NVDA 2015.3jp と NVDA ワールド 2015 東京 (9月12日)

NVDA 日本語チームから NVDA 2015.3jp のリリース、そして NVDA ワールド 2015 東京 (9月12日) の最新情報です。

無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の日本における開発コミュニティである NVDA 日本語チームは、2015年8月25日に NVDA 2015.3jp をリリースしました。

ダウンロード
http://i.nvda.jp/

NVDA日本語版 ダウンロードと説明
https://www.nvda.jp/

Windows 10, 8.1, 8, 7, Vista, XP(SP3) の32ビット版および64ビット版に対応しています。
Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。
NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。

NVDA は多くのアプリケーションに対応し、インストール不要で利用できるポータブル版、アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。

NVDA 日本語チームがリリースする NVDA 日本語版は、オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA 本家版に日本語の音声エンジンと点訳エンジンを追加するなど、日本語 Windows 環境のための改良を行っています。

NVDA 本家版 2015.3 の主な改良点は、Windows 10 への暫定的な対応、ブラウズモードで1文字ナビゲーションを無効にできる機能(NVDA+Shift+スペース)、および不具合の修正です。

NVDA最新情報(本家版のバージョンごとの変更点)
https://www.nvda.jp/nvda2015.3jp/ja/changes.html

NVDA日本語版 2015.3jp の変更点
https://www.nvda.jp/nvda2015.3jp/ja/readmejp.html#toc65

Windows 10 の多くの機能について、NVDA は 7 や 8.1 と同等に機能しますが、現時点では一般的な NVDA ユーザーには Windows 10 の利用を推奨しません。

NVDA の Windows 10 対応に関する NV Access からの告知の日本語訳
http://d.nishimotz.com/archives/1833

最後に、開催日が近づいてきた「NVDAワールド」の最新のご案内です。

(ご案内 ここから)

NVDAワールド 2015 東京

2015年9月12日(土曜)

無料で使えるパソコン用スクリーンリーダーの導入から最新情報まで

NVDA (NonVisual Desktop Access)とは、無料で使えるオープンソースのWindows用スクリーンリーダーです。
合成音声や点字によるフィードバックを通して、視覚障害者が特別な出費をしなくてもWindowsパソコンを使えます。

NVDAは、世界中の各地域の個人・団体などの援助によりNV Access(視覚障害者であるMichael Curran氏を中心に作られた非営利組織)が開発しています。

NVDA日本語チームはこれまで、グローバルなNVDA開発コミュニティにおける日本語対応を担当しつつ、日本のユーザーに必要な機能を追加したNVDA日本語版の開発、日本国内におけるNVDAの普及啓発活動を行ってきました。

2015年7月に Windows 10 がリリースされ、無料アップグレードの提供が始まりました。
めまぐるしく変化するコンピューターとインターネットの世界、その中で挑戦を続ける NVDA の世界を、より多くの人にお知らせするために、昨年に引き続き「NVDA ワールド」を開催します。

今年の NVDA ワールドでは、最新の NVDA 日本語版 2015.3jp を使って、Windows や Web アプリなどの NVDA の操作の基本、NVDA にいろいろな機能を付け加えるアドオンの最新情報、職場における NVDA の活用方法を紹介します。

特別講演では、無料で利用できるオープンソースのオフィス統合環境 LibreOffice をご紹介します。
LibreOffice はワープロ、表計算、プレゼンテーションなどの機能を備え、Microsoft Office との相互運用性が高く、世界中からボランティアが参加するコミュニティによって活発な開発が行われています。
開発スタイルが NVDA と似ているだけでなく、LibreOffice の主要な機能はNVDA から使うことができます。

今回は LibreOffice の概要、 LibreOffice のアクセシビリティ、日本の翻訳チームの状況などについて、デスクトップ環境、印刷環境、国際化、翻訳を含むオープンソースソフトウェアの
幅広い分野で活動、著述、講演をしておられる、LibreOffice 日本語チームの おがさわら なるひこ 様にご講演いただきます。

NV Access に支援をしておられる日本財団様に、今年は日本のコミュニティのイベントにもご協力いただけることになりました。
NVDAにご興味・関心のある個人・団体・企業の皆様、ふるってご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。

■ NVDAワールド 2015 東京 の概要

主催:NVDA日本語チーム
協力:日本財団 / 神奈川県ライトセンター視覚障害援助赤十字奉仕団 / 特定非営利活動法人 神奈川県視覚障害者情報雇用福祉ネットワーク
日時:2015年9月12日(土曜) 10時から17時
問合せ先: nvdajp@nvda.jp
会場:日本財団ビル (東京都港区赤坂1-2-2)
参加費:無料
定員:100人(予定)
参加方法:会場準備のため事前にお申し込みをお願いします。
後述の「募集」をご参照ください。
参加申込者が多数になった場合は受付を終了する場合があります。
開始時の誘導:9時30分から10時30分まで、東京メトロ 溜池山王駅 溜池交差点方面改札(銀座線の出口)からの誘導を行います。
終了時の誘導:イベント終了時に会場から東京メトロ 溜池山王駅への誘導を行います。(16時30分ごろと17時00分ごろの予定)
主催者から昼食の提供はありません。

■ 参加申し込み受付と募集

参加申し込みの受付および以下の募集を行っております。

NVDA日本語チームの connpass
http://nvdajp.connpass.com/event/18105/

または nvdajp@nvda.jp 宛のメールにてご連絡ください。

・一般参加者(誘導のご希望の有無をお知らせください)
・ライトニングトーク登壇者(一般参加者としてお申し込みください)
・当日の運営をお手伝いいただけるボランティアスタッフ
・ブース出展者(非営利活動グループ)

・ブース出展を伴う企業等のスポンサー(詳細は下記をご参照ください)
https://www.nvda.jp/2015/nvda-world-2015-tokyo-sponsors.html

■ プログラム

1. NVDA 日本語版 2015.3jp と Windows 操作の基本
講演:西本 卓也(NVDA 日本語チーム)
概要:NVDA 日本語版の最近の改良点と、Windows での文字の読み書きなど基本操作を紹介します。
時間:10時15分から11時00分

2. 就労における NVDA の活用
講演:村松 謙(ブラインドパソコンサポート)
概要:業務利用での NVDA のメリットや活用方法を紹介します。
時間:11時00分から11時30分

お知らせ
時間:11時30分から11時45分

昼休み
時間:11時45分から13時00分
主催者から昼食の提供はありません。近隣のお店をご利用頂くかご持参下さい。

3. NVDA による Web アプリの操作
講演:西本 卓也(NVDA 日本語チーム)
概要:Gmail などの Web アプリの操作を最新の NVDA を使って説明します。
時間:13時00分から13時45分

4. 特別講演:LibreOffice のアクセシビリティとコミュニティ
講演:おがさわら なるひこ(LibreOffice 日本語チーム)
概要:オープンソースのオフィス統合環境 LibreOffice の概要、アクセシビリティ、日本の翻訳チームの状況などについてご紹介します。
時間:14時00分から14時45分

5. NVDA アドオンの紹介
講演:野々垣美名子(NVDA 日本語チーム)
概要:インターネットを介して他のパソコンを遠隔操作できる「リモート」など、NVDA にいろいろな機能を付け加えるアドオンの最新情報です。
時間:15時00分から15時30分

6. 質疑応答
概要:NVDA日本語チームがNVDAについてのご質問にお答えします。
時間:15時45分から16時15分

7. ライトニングトーク
概要:5分程度の短い講演を4件程度募集します。登壇者は当日決定します。
時間:16時15分から16時45分

■ インターネット配信

インターネット配信を実施する予定です。
詳細はウェブサイト等でご案内します。

NVDA ワールド 2015 東京 の最新情報は下記でご確認ください。

https://www.nvda.jp/2015/nvda-world-2015-tokyo.html

■ 関連するイベント

このイベントの翌日の9月13日 (日曜)には AccSell Meetup 010 『Web制作者のためのNVDA入門』(主催:AccSell) が開催される予定です。
Web制作者の立場からNVDAに興味があるという方は、こちらのイベントもぜひご検討ください。

http://accsell.net/info/accsell-meetup010.html

(ご案内 ここまで)

デザイニング Web アクセシビリティ

2015年7月に出版された「デザイニング Web アクセシビリティ」を紹介します。

私が開発・翻訳に関わっているオープンソースのスクリーンリーダー NVDA は、アクセシビリティに関わる開発者・制作者のためのツールになってほしい、そして日本でもこういう「Web アクセシビリティの定番教科書」(になるはずです、この本は)が取り上げるソフトウェアにならなくてはいけない、という思いを私は持ち続けてきました。

手元に届くまで、もし NVDA の N さえ出てこなかったらどうしよう、とドキドキしていたのですが、心配無用。
冒頭の「スクリーンリーダー」の説明:

「日本国内では PC-Talker, JAWS, NVDA などがよく使われています」

なんと「日本国内でよく使われているスクリーンリーダー」とまで言っていただきました。
たいへん光栄です。
まだまだ「よく使われている」かどうかは私自身が疑問ですが、日本国内で「よくインストールされている」スクリーンリーダーであることは間違いないでしょう。なんせ無料だし、3ヶ月に1回バージョンアップしてますからね。。

一方で、この「よく書かれた教科書」は、スクリーンリーダーの解説書でもなければ、スクリーンリーダーでのユーザー体験がすべてであると書かれているわけでもありません。
支援技術への対応やその検証は、本書で解説される「サイト製作プロセス」の後のほうの一要素でしかありません。

それどころか本書は全体を通じて、HTML や CSS フレームワーク、JavaScript ライブラリなどの具体的な記述など、実装の話は少ししか出てきません。
WCAG 2.0 や JIS X 8341-3 と同じく「特定の技術や実装に依存しない記述」になっていると言えます。
(そのかわり関連書籍「コーディング Web アクセシビリティ」が WAI-ARIA を扱っています)

ですが、ユーザー体験というレベルでは、アクセシビリティがどのように損なわれるのか、という問題が非常に具体的に扱われていて、その問題ごとに適切な解決アプローチが紹介されています。

なので本書は WCAG 2.0 や JIS X 8341-3 のよい解説書、アクセシビリティガイドラインに対応するための実践書になっています。
(「WCAG 2.0 と本書内容の対照表」が巻末についています)

私はWebサイト制作者としてのスキルやキャリアが足りないので、本書を読みながら、世の中のWeb製作の現場、社内や顧客とのやりとりなどを想像するのが面白いです。

さすがに2015年の現在、アクセシビリティというものに対する世の中の認知は、多少は高まってきたのだと信じています。
おそらく「単なる悪意や無理解でアクセシビリティが悪い」ということは、多少は減ってきたのだと思います。

しかし「つい他のことに気を取られてアクセシブルでなくなってしまっている」というケースはむしろ多くなっているのではないか、ということを、本書を読んで感じています。

その最たる例が「いわゆるセキュリティ面の要求に応えていたらアクセシブルではなくなった」というケースでしょう。

ロボットを排除するための画像認証(CAPTCHA)、コンテンツのコピー防止のための右クリック対策、不正アクセスを防止するための「戻るボタン」抑止やセッション時間制限、フォーム入力の過剰なエラー処理、など、おそらくは「悪意からこうなった」というよりも「セキュリティの要求に(アクセシビリティの視点抜きに)対応してしまった」というケースが増えているのだと思います。

本書が「本気」で書かれているのはまさにこの部分で、こういう課題をどう考えれば正しいのか、筋がよいのか、といったことが議論されています。

CMSの問題、ポップアップメニューの操作、といった問題も「運用コスト」「開発効率」「リッチな体験」「モバイルデバイスの画面設計」などなど、「つい他のことに気を取られて失敗」というパターンに分類できそうです。

「正しいことを正しくやる」ことがずっと変わらないとしても、それを学ぶために必要な教科書は「こういうことに気をとらわれるとこういう失敗がおきる」ということを、時代に合った内容で伝えていく必要があるんでしょうね。。

アクセシビリティ、あるいはマシンリーダブルであることの重要性をいくら説いても「ついそこから逸脱させてしまう他の要因」は手を変え品を変え、次から次へと登場してくるのでしょう。
なので、こういう内容の本にご興味があるなら、早めに手にとって実践されることをお勧めします。

ひさしぶりに書籍の紹介をした理由ですが、実は自分用に1冊購入して、その後で AccSell メールマガジンの読者プレゼントでもう1冊いただきました。2冊目は人に配るために使わせていただきます。

そして AccSell のポッドキャスト 8月19日ごろ配信の第75回には、私が出演して NVDA の話をします。

NVDA 関連の告知を(前の記事の繰り返しですが)もう2つ:

NVDA ワールド 2015 東京(9月12日)のプログラムがほぼ確定しました。
特別講演として LibreOffice 日本語チームの おがさわら なるひこ さんをお招きします。
NVDA でも利用できる無料のオフィススイート LibreOffice の魅力、アクセシビリティ対応とコミュニティ運営について伺う予定です。
とても楽しみです。

翌日の9月13日は AccSell Meetup 010 『Web制作者のためのNVDA入門』 を担当します。
「デザイニング Web アクセシビリティ」で書かれていること、実際に試してみましょう。

どちらもよろしくお願いします。

PyCon mini Hiroshima など

地域 PyCon mini を広島で という話を2月14日にしゃべってから、いろいろな方にご相談して、ご協力いただいています。
日程と場所が確定したので、今日の LT 駆動開発17 で紹介しました。

PyCon mini Hiroshima 2015
主催:PyCon mini Hiroshima 2015 実行委員会
開催日:2015年11月22日(日曜)
会場:サテライトキャンパスひろしま

私は実行委員長を務めることになりました。このイベントについての詳細はいずれまたお知らせします。
今日のLTでは、PyCon JP 行動規範に始まり、整備されたマニュアルやツールなど、イベントの運営についていろいろ学ぶことがある、という話をしました。

以下はLT駆動でしゃべらなかったですが、9月の東京でのイベントのお知らせの続報。
9月12日(土曜)「NVDAワールド 2015 東京」参加申し込みの受付を開始しています。

翌日も東京ですが、9月13日(日曜)『Web制作者のためのNVDA入門』というイベントで講師を担当します。