ヒューマンインタフェース学会誌2010年5月号の掲載に向けて、京都工芸繊維大学の荒木雅弘先生と共著で「音声対話システムの開発方法論とプラットフォーム」という記事を執筆しています。
誌面の都合もあり Galatea Dialog Studio(Linux版)の簡単な紹介(すでに sourceforge の wiki に書いた内容の短縮版)のみを、具体的なツールの説明として挙げています。
これから1ヶ月くらいの間に、sourceforge で公開しているソフトウェアや情報について、未着手の作業に取り組む予定です。皆様から御提案や御助言いただけることがあればお知らせください。
それから、私個人の情報発信としては、Windows 環境で GalateaTalk と Julius のソケットインタフェースをPython からアクセスするラッパーを書き始めています。
現在の Galatea Dialog Studio はいろいろな機能を Java で作り込んだものの、全体構造の見通しが悪く、メンテナンス性に問題があると自分自身で認識しています。
Galatea Project の初期に Perl による AgentManager として例えば「オウム返しスクリプト」が実装されたのですが、こういう基本的なことを再考しつつ、部品としての利便性にも配慮して次の段階の活動を模索したいと思っています。
この他にやろうと思っているのは各モジュールの Mac 対応だし、実験としては FSM を iPhone OS で動かしてみたいと思っています。(iPadはエージェント対話システムの手頃なデバイスになりそうなので)iPod Touch アプリの開発環境は揃えたんですけどね。。
2月末に東京近郊で開催されたオープンソースカンファレンスに参加して様子を見てきました。細々とでもこういう場で Galatea Toolkit をアピールするのもよいかなと思い始めています。
nishimotzの日記
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Galatea Toolkit 近況
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サピエ図書館に思うこと
本を売って印税を得る権利、買った本を障害の有無にかかわらず読むことができる権利、そして図書館などの公的施設で無料で本を借りて(もちろん障害の有無にかかわらず)読むことができる権利。
権利と権利はどのようにお互いに尊重され、守られていくのか。。
2週間前になってしまいましたが「視覚障害者総合情報ネットワーク」(新しい名称「サピエ」)の研修会に参加した際にTwitterでつぶやいた記録を下記にまとめておきます。明日から4月。いよいよ正式に公開されるはずです。
私は引き続き「地域・生活情報」のシステムやインタフェースのお手伝いをしたり、テキストDAISYの制作・閲覧のためのテキスト音声合成技術のお手伝いをしたりする予定です。
日本の国会図書館の動向が頻繁に話題になりますが、サピエはこの1年間「活動が国会図書館と重複しないように」という調整をしてきたに過ぎず、本格的な連携については今後議論されていくのではないでしょうか(私はこのあたりにはタッチしていません)。
つぶやきの再掲になりますが、今回のプロジェクトに関わったことで、視覚障害者が本を読む権利と著者の権利が、著作権法37条によって両立している最前線の現場を知ることができました。その現場がほとんど世の中で知られていないのは、皮肉にも著作権法が厳格に運用されているからだということもよく分かりました。
「著作権法37条」という特別な世界の中で、それらがボランティアの手で音声やテキストファイルや点字データに変換される。
その流通もカセットテープからDAISY CDへ、そしてSDカードになり、ブロードバンドで直接ダウンロードできるようになる。世代間の格差。アクセシビリティのデバイドの中に、さらにディジタルリテラシーのデバイドがある。。
電子書籍という黒船の到来。紙の本や雑誌や新聞が売れないと言われるメディア環境の変化。
そんな中で、だがやはり現実には、墨字の本が日々世の中に送り出されている。
実情が広く知られると「じゃあ自分にも何か役に立てるのではないか」と思う方がたくさんいる。
しかし点訳も音訳も、きちんと講習を受けて、必要な技能を持ち、著作権法を遵守できる組織に属する方々による作業。
素人が簡単に関われる世界ではない。。
何年か前にトロンのイベントで坂村さんが「朗読ボランティアをやりたかったが試験で不合格になった。それがイネーブルウェアを始めたきっかけ」と言っておられたのを思い出しました。
サピエ講習会では「読書のバリアフリー」に関わる方々が、みなさん一生懸命に頑張っておられることを痛感しました。
その気持ちに触れた自分に何ができるのか、自問する日々です。
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総合大会 福祉情報工学セッション
電子情報通信学会 総合大会 A-19 福祉情報工学セッション(馬塚先生の講演会の続きの時間帯)の記録です。今年は、東京で単独開催の研究会をやった直後の総合大会でしたが、件数も多く参加者もたくさんいらっしゃって、議論も活発だったと思います。
一昨年までは総合大会は3月のWIT研究会と連続開催でした。昨年度から総合大会と研究会の開催場所・開催日程が分離され、今年度は12月にまったく新しい合同イベントとしてHCGシンポジウムが行われることになりました。
来年度は3月にはWIT研究会を行わない予定なので、総合大会はさらに盛り上がるかも知れません。2011年総合大会は3月14日(月)~17日(木)の4日間、東京都市大学 世田谷キャンパス(東京)での開催です。
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