり、
    大河ドラマで時代考証を間違えた台詞があったり、
    という話題があったばかりだ。
    「放送」はそれだけの縛りがある。
    だから放送と通信の境界は簡単には越えられない。

    放送は「ユニバーサルなサービス」である。
    ユニバーサルデザインにすることで、
    障害者だけではなく多くの人が利益を得られる。
    字幕放送がにぎやかな場所でのテレビ視聴に役立つ、など。。

    でも、ユニバーサルサービスは万能ではないし、
    法律で「これを義務づける」とか、
    技術で「これを自動化する」といったアプローチは、
    どうしてもすべてのニーズをカバーできない。

    テレビの緊急警報放送の音が鳴ったら
    ラジオをつけて何が起こったかを知る、
    という視覚障害者。

    字幕のついていないインタビューの内容を、
    生放送中に友人にメールで頼んで書き起こしてもらう、
    という聴覚障害者。

    そういう話は「だから私達は困っている」という
    事例だったりするのだが、
    こういう人と人とのやりとりを、
    うまく支援できないだろうか、と思ったりする。

    それにしても、
    実は視覚障害者よりも自分の方がテレビを見てない、
    という事実にちょっとショックを受けた。